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耐震等級とは?3つの違いと地震に強い家づくりのポイントを解説

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耐震等級とは?3つの違いと地震に強い家づくりのポイントを解説のインデックス

日本は世界有数の地震大国です。どれほどデザイン性や利便性にすぐれた家でも、揺れに弱ければ本当の安心は得られません。阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など、私たちは繰り返し大きな地震と向き合ってきました。

だからこそ、家づくりでは「倒壊しない強さ=耐震性能」を備えることが欠かせません。地震に強い家かどうかを客観的に判断するための指標が「耐震等級」です。

この記事では、耐震等級の基礎知識から、等級ごとの違い、耐震等級3を実現するための設計手法、そしてSE構法の強みまでを詳しく解説します。「地震に負けない家を建てたい」「長く安心して暮らしたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

地震に強い家を建てるために必要な「耐震性能」

大きな揺れが来ても家族の命と生活を守るには、「どんな家が倒壊しにくいのか」を知ることが大切です。耐震性能とは、住宅の安全性を示す基本的な指標であり、家づくりの核心と言える要素です。

日本で繰り返されてきた大地震の事実

1995年 阪神淡路大地震  震度7
2004年 新潟県中越地震  震度7
2011年 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災) 震度7
2016年 熊本地震 震度7

阪神淡路大震災では約25万棟が全半壊し、住宅密集地の脆弱さが露わになりました。東日本大震災では津波被害の陰に隠れがちですが、木造住宅の倒壊も少なくありません。さらに熊本地震では、「本震級の揺れが2回発生」するという想定外の事態により、2度目の揺れで多くの住宅が損壊しました。

「倒壊しない家」をつくるには何が必要?

地震に強い住宅をつくるには、骨組み(構造)そのものの強さと建物全体のバランスが重要です。柱・梁・壁の配置だけでなく、地盤や建物形状なども耐震性に大きく影響します。

その強さを客観的に示す指標が「耐震等級」です。家の耐震性能を判断するうえで最もわかりやすい指標です。

「耐震等級」とは?住宅の強度を示す3つの基準

ここでは、耐震等級の3つの基準についてみていきましょう。

耐震等級は住宅品質確保促進法(品確法)で定められた指標

耐震等級は、1999年に制定された、住宅品質確保促進法(品確法)に基づく制度です。建築基準法が「最低限の安全ライン」を定めているのに対し、品確法にはより高い水準で住宅性能を評価する「性能表示制度」が設けられています。

この制度では、以下のように住宅の品質を多角的に評価できます。

・耐震性(構造の安定)
・耐風性
・断熱性・省エネ性
・劣化対策(耐久性)

耐震等級は、この中の「構造の安定」項目に属し、等級1〜3の3段階で評価されます。

耐震等級1・2・3の違い

耐震等級の強さは以下のとおりです。

耐震等級3の住宅は、繰り返し地震や余震にも強く、倒壊リスクが最も低い水準です。そのため、現在多くの工務店やハウスメーカーが等級3を標準仕様としています。

木造住宅で「耐震等級3」を実現する方法

木造住宅で耐震等級3を取得するには、設計段階からの構造的な配慮が必要です。主な方法は、「壁量規定による設計」と「許容応力度計算」に分かれます。

壁量規定による設計とその限界とは

壁量規定とは、建築基準法で定められた耐力壁の量に基づいて耐震性を確保する方法です。壁を増やすことで耐震性を高められますが、設計の自由度が制限されやすく、大開口や吹き抜け、広いLDKといった設計が難しくなります。安全性は確保できてもデザイン面では妥協が必要になるケースも少なくありません。

許容応力度計算による耐震設計

一方許容応力度計算は、建物にかかる地震力や風圧力を正確に数値化し、柱・梁・接合部などの各部材がどの程度の力に耐えられるかを解析する方法です。単なる壁の枚数ではなく、建物全体のバランス・剛性・接合部の強度まで検証できるため、より信頼性の高い耐震設計が可能です。

SE構法では、この構造計算をすべての住宅で実施しており、耐震等級3の確保と自由な設計デザインを両立できます。

耐震等級3を支える重要な要素

耐震等級3を確保するためには、単に壁を増やすだけでは不十分です。
建物が地震の揺れに耐えるためには、骨組みの強さと接合部の信頼性、構造全体のバランスが欠かせません。ここでは、等級3の住宅に必要となる、代表的なポイントをわかりやすく解説します。

柱の「引き抜き強度」と金物の重要性

地震が起きたとき、建物は上下や左右に繰り返し揺れ、その力によって柱が基礎から引き抜かれようとする力(引き抜き力)が発生します。

これに対抗するために重要なのが、柱と基礎をつなぐ「ホールダウン金物」と呼ばれる金具です。

なぜ引き抜き対策が大切なのか?

