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SE CONSTRUCTION耐震構法SE構法

【解説】SE構法による大規模木造の実務プロセス詳細レポート

  • 【解説】SE構法による大規模木造の実務プロセス詳細レポート -

設計事務所様や工務店様、建設会社様がSE構法で大規模木造に取り組む際、「SE構法で何がどこまでできるのか?」「SE構法の構造設計の特徴は?」「SE構法では実務的には何を気を付けるべき?」などの疑問があると思われます。

このコラムではSE構法を採用して実現した動物病院事例の図面や写真をもとに、構造計画から施工までのSE構法のワンストップサービスについて詳しく解説します。

 

<このコラムでわかること>

STEP1:計画段階でSE構法による構造計画を依頼する

STEP2:基本設計段階でSE構法による構造設計を依頼する

STEP3:確認申請前にSE構法による構造計算を依頼する

STEP4:SE構法における施工会社の選定

STEP5:SE構法プレカット承認を行う

STEP6:SE構法工事監理のポイント

SE構法へのお問合せ、ご相談について

・まとめ

 

STEP1:計画段階でSE構法による構造計画を依頼する

STEP1:計画段階でSE構法による構造計画を依頼する

SE構法の構造設計は、以下の流れで行います。

  • 意匠の計画図を基に、「構造計画」を行う
  • 構造伏図を描き、「構造設計」を総合的に検討する
  • 鉄骨造やRC造と同じ「構造計算」を行う

 

<SE構法による構造計画のポイント>

・初期段階から大規模木造の構造計画提案を、無料で対応しています。

・設計契約前の提案段階や、コンペ・プロポーザル等の計画案件でも相談可能です。

・NCNがSE構法による構造計画を行い、迅速に回答します。

 

まずは、NCNに計画段階の図面を送ります。NCNは受領した図面に、構造計画をスケッチで書き込みます。

下記は実際の構造計画図です。耐力壁や構造的に主要な柱の位置を着色して示しています。意匠設計と調整が必要な箇所には特記するなどして、構造設計の要望を伝えています。

構造計画図

構造計画図

構造計画図

SE構法のポテンシャルを最大限に活用するために抑えておきたいのが「構造グリッド」の考え方です。構造グリッドを有効に活用した設計を行うことで、意匠と構造の計画的な整合性が上がり、構造躯体のコストパフォーマンスも向上します。

構造グリッドとは、柱・大梁・耐力壁で構成された構造フレームを立体的に組み合わせるための基本となる立体格子状のグリッド線の集まりをいいます。

この構造グリッド上に組み立てられた立体構造フレームが、鉛直荷重・水平荷重に対して安全であるように、構造計画を行ないます。

各階の平面グリッドはなるべく下階の平面グリッドと重なるようにすることが構造的に合理的です。上下階の平面グリッドが合わないと構造的に不安定になり、柱梁等が増えたり部材断面が大きくなったりするなど、構造的・経済的に無駄が多くなります。

関連記事:【解説】SE構法の構造設計が大規模木造で評価される理由

 

STEP2:基本設計段階でSE構法による構造設計を依頼する

基本設計から実施設計に進む段階では、構造的に必要な柱や壁の位置、梁せいなどの情報が必要になってきます。その段階でNCNへSE構法による「構造伏図」をご依頼ください。

 

<SE構法による構造設計のポイント>

・意匠図に基づき、構造伏図(伏せ図、軸組図、構造パース等)を作成します。

・構造設計システムと積算システムが連動しているので、構造材の正確な見積り作成が可能です。

・構造伏図作成後も修正は何度でも可能です。

 

まずは、NCNに伏図作成様の図面(平面図、立面図等)を送ります。その後、NCNが構造伏図(伏せ図、軸組図、構造パース等)を作成して送付します。

下記は実際の構造伏図です。

・構造伏図:各階ごとに作成され、構造的に必要な柱・梁・耐力壁等の情報が表示されています。

構造伏図

・軸組図:構造的に主要な断面ごとに、梁レベル、耐力壁位置、構造階高等の情報が表示されています。

軸組図

・構造パース:構造伏図の内容を3次元で表現したパースです。SE構法ではプレカットとも連動した独自の3次元CADを使っておりますので、設計者の希望のアングルで構造パースを提出することも可能です。

構造パース

下記はNCNの構造設計者が、構造伏図を作成した段階で、意匠図に構造的な要望を書き込んだ資料です。意匠設計と調整が必要な箇所や高さの確認など、構造設計の要望や注意点のアドバイス等を伝えています。

構造伏図を作成した段階で、意匠図に構造的な要望を書き込んだ資料
構造伏図を作成した段階で、意匠図に構造的な要望を書き込んだ資料この構造伏図の段階から、設計者と電話やメールでのやり取り、打合せなどを実施してチェックバックを頂きながら、意匠と構造の整合性を高めて構造設計をまとめていきます。

 

STEP3:確認申請前にSE構法による構造計算を依頼する

<SE構法による構造計算のポイント>

確認申請を提出する3週間以上前にはNCNへ「構造計算」をご依頼ください。

・設計者より最終の意匠図をいただき、その内容をもとにNCNで構造計算を実施します。

・構造計算図書には確認申請に必要な情報を記載しますので正確な情報提供をお願いします。

・このタイミングで依頼者とNCNの間で「設計業務再委託契約」を取り交わします。

下記は実際の構造計算後の図面です。

SE構法の構造計算は、まず木造部分の構造計算を実施します。計算後の構造図面をNCNより依頼者に送付しますので、チェックバックをお願いします。

構造計算

構造計算

木造部分の構造計算後の図面を設計者にご承認いただいた後に基礎計算に着手します。

次に基礎部分の構造計算後図面をご承認いただきます。

構造計算
構造計算木造部分、基礎部分の構造設計内容をご承認の際には、承認書をNCNに送付をお願いします。

構造計算

構造設計内容をご承認後、確認申請に必要な構造図、構造計算書等を出荷します。

構造計算

SE構法の構造計算書が出荷されたら、確認申請の構造資料として添付して申請機関にご提出をお願いします。

確認申請の構造に関する質疑は、NCNが対応します。一般の構造事務所様と同じ役割とお考えください。

 

