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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

中高層木造建築が都市の未来を変える理由(概要編)

  • 中高層木造建築が都市の未来を変える理由(概要編) -

 近年、中高層の木造建築が注目を浴びています。木造建築と言えば住宅が中心だった以前とは異なり、ゼネコンやデベロッパー等が建物の木造化・木質化に参入し、これまで実現できなかった中高層の建物を手がけるようになってきました。この潮流は本格化していくことが予想されており、中高層木造建築が都市を変えることが期待されています。

 このコラムでは中高層木造建築が都市の未来を変える理由(概要編)について説明します。

 後編となる「中高層木造建築が都市の未来を変える理由(実務編)」はこちらです。

                              

<このコラムでわかること>

中高層木造建築脱炭素カーボンニュートラル実現の鍵

中高層木造建築普及の課題:森林・林業の現状

中高層木造建築普及の課題:都市木造化への行政の動き

中高層木造建築に期待されること:地方産業も刺激

中高層木造建築に期待されること:強度が高く、災害にも強い

中高層木造建築に期待されること:癒しをもたらす木造空間

SE構法へのお問合せ、ご相談について

・まとめ

 

中高層木造建築が脱炭素やカーボンニュートラル実現の鍵

中高層木造建築が脱炭素やカーボンニュートラル実現の鍵

脱炭素とは、地球温暖化の原因となる代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量をゼロにしようという取り組みのことです。 

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。 2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。

関連リンク:脱炭素・カーボンニュートラルで木造化・木質化が注目される理由

脱炭素社会実現のための課題解決に向けた取り組みが建築業界にも求められています。脱炭素社会に向けて、中高層木造建築の普及は推進する要素の一つになります。

木造は建築時に炭素排出が少なく、木は炭素を固定し貯蔵する特性があるなど、「地球環境に優しい工法」として注目されています。

関連リンク:大規模木造とSDGs・脱炭素・ESG投資の相性が良い理由

脱炭素化において「木造化・木質化」が重要だと捉えられています。もう一方で重要視すべきなのが「省エネ対策」です。そこで注目されるのが「ZEB(ゼブ)」です。

「ZEB」は「Net Zero Energy Building」(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称です。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。

関連リンク:カーボンニュートラルで求められる大規模木造の法律、制度まとめ

 

中高層木造建築普及の課題:森林・林業の現状

中高層木造建築普及の課題:森林・林業の現状

日本は国土の約3分の2を森林が占める世界有数の森林国であり、その森林の約4割は、先人たちが植え育ててきた人工林です。

森林の蓄積はこの人工林を中心に毎年増加しており、今まさに利用期を迎えています。

また木材は、炭素を貯蔵することができ、製造時のエネルギー消費が比較的小さいことから他の資材を代替えすることでCO2排出の削減につながります。

この豊富な森林資源を有効活用し、「伐って、使って、植えて、育てる」といった森林循環の循環利用を進めることは、2050年カーボンニュートラルが持続可能な開発目標(SDGs)に貢献することにつながります。

特に地方においては、重要な産業である林業・木材産業の活性化や森林整備の促進につながり、地方創生に大きく貢献します。

このような中、2021年に策定された「森林・林業基本計画」においては、森林・林業・木材産業による「グリーン成長」を掲げています。

施策の柱の1つとして、中高層建築物や非住宅分野等での新たな需要を創出し、都市などに「第2の森林」をつくることが位置づけられています。

関連リンク:「森林・林業基本計画」

 

中高層木造建築普及の課題:都市の木造化への行政の動き

中高層木造建築普及の課題:都市の木造化への行政の動き

「公共建築物等利用側木材利用促進法」が改正され、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」として施行されました。

本改正により、政府一体となって木材利用を進めるための「木材利用促進本部」や事業者などによる取り組みを後押しする「建築物木材利用促進協定」制度が想定されるなど、民間建築物を含めた木材利用の促進に向けた環境が整備されました。

林野庁は木材利用の取り組みを加速化するため、経済・建築・木材供給関係団体・地方団体や木材利用促進本部関係者など関係者が一堂に介する官民協議会「ウッド・チェンジ協議会」を設置しています。

木質耐火部材などの製品・技術の開発・普及や利用実証、木質化による経済面での効果の実証への支援などを行っています。

2022年には建築物における木材利用の更なる促進に資する防火規制や構造規制の合理化を盛り込んだ「改正建築基準法」等も成立しました。

近年、新しい技術を活用した中高層の木造建築物が続々と誕生しているところであり、こうした動きを後押しして都市の木造化を目指していく方針です。

関連リンク:脱炭素が法律になる時代に!改正建築物省エネ法に関する動向

 

