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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

脱炭素が法律になる時代に!改正建築物省エネ法に関する動向

  • 脱炭素が法律になる時代に!改正建築物省エネ法に関する動向 -

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、住宅・建築物の省エネ対策を強力に進めるための「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(以下、改正建築物省エネ法)が令和4年6月17日に公布されました。

今後、本法の施行に必要な政省令告示等の整備を行うこととなります。具体的な施行期日や政省令告示等の内容については、決定され次第、周知等が予定されています。

このコラムでは改正建築物省エネ法に関する動向について説明します。

 

<このコラムでわかること>

脱炭素社会に向けた建築物における省エネ対策等の概要

改正建築物省エネ法の背景・必要性、目標・効果

改正建築物省エネ法の柱は省エネ対策の加速木材利用の促進

改正建築物省エネ法木材利用促進(大規模建築物の木造化を促進)

改正建築物省エネ法木材利用促進(部分的な木造化を促進)

SE構法へのお問合せ、ご相談について

・まとめ

 

脱炭素社会に向けた建築物における省エネ対策等の概要

脱炭素社会に向けた建築物における省エネ対策等の概要

脱炭素とは、地球温暖化の原因となる代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量をゼロにしようという取り組みのことです。 

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。 2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。

関連リンク:脱炭素・カーボンニュートラルで木造化・木質化が注目される理由

脱炭素社会実現のための課題解決に向けた取り組みが建築業界にも求められています。脱炭素社会に向けて、大規模木造の普及は推進する要素の一つになります。

木造は建築時に炭素排出が少なく、木は炭素を固定し貯蔵する特性があるなど、「地球環境に優しい工法」として注目されています。

関連リンク:大規模木造とSDGs・脱炭素・ESG投資の相性が良い理由

脱炭素化において「木造化・木質化」が重要だと捉えられています。もう一方で重要視すべきなのが「省エネ対策」です。そこで注目されるのが「ZEB(ゼブ)」です。

「ZEB」は「Net Zero Energy Building」(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称です。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。

関連リンク:カーボンニュートラルで求められる大規模木造の法律、制度まとめ

 

改正建築物省エネ法の背景・必要性、目標・効果

改正建築物省エネ法の背景・必要性、目標・効果

カーボンニュートラルの実現という目標を踏まえた住宅・建築物の目指すべき姿として、将来における住宅・建築物をとりまく環境、特に省エネルギーを重視した建築物を計画していく必要があります。

住宅・建築物を含めた我が国の社会全体でカーボンニュートラルを実現することが求められています。

2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%排出削減(2013年度比)の実現に向け、我が国のエネルギー消費量の約3割を占める建築物分野における取組が急務となっています。

また、温室効果ガスの吸収源対策の強化を図る上でも、我が国の木材需要の約4割を占める建築物分野における取組みが求められています。

このため、今般、建築物の省エネ性能の一層の向上を図る対策の抜本的な強化や、建築物分野における木材利用の更なる促進に資する規制の合理化などを講じるものとして、法改正が実施される予定です。

 

改正建築物省エネ法の柱は省エネ対策の加速と木材利用の促進

改正建築物省エネ法のポイントは主に下記です。

改正建築物省エネ法の柱は省エネ対策の加速と木材利用の促進

(1) 省エネ対策の加速

① 省エネ性能の底上げ・より高い省エネ性能への誘導

・原則全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合を義務付け

・ 住宅トップランナー制度(大手事業者による段階的な性能向上)の拡充

・建築物の販売・賃貸時における省エネ性能表示の推進

②ストックの省エネ改修や再エネ設備の導入促進

・ 住宅の省エネ改修に対する住宅金融支援機構による低利融資制度を創設

・ 市町村が定める再エネ利用促進区域内について、建築士から建築主へ再エネ設備の導入効果等の説明義務を導入

・省エネ改修や再エネ設備の導入に支障となる高さ制限等の合理化

 

木材利用の促進

(2) 木材利用の促進

①防火規制の合理化

・ 大規模建築物について、大断面材を活用した建築物全体の木造化や、防火区画を活用した部分的な木造化を可能とする

・防火規制上、別棟扱いを認め、低層部分の木造化を可能に

② 構造規制の合理化

・二級建築士でも行える簡易な構造計算で建築可能な3階建て木造建築物の範囲の拡大 等

③その他

・建築基準法に基づくチェック対象の見直し 等

 

改正建築物省エネ法の木材利用促進(大規模建築物の木造化を促進)

大規模建築物の木造化を促進する上での主な課題は下記です。

改正建築物省エネ法の木材利用促進(大規模建築物の木造化を促進)