STEP4:SE構法における施工会社の選定

STEP4:SE構法における施工会社の選定

SE構法の構造躯体を施工する場合には、以下の2通りの選択肢があります。

・元請けの施工会社が構造躯体を含めて施工する

・構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」

 

基本は、元請けの施工会社が構造躯体を含めて施工することですが、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の施工を主体とした建設会社では、大工さんがいないことやノウハウの不足により、木造の構造躯体の施工が困難なことがあります。

その場合には、構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」という方法もあります。

SE構法では、NCNと技術提携をした建設会社や工務店を対象とした「SE構法登録施工店」という制度があります。SE構法登録施工店には、必ず一名以上の「SE構法施工管理技士」という資格を持つ技術者がおり、施工をしっかりと任せることができます。

関連記事:SE構法の施工体制は「全て元請け」と「建て方施工」が選択できる

元請けの施工会社がSE構法登録施工店の場合、見積り依頼先のSE構法登録施工店に構造材の見積書を提出します。

元請けの建設会社がSE構法登録施工店以外の場合は、SE構法の構造躯体部分を施工する「建て方施工」の担い手となるSE構法登録施工店を紹介し、施工面で協働してもらうようにします。

SE構法登録施工店がSE構法の施工に必要な「建て方費用」を積算した上で、「材工共」の建て方施工費を元請けの建設会社に提出します。

 

STEP5:SE構法のプレカット承認を行う

STEP5:SE構法のプレカット承認を行う

NCNはSE構法の構造設計を全て自社で実施しております。SE構法では独自に構築したシステムにより構造設計と連携した正確な構造材の加工が可能ですので、設計内容に基づく精度の高い構造躯体を実現できます。

施工会社が決定し工事契約が完了した段階で、まずは施工会社からNCNにプレカット発注をお願いします。

プレカット発注後、NCNの提携するプレカット工場からプレカット図が施工会社に送られます。

SE構法では構造設計とプレカットのCADが連動しており、「構造図=プレカット図」となっておりますので、プレカット図承認などの実務もとても効率的に実施することができます。施工者と共に設計者もプレカット図の最終チェックをお願いします。

NCNでは年間で1,600棟以上のプレカット実績があり、早めにプレカット発注をいただくことで構造用集成材の手配に関しては特に問題ありません。

全国各地に提携するプレカット工場があり、そこから各現場へ構造材を運びます。

大規模木造建築の現場では、工事規模にもよりますが、工事着工から基礎工事完了までが1.5~2ヶ月程度(地盤改良工事の有無で変動)となりますので、木造躯体工事の予定から逆算してプレカット発注をお願いしております。

 

STEP6:SE構法の工事監理のポイント

STEP6:SE構法の工事監理のポイント

SE構法の構造躯体に関して工事監理の主なポイントは、基礎工事、木工事です。

 

<SE構法の基礎工事>

SE構法の施工のポイントは「基礎」です。特に柱脚用アンカーボルトの施工精度が重要です。

基礎の施工が精度高く仕上がれば、建て方自体はプレカットの精度が高いので、施工しやすいことがSE構法の特徴です。

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(基礎編)

 

<SE構法の木工事>

大規模木造で円滑な施工を行うためには、事前の準備が重要になります。SE構法は金物工法ですので、柱・梁のSE金物を先に取り付けた状態で建て方を行うことで、他の工法と比較して、施工性がよく、スムーズに上棟することができます。

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(木工事・建て方前編)

SE構法の上棟は、通常の木造と施工プロセスはほぼ同じですが、接合部にドリフトピンを打ち込みながらの作業となるため、施工性が高いです。

注意点としては、耐力壁の施工です。耐力壁の施工には構造図に釘ピッチなどが明確に指示されていますので、そうしたルールを遵守した施工が必須です。構造図、取扱説明書の内容通りになっているかを工事監理者、施工管理者としてご確認をお願いします。

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(木工事・上棟編)

 

SE構法へのお問合せ、ご相談について

SE構法へのお問合せ、ご相談について

大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。

 

1.構造設計

SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。

 

2.概算見積り

SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。

 

3.調達

物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。

 

4.加工

構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。

 

5.施工

SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)

 

6.非住宅版SE構法構造性能保証

業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。

 

↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。

https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/

 

まとめ

SE構法が大規模木造に適している主なポイントは下記です。

・SE構法のワンストップサービスは、大規模木造に対応しやすい

・SE構法のシステムをうまく活用することで、「うまく、早く、安く」大規模木造を実現できる

 

大規模木造においては、SE構法の構造躯体の強みを活かした構造設計により、コスト減、施工性向上を実現することができます。

SE構法は構造用集成材の中断面部材(柱は120mm角、梁は120mm幅)が標準なため、住宅と同等の部材寸法でスパン8m程度までの空間を構成できるコストパフォーマンスをうまく活用していただければと考えております。スパンが10mを超える空間は、特注材やトラス、張弦梁などを活用することも可能です。

計画段階からNCNの特建事業部に相談することで、木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談することで、合理的に設計実務を進めることが可能です。

 

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。