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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

【解説】発注者向け大規模木造に関するプレイヤー

  • 【解説】発注者向け大規模木造に関するプレイヤー -

非住宅の建築物を木造で建てようとするとき、そのプロジェクトの成否の分かれ目になるのが、設計者や施工者といった専門家選びです。木造建築に携わる専門家といっても、設計事務所、工務店、建設会社、不動産ディベロッパー、ハウスメーカー、木構造メーカーなど多岐にわたります。そのプロジェクトの規模や内容、予算などに応じて、適切に専門家を選定することが重要になります。

このコラムでは、発注者向けに大規模木造に関わる各プレイヤーについてお伝えします。

 

<このコラムでわかること>

発注者大規模木造を計画する際に知っておきたい各プレイヤー

非住宅木造建築で重要な設計監理を担うのが設計事務所

実は非住宅木造建築にも対応できるのが工務店

大規模木造をワンストップで任せられるのが建設会社

大規模木造を積極的に取り組んでいるのは不動産デベロッパー

大規模木造で実績を積み重ねているのがハウスメーカー

大規模木造の鍵となるのが木構造メーカー

SE構法へのお問合せ、ご相談について

・まとめ

 

 

発注者が大規模木造を計画する際に知っておきたい各プレイヤー

発注者が大規模木造を計画する際に知っておきたい各プレイヤー

事務所や商業施設など非住宅の建築物を木造で建てようとするとき、そのプロジェクトの成否の分かれ目になるのが、設計者や施工者といったパートナー選びです。

「建築」と言っても、さまざまな用途・構造があります。

あらゆる用途のあらゆる構造の建築物に経験があるという設計者や施工者は、あまり存在しません。

建築の仕事において、その用途の建築物の経験の有無はとても重要です。

例えば、コスト面の合理性を確保しながら設計できるか、雨漏りを防ぐ細部の処理を熟知し施工できるか、といったコストや品質の違いになって表れます。

より良い木造建築を建てるなら、木造建築に対する経験や実績があるか否かが大事です。

木造化が進んでいる公共施設では、木造建築の設計者選びでコンペ方式やプロポーザル方式を採用する例が見られます。

コンペ方式やプロポーザル方式は、発注者側の要望に基づく提案や過去の実績を基に設計者の能力を見極め、その比較によってパートナーを選定するものです。

この方式は、設計者と施工者を一つのチームとして選定する場合にも採用することができます。

民間建築においても、契約前の段階でさまざまな情報収集や提案を受けるなどして、慎重に専門家を選定することが重要です。

 

 

非住宅の木造建築で重要な設計監理を担うのが設計事務所

非住宅の木造建築で重要な設計監理を担うのが設計事務所

建築設計とは、建築物の設計に関わる仕事を包括的に言い表した言葉で、実際の業務は多岐にわたります。

建築設計に携わるのは、主に建築士です。

建築設計の業種は大きく「意匠設計」、「構造設計」、「設備設計」の3つに分けられ、業種によって業務内容や求められるスキルが異なります。

発注者が選ぶのは意匠設計を担う「設計事務所」であり、その設計事務所がリーダー役となって、構造設計や設備設計との協働を行なうかたちになります。

設計事務所は、基本的には建築主との打ち合わせ、各種調査、建築設計、各種申請、施工会社選定、工事監理、引渡しの流れで業務を進めます。

ゼネコン(建設会社)やハウスメーカー、工務店など、建築設計の仕事ができる企業は数多く存在しますが、建築の設計監理に特化しているのが設計事務所の特徴です。

非住宅の木造建築に携わる設計事務所に関しては、「組織系設計事務所」か「アトリエ系設計事務所」に大きく区分されます。

組織系設計事務所とは意匠設計、構造設計、設備設計の各部門を自社内に抱える規模の大きな建築系設計事務所のことです。

公共施設、民間施設ともに中規模以上の事業系物件を中心に扱います。

アトリエ系設計事務所は建築家個人の個性や芸術性を反映した設計をする、比較的小規模で建築家が主宰する設計事務所のことです。

主に住宅や小規模な商業施設、公共施設などを手掛けます。

 