<現状・改正主旨>

・3000㎡超の大規模建築物を木造とする場合は、壁・柱等を耐火構造とするか、3000㎡毎に耐火構造体で区画することが求められています。

・木造建築物において壁・柱等を耐火構造とする場合は、木造部分を石膏ボード等の不燃材料で被覆する必要があり、利用者が木の良さを実感しづらいこと、また、耐火構造体で区画する場合は、建築物を二分化する必要があり、設計上の制約が大きいことが課題として指摘されています。

<改正の概要>

3000㎡超の大規模建築物について、構造部材の木材をそのまま見せる「あらわし」による設計が可能な新たな構造方法を導入し、大規模建築物への木材利用の促進が図られています。

 

階数に応じて要求される耐火性能基準の合理化における主な課題は下記です。

階数に応じて要求される耐火性能基準の合理化

<現状・改正主旨>

・耐火構造の要求性能は、階数に応じて規定されています。

最上階から階数4以内            ・・・1時間耐火性能

最上階から階数5以上14以内・・・2時間耐火性能

最上階から階数15以上             ・・・3時間耐火性能

・木造の耐火設計は中層で多くみられるようになっていますが、階数5の建築物と階数14の建築物の最下層に関して同水準の耐火性能が要求されるなど、きめ細かな基準となっていないとの指摘があります。

<改正の概要>

木造による耐火設計ニーズの高い中層建築物に適用する耐火性能基準を合理化し、中層建築物への木材利用の促進が図られています。

 

改正建築物省エネ法の木材利用促進(部分的な木造化を促進)

部分的な木造化を促進する上での主な課題は下記です。

改正建築物省エネ法の木材利用促進(部分的な木造化を促進)

<現状・改正主旨>

・耐火性能が要求される大規模建築物においては、壁・柱等の全ての構造部材を例外なく耐火構造とすることが求められ、部分的な木材使用がしづらいとの指摘があります。

<改正の概要>

耐火性能が要求される大規模建築物においても、壁・床で防火上区画された範囲内で部分的な木造化を可能とし、大規模建築物への木材利用の促進が図られています。

 

【防火規定上の別棟扱いの導入による低層部分の木造化の促進】防火規定上の別棟扱いの導入による低層部分の木造化の促進

<現状・改正主旨>

・耐火性能が要求される大規模建築物においては、壁・柱等の全ての構造部材を例外なく耐火構造とすることが求められ、低層部分の木造化がしづらいとの指摘があります。

<改正の概要>

防火上分棟的に区画された高層・低層部分をそれぞれ防火規定上の別棟として扱うことで、低層部分の木造化を可能とし、大規模建築物への木材利用の促進が図られています。

 

【防火壁の設置範囲の合理化】

防火壁の設置範囲の合理化

<現状・改正主旨>

・壁・柱等の構造部材に被覆等の防火措置がなされていない(耐火建築物・準耐火建築物でない)木造建築物については、火災時の延焼の急拡大を防止するため、1000㎡毎に防火壁を設置することを要求されています。

・非耐火木造部分と一体で鉄筋コンクリート造や耐火被覆木造などの耐火構造部分を計画する場合、耐火構造部分にも、非耐火木造部分と同様に1000㎡毎に防火壁の設置が求められ、不合理との指摘があります。

<改正の概要>

他の部分と防火壁で区画された耐火構造等の部分には、防火壁の設置は要さないこととなります。

 

SE構法へのお問合せ、ご相談について

SE構法へのお問合せ、ご相談について

大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。

 

1.構造設計

SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。

 

2.概算見積り

SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。

 

3.調達

物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。

 

4.加工

構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。

 

5.施工

SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)

 

6.非住宅版SE構法構造性能保証

業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。

 

↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。

https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/

 

まとめ

都市部を中心に大規模木造の計画が活性化しています。木造はもはや都市建築の選択肢の一つとなっています。

加えて発注者は環境重視の姿勢を強めています。関連法規の基準を満たしながら、更なる省エネ対策を実施した木造建築が求められています。

設計者には、木の材料特性を引き出し、流通する製材を活用して、都市部の建築の木造・木質化の実現が求められています。

SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい高層化、木造耐火などを実現することができます。都市部の厳しい敷地条件の中、鉄骨造ではコストや施工に問題がある場合においても、木造(SE構法)が有効な選択肢となります。

 

NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。計画段階からご相談いただくことで、構造設計から材料調達までを考慮した合理的な計画が可能です。

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、ウッドショックでお困りの方もお気軽にお問い合わせください。