・柱が引き抜かれる→建物の一部がズレる
・一部がズレる→全体がねじれて荷重が集中する
・結果→倒壊につながりやすくなる

つまり、どれだけ壁が強くても、接合部が弱ければ耐震性が大きく損なわれるということです。

耐震等級3で求められるポイント

・引き抜き力に対する金物の設置位置と数が適切であること
・柱・梁・基礎の接合部が確実に固定されていること
・建物のどこに地震力が集中しやすいかを設計男系で把握していること

これらが正しく確保されているかどうかは、許容応力度計算でチェックすることが重要です。耐震等級3の家を建てる場合、金物の選定と配置は必ず確認しましょう。

「吹き抜け」と耐震性能の関係

吹き抜けは、住まいの開放感や採光性を高める人気の設計ですが、構造上は注意が必要なポイントです。

吹き抜けが耐震性を低下させる理由

・2階の床が減ることで建物の「箱としての強さ」が弱まる
・耐力壁(筋交いや構造用合板など)が減り、揺れに対する抵抗力が下がる
・建物がひねりに弱くなり、地震の際に偏った力がかかりやすい

そのため、吹き抜けを設ける場合には以下の対策が欠かせません。

吹き抜けを安全に取り入れるためのポイント

・構造計算によって吹き抜けによる弱点を事前に把握する
・吹き抜けを囲む梁を強化し、建物の剛性を確保する
・耐力壁のバランスを崩さないように配置を工夫する
・必要に応じて、構造用面材や補強金物を追加する

吹き抜けは工夫次第で安全に採り入れることができますが、「なんとなく」で設計してしまうと耐震性能が大きく損なわれてしまいます。

「長期優良住宅」と耐震等級3の関係

「長期優良住宅」は、長く快適に住み続けられる家を増やすために制定された制度です。
2022年の法改正により、耐震性の基準が引き上げられ、現在は耐震等級3の取得が必須条件になりました。

これは「地震に強い家を日本の標準にする」国の方針を示すもので、等級3の住宅は安全性だけでなく、資産価値が高く、売却やローン審査にも有利です。

さらに、認定を受けることで次のような優遇措置も受けられます。

・住宅ローン控除の拡充
・固定資産税の軽減
・地震保険料の割引

「耐震等級3=暮らしの安心+経済的メリット」という点で、長期優良住宅はおすすめです。

耐震等級3のデメリットと注意点

耐震等級3の住宅には多くの利点がありますが、注意すべき点もあります。構造部材や金物を増やすための建築コストが上がるほか、間取りの自由度が下がる傾向もあります。また、構造上重要な壁が増えることで、将来的なリフォームの際に間取り変更が制約を受けることも。
こうした課題を解決するのが、次に紹介するSE構法です。

SE構法なら耐震等級3と自由な設計を両立

SE構法は、木の家であっても鉄骨建築に匹敵する強さと設計の柔軟性を発揮できる工法です。高い耐震性を確保しながら、広がりのある間取りや大胆な空間づくりを実現できます。
住宅の弱点になりやすい接合部を専用金物で強化し、すべての住宅で構造計算を行うことで、地震に強い住まいを数値として保証します。「強さ」と「自由なデザイン」の両方を求める方に適した工法です。

柱・梁フレームによる高耐力構造

SE構法の大きな特徴は、柱と梁を強固に接合した「木造ラーメン構造」を採用していることです。通常の在来工法のように壁で支えるのではなく、建物全体をひとつのフレームとして考えることで、揺れに対して高い粘り強さを発揮します。
さらに、接合部にはSE構法専用の高耐力金物を使用しており、一般的な木造よりも引き抜きに対する強度が高く、強い揺れや繰り返す余震にも耐えられる構造を実現しています。構造の弱点が出やすい柱の接合部を徹底的に強化している点は、地震の多い日本で大きな安心材料となるでしょう。

吹き抜け・大開口・広いLDKも実現可能

壁量規定では、耐震性を確保するために壁を多く設ける必要があり、吹き抜けや大開口といった開放的な空間をつくるのは難しいとされています。

しかし、SE構法は「フレームで支える」ため、壁に頼りすぎずに強度を確保でき、大きな窓やダイナミックな吹き抜けを安全に取り入れることができます。柱と梁の強度が高いため、リビングとダイニングを一体化した広いLDKなど、近年人気の抜けのある空間設計とも相性抜群です。

自然光をたっぷり取り込む設計や、家族がゆったり過ごせる開放的な空間を叶えられる点は、SE構法ならではの魅力です。

スケルトンインフィル設計で将来のリフォームも容易

SE構法は、構造体(スケルトン)と内装(インフィル)を明確に分けて考えられる工法です。
耐震性を確保しながら、将来のライフステージに合わせて間取りを変更しやすい特徴があります。

例えば、子ども部屋を仕切ったり書斎を追加したりLDKの配置を変えたり、といったリフォームも柔軟に対応できます。いつでも暮らし方に合わせて変えられる家であることは、長く住み続けるうえで大きなメリットになるでしょう。

>>あわせて読みたい!

100年住める家を作れる?自由自在に間取りを変えられるスケルトン・インフィル住宅とは

まとめ|安心して暮らせる家を建てるために

地震に強い家を建てるには、まず耐震等級の違いを理解することが欠かせません。特に耐震等級3は、大きな揺れに耐えるための重要な基準です。しかし、等級だけでは本当の安全性を判断しきれない場合もあります。

そんなときは、「耐震等級3+構造計算+SE構法」を組み合わせるのが得策です。この3つがそろうことで、数字としての強さだけでなく、実際の暮らしを守れる安心感が生まれます。家族を守る家づくりのためにも、構造からしっかり選んでいきましょう。

高い耐震性能と自由で大胆な空間デザインを両立する、耐震構法SE構法

SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。

SE構法とは…

株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、

  • 木造でありながら地震に対する安全性
  • 壁や柱が少ない室内での「大空間」
  • 大きな窓を採用し光を取り入れる「大開口」

を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)

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