SE構法では、RC造や鉄骨造のビルと同じように一棟一棟で緻密な構造計算を行い、
明確な数値で地震に対する強さを示しています。
科学的な根拠に基づいて建物の安全性を検証するのが「構造計算」です。現在、一般的な木造住宅は構造計算が法律で義務づけられておらず、ほとんどが国の定める「壁量規定」という計算方法によって耐震性を計算しています。「壁量規定」とは、壁や筋交いを簡易的に数値化し、必要な壁の量を数値化したもので、一棟一棟で構造計算を行なっているわけではありません。また、壁を増やすことで耐震性を確保するため、自由な間取りが難しく、開口の幅も狭くなりがちです。
SE構法では、ビルやマンションなどの鉄骨造やRC造の建物で行われている「許容応力度計算」と呼ばれる緻密な構造計算をすべての住宅で実施しています。構造計算とは、住宅の設計に沿うプロセスです。施主が望むプランに対して「構造計画」へと落とし込み、間取りを決め、地震だけでなく、台風などの自然災害も想定し、「構造計算」へと進めていく。これによって、自然災害に耐えうる堅牢さを備えながらも、大空間や大開口など希望の間取りや空間を実現することができるのです。
すべての家で土地の条件が異なり、プランも異なります。SE構法では、「建物と一体の基礎計算」を全棟で実施し、データを保管しています。地震時には想像を絶する力が建物にかかるため、地盤と基礎、基礎と建物をつなぐ土台、柱と梁をつなぐ接合部、これらすべてが一体となって、しっかりと揺れに抵抗できなければなりません。だからこそSE構法は、地盤調査に基づいた基礎から構造計算を行うのです。
構造計算を実現するためには条件があります。それは、「住宅の構造を構成するすべての部材の強度がわかっていること」「接合部に強度の基準があること」「基礎や構造部材、接合部の強度が一定の基準値を満たしていること」です。SE構法には「木構造技術センター(通称:ティンバーラボ)」という技術開発の拠点があり、SE構法で重要な接合部を中心に、さまざまな実証実験を行っています。
SE構法の構造部材は、品質基準や性能が明確であることと、木材のトレーサビリティをとることを条件としています。構造部材は品質基準を満たした全国の指定プレカット工場から供給されます。プレカットはコンピュータ制御で、設計図通りにミリ単位の精度で加工されるため、水平・垂直を寸分違わぬように組み立てることが可能です。