<大規模木造で知っておきたい設計事務所選びのポイント>

・非住宅の木造建築の設計実績がある設計事務所は限定的なため、実績を必ず確認する

・発注したい建築物の用途の設計実績がその設計事務所にあるかどうかを必ず確認する

・設計事務所は「設計監理」のみを担当するため、施工者などの専門家チームを作る必要がある

 

関連記事:発注者が知っておきたい大規模木造のプロの選び方

 

 

実は非住宅の木造建築にも対応できるのが工務店

実は非住宅の木造建築にも対応できるのが工務店

非住宅の木造建築で注目されるのが工務店です。

工務店は、一人で経営している会社もあればそれなりの規模の会社もあり、業態もさまざまなので業態のタイプで大きく5つに分類されます。

1.独立自営型:注文住宅の設計・施工を主業務とする工務店です。

2.施工特化型:施工を主業務にする工務店。設計事務所案件などを手掛けています。

3.下請け型:ハウスメーカーや分譲住宅会社の施工に特化している工務店です。

4.リフォーム専門型:リフォームをメインで引き受ける工務店です。

5.不動産会社の建築担当型:住宅を販売する時に、建築部分を担う工務店です。

 

幅広い業態の工務店ですが、どの会社でも、その仕事の中心になるのは施工です。

施工の仕事は非常に多岐ですが、主なものは下記の3つです。

・工程管理

工事を受注したら、予算やスケジュールを組んで専門工事業者を手配するとともに、資材の発注を行います。現場では具体的な指示を出しつつ、作業の段取りを組み、スケジュールを管理します。トラブルや変更が起きた時の調整役も担います。

 

・安全管理

大工さんや職人さんが安全で仕事をしやすい環境をつくります。近隣住民への挨拶・説明や、通行車両の対応にもあたります。

 

・品質管理

工事が計画通りにきちんと行われているか確認します。また、資材のチェック、管理も担当します。法律で定められている検査の立会い等も行います。

 

<大規模木造で知っておきたい工務店選びのポイント>

・工務店は小規模な企業のため、設計から施工まで一貫して対応できる会社は限定的。

・木造建築の施工では重要な存在であり、元請けもしくは建て方施工、木工事を担える。

・技術力や地域のネットワークを活かすことで、主に小規模の木造建築の担い手になれる。

 

 

大規模木造をワンストップで任せられるのが建設会社

大規模木造をワンストップで任せられるのが建設会社

建設会社は、様々な仕事内容があり、それを一括で請け負っているか、一部の施工のみ担当しているかは建設会社ごとに違います。

ゼネコンとは、General Contractor(ゼネラル コントラクター)の略で、建設の請け負いをする建設業者のことです。

総合建設業は建築に関わる全ての分野で対応できる会社ということです。

対応できる建築物も幅広く、ビル、マンション、アパート、病院、学校、商業施設など、建物の規模にとらわれず対応できる体制になっています。

それぞれ専門分野に長けた会社に仕事を割り振って、プロジェクト全体を管理する役割も担います。

現場仕事だけでなく、発注者や設計事務所との折衝など、総合的なマネジメントを行っています。

 

<大規模木造で知っておきたい建設会社選びのポイント>

・非住宅の木造建築の実績がある建設会社は限定的なため、実績を必ず確認する。

・木造建築では重要な存在であり、設計・施工までをトータルに任せられる会社もある。

・技術力や地域のネットワークを活かすことで、中・大規模の木造建築の担い手になれる。

 

関連記事:【核心】建設会社が大規模木造に取り組むメリット

 

 

大規模木造を積極的に取り組んでいるのは不動産デベロッパー

大規模木造を積極的に取り組んでいるのは不動産デベロッパー

不動産ディベロッパーとは、基本的には土地開発業者というべきもので、マンション開発、戸建て開発、オフィスビル開発、総合施設開発などその内容も多岐にわたっています。

この過程において、不動産ディベロッパーはさまざまな業務を行います。

事業プランを立てるという意味ではプランナーであり、さまざまな情報を集め行政の許認可を取得する実務的リサーチャー、そして建築の管理まで行う建築開発のエキスパートです。

