SE構法では、現実に起こりうる大地震に対してオプションで耐震シミュレーションを実施できます。
SE構法では、お客様の建物が大地震に耐えられることを、建築する前に可視化できるツールとして「耐震シミュレーション」というサービスを行っています。
この「耐震シミュレーション」は、お客様の建物の構造設計をした段階で、その構造躯体のモデルに実際にこれまで起こった大地震の地震波をインプットして、揺れや損傷を検証するシミュレーションです。
現在インプット可能な地震波は、「阪神淡路大地震」「東日本大地震」「熊本地震」「能登地震」の4種類です。これらを選んでいただいたら、その実際の地震波を忠実に入力し、立体解析でシミュレーションを行います。この地震波は「X方向の横揺れ」「Y方向の横揺れ」「上下縦方向の揺れ」の3種類となり、それらが同時に揺れていくなかで「その建物がどのような動きをしていくか」を3Dグラフィックを使いながらわかりやすく検証することができます。
ここで実際のシミュレーションの事例を紹介します。
これは熊本地震の地震波でシミュレーションしています。
このように、かなりの大地震なので、建物はある程度揺れることにはなりますが、そこで損傷が起きないことを確認することができると思います。 実際のご自分の家の建築が始まる前に、その大地震で壊れないと確認することができることは、何よりの安心につながるのではないでしょうか。
大手ハウスメーカーのTVCMなどでは、屋内の実験場で実際の試験体の建物を揺らすという検証などを行っている様子も目にします。これはこれで安心感の一つだとは思いますが、あくまでもその建物は実験用に特別に作られた試験体です。建物のデザイン形状もシンプルな総2階で、間取りについても大きな吹き抜けや大開口もないオーソドックスなパターンがほとんどです。
しかしながら実際のお客様の建物は、敷地やお客様の要望に合わせたデザインや間取りとなりますので、その試験体の建物とは全く別のものとなります。また、その耐震性能も詳細は試験体とは異なりますので、「実大試験の耐震性=ご自分の家の耐震性」というには、少し違うなと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
それに対してSE構法の「耐震シミュレーション」は、お客様が実際に建てる建物をシミュレーションしていますので、リアリティが試験体モデルの実験とは違います。また、SE構法では、その特性上「大空間」や「大開口」「吹き抜け」「ビルトインガレージ」など、在来木造でそのまま設計すると耐震性を落としてしまうような間取りも多いです。そんなケースでもSE構法であれ大地震でも壊れないと安心していただけるツールであると思います。
お客様の建物を実際に建築して実験で揺らすことができれば、それが一番の理想ですが、現実的ではなく、実際に無理だと思います。
「SE構法耐震シミュレーション」は3Dモデルのシミュレーション上での検証ですが、あくまでもご自分の建物なので、それで確認していただけることが最も理想に近い検証方法だと考えています。
このシミュレーションが、確かな裏付けを持つことができる理由には、SE構法が全て「許容応力度構造計算」を行っていることが非常に大きな要素となっています。
現在の建築基準法のベースになっている在来木造の「壁量規定」のような簡易的なチェックでは、ここまでの詳細なシミュレーションは不可能ですし、もしやったとしても説得力がありません。
SE構法の「許容応力度構造計算」において行っている、「実際の地震力を入力して、すべての構造部材がそれに耐える躯体を計画していく」というプロセスがあるからこそ、説得力を持って検証できるシミュレーションということなのです。
SE構法の「許容応力度構造計算」では、建物のバランスをチェックする「偏芯率」や「剛性率」、揺れの幅までチェックする「層間変形角」など、より詳細の耐震性まで検証して構造設計しています。このような、高層ビル建築などでも行っている詳細の構造設計を行っているからこその安心感でもあるのです。
更に付け加えると、この段階でもシミュレーションはあくまでも構造計算で計上している構造要素の部材だけで検証しています。つまり、柱や梁、接合金物・耐力壁や基礎などのベースの構造躯体だけでどれだけ地震に耐えられるかのシミュレーションということです。
実際に建物が完成した時には、外壁材やプラスターボードなどの一定の耐震性を発揮する部材も追加されています。また、スケルトンインフィルで設計しているSE構法のでは、構造上計算していない間仕切り壁なども、重さのみ計上して耐震性のプラス効果はここでは入れていません。
つまり、最終的に建物が完成した段階では、シミュレーションの段階以上に耐震的に強くなった建物になっているということも事実です。それは余裕度としてプラスされることで更に安心感を持っていただけると思います。
この「耐震シミュレーション」はご要望する方に対してのオプションとなっておりますので、ご希望する際にはご依頼予定の登録施工店にお問い合わせください。
基本は、図面決定後、構造計算時に作成することになります。
「大地震でも壊れない」
「大地震が起きても住み続けられる」
そんな家の普及の実現をSE構法は目指しています。そして、それはお客様の暮らしの要望に合った自由な間取り空間で実現していくこと。更に、その家が子供や孫までに継承され、または資産として価値を持つものになることを理想としています。
この「耐震シミュレーション」も、それらを裏付けられるエビデンスの一つとして認識していただければ幸いです。