悠悠ホームのオフィスは、SE構法を用いた木造三階建て。立地は三方を道路で囲まれているが、南側には公園が広がる。近隣に顧客対応用のオフィスがあるため、こちらは社員専用のオフィスとして設計され、業務の効率化をはかるために1階は事務、2階は工務、3階は設計とフロアごとに部門を分けて配置した。
南面と東面の外観は、ガラスウォールのスタイリッシュな雰囲気だが、外壁の一部や柱や梁など、木の架構が透けて見えるようになっていて、木造の温かみも感じられるデザインだ。構造的には、ガラスウォールは重いため、荷重が南面と東面に偏らないよう、中心部分に構造を支える耐力壁を設けることで、建物の重心と剛心のバランスを取った。
メインエントランスは北側。来客がほぼないことが想定され、かつ社員からの要望があったことで、玄関で靴を脱いで入室するスタイルとした。玄関脇にはシューズクロークを設け、廊下や打ち合わせスペースの床仕上げはフローリングに、執務スペースはカーペット仕様に調整。住宅を提案・販売する事業者として、内装になるべく住宅用建材を用いて社員が住環境に近い空間を体感できるようにしている。
昨今は、アイデアを発想しやすくしたり、リラックス感を促すため、オフィスにも住宅に用いる仕様を取り入れる事例が増えているという。実際にこちらの建物を見て、同様のオフィス建築の依頼があったとのことで、当オフィスは、現代の働く空間のモデルケースとなっている。