 

主な仕事は下記の3点です。

1.事業プランを考える

ターゲットとなる土地を設定し、事業プランに沿った環境と機能を想定します。この際にオフィスビルを開発するのか、商業施設なのか、あるいは住宅施設なのかなどを決定します。また他社の開発物件といかに差別化するかということも重要なポイントです。

 

2.物件を取得するための交渉をする

開発するための物件を取得することも、不動産ディベロッパーの仕事です。仲介する業者や銀行などから情報を集め、取得するための金額の設定、また持ち主や仲介業者との交渉を行う必要があります。それらを総合的に事業計画として固め、開発すべき案件の実現に向けた業務を推進することが仕事です。

 

3.建物の設計から施工までをトータルで管理をする

事業プランに沿った物件もしくは土地が手に入ったら、具体的な建物の設計・施工を提携する建築実務者(設計事務所や建設会社等)と共に行います。予算に沿った現実的な設計に基づいて施工を開始しますが、これを管理するのが仕事です。

 

<大規模木造で知っておきたい不動産ディベロッパー選びのポイント>

・投資先等との関係性もあり、ESG投資という観点でも木造化には積極的である。

・規模が大きい会社が多いため、一定以上の規模の施設でないと手掛けないこともある。

・自社で設計・施工を行わないため、提携する建築実務者の質が重要になる。

 

 

大規模木造で実績を積み重ねているのがハウスメーカー

大規模木造で実績を積み重ねているのがハウスメーカー

将来的な住宅需要の先細りに対応するため、近年の大手ハウスメーカーは様々な事業に進出しています。

多くのハウスメーカーでは「施設建築」の事業を展開しています。

大手ハウスメーカーにおいては、海外で住宅・非住宅を販売するケースをはじめ、高齢者介護や福祉、さらには保育施設の建設などを行っている会社もあります。

ハウスメーカーの強みは、不動産から建設、運用までのワンストップな提案力です。

計画の立地や市場、地域を把握するために綿密な調査を実施して、市場ニーズに合った事業を発注者に提案することで受注を積み重ねています。

地域へ貢献できる施設づくりには、息の長いパートナーシップが不可欠であり、建てた後も続く長期にわたるサポートで発注者を支援する仕組みです。

 

<大規模木造で知っておきたいハウスメーカー選びのポイント>

・土地活用と事業推進のソリューションに優れている。

・会社によっては「木造」が取り扱えないこともあるので事前に確認が必要。

・ハウスメーカー主体で動くが、提携する設計事務所や建設会社と協働するスタイル。

 

 

大規模木造の鍵となるのが木構造メーカー

大規模木造の鍵となるのが木構造メーカー

木構造メーカーとは、大規模木造の構造体(柱、梁)といった構造材を扱うメーカーです。

大規模木造の構造材は、建物の安全面に大きく影響するため、より性能の高い製品の開発や製造を担っています。

また、建材のパーツを組み合わせてひとつの部品を作る部材構成はもちろん、建物全体の構造設計に関わっている企業もあり、その規模感は企業によって異なります。

 

大規模木造の構造材を扱う会社は主に下記です。

・在来工法系:主に木造住宅で培った技術・ノウハウを非住宅木造に応用しています。

・ツーバイフォー(2×4)系:高齢者施設など小部屋の多い非住宅建築に実績が多いです。

・構造用集成材系:構造材・専用金物の強度が強く、大空間・大開口が可能です。

大規模木造で実力・実績が多いのは、構造用集成材系の木構造メーカーで、さまざまな用途、規模、階数に対応できることが強みです。

木造の持つ規格化、標準化された設計・施工技術により、木造で「うまい、早い、安い」建築が実現できます。

 

関連記事:木造化が必須な時代に!発注者向け大規模木造のメリット解説

 

 

<大規模木造で知っておきたい木構造メーカー選びのポイント>

・計画する建築物の用途、規模、階数などに応じて適切に工法を選択する。

・設計者・施工者と共に、構造設計や構造躯体の性能等について情報収集を行なう。

・大スパン、中高層対応では、構造用集成材系の木構造メーカーが有力な選択肢になる。

 

