那珂川道善コスモス保育園は、2016年4月に開園した認可保育園で、定員200名の大型施設である。大きな2つの切妻屋根が目を引くデザインは、シアトルをベースに活動する建築設計事務所4Dアーキテクツが手がけており、設計は国内外の合同作業となった。保育方針から間取りを決め、外観の意匠を依頼し、それをもとに構造が成り立つよう試行錯誤を繰り返すという過程をふんだ。
エントランスから下足スペースを抜けると、広々としたエントランスホールがある。1階の各部屋はこのホールにつながっており、入卒園のイベントや大きな園内行事などを行う、園の中心的な空間だ。ゆくゆくは10歳未満の子どもたちを総合的に支援する社会施設の場とするべく、SE構法最大の広さがある。
1階には広々とした保育室1と2、2階には保育室4~6があり、5と6は連結保育室となっている。これは上の子が下の子を世話する異年齢保育のコミュニケーションを促しており、隔たりのない保育を具現化したものだ。
子どもは目にした言動すべてを模倣しながら成長していく。だから自然と園にいるおとなは子どもの見本となり、上の年齢の子も下の年齢の子の手本となる。
その理念をふまえ、子どもたちに正しい所作を学んでもらうべく家具は年齢に合わせたサイズが用意され、広い空間に美しく配置されている。SE 構法のポテンシャルを最大限に生かした大空間は、生活の所作を学び、多方面から保育と教育を支える場となっている。
設計・SE施工
株式会社メイプルホーム / http://www.maplehome.co.jp/