【工務店向け】非住宅木造でSE構法が高く評価される理由
これから非住宅木造に取り組む工務店様にとって、信頼できる工法はSE構法です。
SE構法は許容応力度計算による構造計算を全棟実施しております。
構造用集成材と専用金物を用いた強固な構造躯体により、設計の自由度は格段に高まります。
非住宅木造の実績も豊富です。
このコラムでは非住宅木造でSE構法が高く評価される理由について詳しく解説します。
<このコラムでわかること>
・非住宅木造に強いSE構法のワンストップサービス
・構造事務所でも非住宅木造の構造設計ができるとは限らない
・非住宅木造におけるSE構法の構造設計の考え方
・SE構法へのお問合せ、ご相談について
・まとめ
非住宅木造に強いSE構法のワンストップサービス
非住宅の木構造として最適な工法が「耐震構法SE構法」です。
SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい大空間、大開口などを実現することができます。
SE構法であれば、非住宅木造で求められるスパンの大きい空間にも対応できますし、架構をシンプルにすることが可能です。
SE構法は、全棟構造計算を実施する構造システムですので、意匠のデザインに合わせて構造計画を決定することができます。
SE構法は、独自のSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁とを接合し、優れた耐震性能を実現しています。
SE構法は表面にネジ切り加工を施した通常のボルトの約2倍の強さを持つSボルトを木材にねじ込み、高強度のSE金物との組み合わせにより、耐震性の高いラーメン構造を実現しています。
非住宅木造を計画する際には、選択した木造の工法に関わらず、「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」というプロセスが必要になります。
SE構法で非住宅木造の設計を進める際には、初回相談から確認申請提出までの時間軸は、目安として3ヶ月程度必要となります。
構造設計側の図面作成や構造計算の他に、意匠設計側との調整も必要だからです。
確認申請の対応やプレカット関連業務、工事監理も重要な要素です。
SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」そして施工というプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。
SE構法が持つ構造スペックをNCNの構造設計スタッフは熟知しておりますので、構造計画の相談においてはレスポンスよく回答、提案しています。
非住宅木造の空間やデザインの可能性を広げるためにも早めの相談がおすすめです。
構造事務所でも非住宅木造の構造設計ができるとは限らない
非住宅木造の計画をする際に、身近に木造非住宅の構造設計を相談できる構造事務所がなくて困っている工務店様は多いと思われます。
建築設計を行う際、構造設計は「構造事務所(構造設計者)」に依頼しますが、木造を手掛けられる構造事務所は圧倒的に少ないと言われています。
特に非住宅木造の「構造設計者不足」は深刻です。
非住宅木造をつくることのできない時代が続いたので、非住宅木造に対応できる構造設計者が育たなかったという背景もあります。
非住宅木造を計画する場合、規模的に構造計算が必須となりますので、構造設計のパートナー選びが重要になります。
現実的には木造に対応できる構造設計者が不足しているため、計画に際しては早い段階から構造設計を担えるパートナーを決める必要があります。
建築業界の実情として、構造設計者は慢性的に不足しています。
以前より構造事務所は数が少なかったのですが、耐震偽装問題の後、建築基準法や建築士法の改正により、構造設計者が減少しているのが実情です。
構造設計者は、構造設計に関する実務能力に加えて、工事監理では構造面で専門性の高い判断も求められる仕事です。
そのため、実力・実績のある構造設計者は貴重な存在です。
建築士の高齢化などの問題もあり、構造事務所の確保は木造建築の大きな課題です。
「非住宅木造の構造設計を誰に頼めばよいのかわからない」という問題に対して、そのような会社に相談することも選択肢の一つです。
NCNは非住宅木造に対応できる実力と豊富な実績がある構造事務所でもあります。
関連記事:耐震構法SE構法はより耐震性能を高める構造計算が可能な理由
非住宅木造におけるSE構法の構造設計の考え方
日本に住み続ける限り、いつか必ず地震や台風はやってきます。
地震・風などの自然災害にも耐えうる理想的な構造を設計するため、SE構法では、構造計算により木造建築の強さを証明しています。
SE構法では構造計算によって、あらかじめ地震の揺れや風の力を想定し、それに耐えうる性能を持った木造建築づくりを可能にしています。
木造建築は、土地の周辺環境や立地条件によって一棟一棟異なるため、SE構法では全棟構造計算しています。
SE構法は、柱や梁そのものを互いに強く接合し、強固な構造躯体をつくり上げます。
SE構法は構造計算によってあらかじめ地震の揺れや風の力を予測し、それに耐えうる性能を持った大規模木造を可能にしています。
構造計算を実現するには以下の条件があります。
こうした条件を満たすことによって構造計算が可能になり、SE構法は建築物の安全性を数値によって証明できるのです。
- 建築物の構造を構成するすべての部材の強度が分かっていること。
- 接合部に強度の基準があること。
- 基礎や構造部材、接合部の強度が一定の基準値を満たしていること。
SE構法の構造設計は、以下の流れで行います。
- 意匠の設計図を基に、「構造計画」を行う
- 構造伏図を描き、「構造設計」を検討する
- 重力や地震、台風を想定した、鉄骨造やRC造と同じ「構造計算」を行う
こうした構造計算により、きたる自然災害に耐えうる強靭さを備えた上で、大規模木造が実現できるのです。
SE構法の構造設計はすべてNCNで行い、その安全性を確認するようにしています。
構造計算は立体解析で行い、SE構法の接合部等の性能を忠実に反映できる構造システムです。
SE構法専用に開発された「SE-CAD」は、プレカット加工情報や接合部情報(ドリフトピン・SE金物)をすべて立体データで処理できるCADとなっております。
SE-CADは梁サイズと接合金物の組合せ等を自動で判定するなど、合理的なCADシステムになっています。
耐力壁は釘間隔によって区分したブレースを置換して解析しています。
水平剛性は等価部材に置換して、すべての部材において剛性マトリックスによる立体フレーム解析を行っています。
関連記事:耐震構法SE構法は全棟で立体解析による構造計算を実施
・SE構法の構造計算解説
SE構法へのお問合せ、ご相談について
非住宅木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。
1.構造設計
SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。
2.概算見積り
SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。
3.調達
物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。
4.加工
構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。
5.施工
SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)
↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。
https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/
まとめ
非住宅木造においては、SE構法の構造躯体の強みを活かした構造設計により、コスト減、施工性向上を実現することができます。
SE構法は構造用集成材の中断面部材(柱は120mm角、梁は120mm幅)が標準なため、住宅と同等の部材寸法でスパン8m程度までの空間を構成できるコストパフォーマンスをうまく活用していただければと考えております。
スパンが10mを超える空間は、特注材やトラス、張弦梁などを活用することも可能です。
計画段階からNCNの特建事業部に相談することで、木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談することで、合理的に設計実務を進めることが可能です。
集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。
SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。
また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。
構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。
株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。