 

大規模木造に最適なSE構法の実務ポイントまとめ

大規模木造(SE構法)の耐久性に関するまとめ

構造用集成材系の木構造メーカーで、実力が高く、実績が豊富なのが「SE構法」を提供するNCNです。

SE構法は、構造設計から構造材供給までをワンストップで提供できることを強みとしています。

この記事で解説した「設計事務所」「工務店」「建設会社」「不動産ディベロッパー」「ハウスメーカー」に対して、SE構法を提供するNCNは「構造事務所兼構造材供給会社」として案件単位で協働することが可能になります。(諸条件に問題ない場合に限ります)

 

大規模木造に最適なSE構法の実務ポイントは主に下記です。

<システム>

耐震構法SE構法は大規模な木造建築物の技術を基に開発された技術です。耐震構法SE構法は耐震性の高さ、設計の自由度、コストパフォーマンスの良さ、ワンストップサービス等で高い評価を受けており、さまざまな木造建築の実績が増えています。

関連記事:大規模木造から生まれたSE構法を徹底解説(システム編)

 

<事例>

SE構法は特に低層建築物である店舗、事務所、倉庫、幼児施設、高齢者施設等の非住宅建築を中心に、さまざまな木造建築の実績が増えています。耐火建築物や準耐火建築物への対応も可能です。

関連記事:【解説】大規模木造の可能性が大きく広がるSE構法の事例紹介

 

<構造設計>

SE構法の構造設計プロセスは、「構造計画」「構造設計」「構造計算」の3ステップで進めていきます。

関連記事:【解説】SE構法の構造設計が大規模木造で評価される理由

 

<プレカット>

SE構法は大スパン・大空間が求められる大規模木造において、構造設計、材料加工、施工、コストパフォーマンスの良さを高い次元で成立している工法です。SE構法は徹底した品質管理と、構造計算から部材加工まで一貫したCADシステムにより高精度のプレカット加工を実現しています。

関連記事:【解説】大規模木造で構造設計とプレカット加工が連動するSE構法

 

<施工>

SE構法は、基礎構造から構造体施工に至るまで厳しい品質を追求しています。SE構法は独自の施工管理技術が必要なため、どの建設会社でも施工できるわけではありません。試験に合格したSE構法施工管理技士が在籍し、一定の技術水準を有すると認められた「SE構法登録施工店」がSE構法の建物を施工します。

関連記事:【解説】大規模木造で使いやすいSE構法の施工ポイント

 

<構造用集成材>

構造用集成材は「科学された木材」と言われ、製造過程でひき板一枚一枚の節の大きさや曲げヤング係数を計測・選別して集成材化しており、表示通りの性能が発揮されるので構造材として安定しています。構造の安全性を保証するSE構法は部材の信頼性を重視し、全て構造用集成材を使用しています。

関連記事:【解説】大規模木造に適した構造用集成材をSE構法が採用する理由

 

<SE金物>

SE構法は独自のSE金物により、集成材、耐力壁、床合板それぞれの強さを活かしています。一般的な木造は、接合部に柱や梁をホゾ継ぎするため、地震時に断面欠損をまねき、構造材本来の強度を低下させてしまいます。そこでSE構法は、大きな揺れに対して接合部が破損しない技術を追求し、独自にSE金物を開発しています。

関連記事:【解説】大規模木造で様々な設計に対応できるSE構法の強さの理由はSE金物

 

 

まとめ

SE構法を提供するNCNは、「構造事務所兼構造材供給会社」として「設計事務所」「工務店」「建設会社」「不動産ディベロッパー」「ハウスメーカー」に対して、案件単位で協働することが可能になります。(諸条件に問題ない場合に限ります)

SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい高層化、木造耐火などを実現することができます。都市部の厳しい敷地条件の中、鉄骨造ではコストや施工に問題がある場合においても、木造(SE構法)が有効な選択肢となります。

 

NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。計画段階からご相談いただくことで、木構造デザインの木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談いただくことで、合理的に設計を進めていただければと考えております。

 

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。