中高層木造建築に期待されること:地方の産業も刺激

中高層木造建築に期待されること:地方の産業も刺激

光合成によって大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収しながら成長する木は、木材として建物となっても炭素貯蔵し続けます。

住宅一棟あたりの炭素貯蔵量は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造を大きく上回ります。

CO2排出量の点でも生産から輸送、建設時まで含めると、木造は鉄筋コンクリート造・鉄骨造と比較すると大幅に抑えられます。

また森林は植林やリユースによる再生産が可能で、循環型資源として優れた特質を備えています。

国土の約3分の2を占める森林のうち約4割が人工林の日本では、戦後に植林された森林が50年以上経過しており、木材として活用する旬の時期を迎えています。

これを資源と捉えて有効活用することは、国内林業の活性化や雇用機会の創出に直結します。

さらには周辺地域や産業のビジネスチャンスを生むなど、地域経済の振興や地方創生にもつながります

木材の利用推進はCO2排出量を実質ゼロに向けて国が推進する「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」にも大きく寄与しています。

こうした背景により、木造の中高層建築に強い追い風が吹いているといえます。

関連リンク:脱炭素社会は木造化が鍵!建設会社が大規模木造に取り組むべき理由

 

中高層木造建築に期待されること:強度が高く、災害にも強い

中高層木造建築に期待されること:強度が高く、災害にも強い

木材と言えば「燃えやすい」「コンクリートに比べて強度に劣る」といったネガティブなイメージがありますが、そんな規制概念を覆す木製の建材も登場しています。

関連リンク:中大規模木造の構造材の特性やメリット・デメリット

その代表例が直交集成板(CLT)や単板積層材(LVL)といった建材です。

いずれも木材を数層に重ねて接着したもので、木材の欠点や弱点を工学的な手法で改善した建材です。

最近のCLTは従来の木材とは桁違いの強さを備えています。

そもそも木材はコンクリートや鉄より熱伝導率が低く、鉄が一定の温度で強度が低下することに比べ、厚みのあるCLTは炭化しながらゆっくり燃えるため、短時間で建物が倒壊することはありません。

また阪神淡路大震災レベルの揺れよりも大きな力が加わっても建物が倒壊しないことが、実大の振動実験によって確認されています。

さらに鉄筋コンクリートに対して重量が5分の1以下と軽く、基礎コストや輸送費の軽減、工期の短縮化などのメリットもあります。

こうした建材を用いることで、地震や火事に強い木造中高層建築が増えつつあります。

関連リンク:【真実】大規模木造は火に弱くない!防耐火に強い木造建築とは?

 

中高層木造建築に期待されること:癒しをもたらす木造空間

建物の木造化・木質化は、そこで過ごす人のウェルビーイング(well-being=心身ともに良好な状態であることを意味する概念)にも大きな影響を与えます。

木は木材に加工された後も、周囲の温度や湿度の変化に応じて空気中の水分を放出吸収するため、調湿性や断熱性に優れます。

木に含まれる様々な成分が、悪臭や大気汚染の原因物質を吸着することで、消臭、抗菌効果も期待できます。

木の香りには、人をリラックスさせてストレスを緩和させたり、集中力を高めて学習や仕事の生産性を上げる効果もあるという研究結果もあります。

健康経営の重要性が叫ばれ、長寿社会を迎えている現代です。

木造ビルは、そこで働く人や住む人が快適で健康に過ごせる空間となるでしょう。

地球温暖化の原因であるCO2排出を抑え、災害に強く、人に優しいのが木材です。

中高層木造建築が立ち並び、都市のスタンダードになるのはそう遠い話では無いのかもしれません。

関連リンク:木造化が必須な時代に!発注者向け大規模木造のメリット解説

 

SE構法へのお問合せ、ご相談について

SE構法へのお問合せ、ご相談について

大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。

 

1.構造設計

SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。

 

2.概算見積り

SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。

 

3.調達

物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。

 

4.加工

構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。

 

5.施工

SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)

 

6.非住宅版SE構法構造性能保証

業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。

 

↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。

https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/

 

まとめ

都市部を中心に大規模木造の計画が活性化しています。木造はもはや都市建築の選択肢の一つとなっています。

加えて発注者は環境重視の姿勢を強めています。関連法規の基準を満たしながら、更なる省エネ対策を実施した木造建築が求められています。

設計者には、木の材料特性を引き出し、流通する製材を活用して、都市部の建築の木造・木質化の実現が求められています。

 

SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい高層化、木造耐火などを実現することができます。都市部の厳しい敷地条件の中、鉄骨造ではコストや施工に問題がある場合においても、木造(SE構法)が有効な選択肢となります。

NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。計画段階からご相談いただくことで、構造設計から材料調達までを考慮した合理的な計画が可能です。

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、ウッドショックでお困りの方もお気軽にお問い合わせください。