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「設計者・施工者のための大規模木造オンライン見学会」イベントレポート

  • 「設計者・施工者のための大規模木造オンライン見学会」イベントレポート -

大規模木造においては構法の決定がポイントになります。選択する構法によって、構造設計から材料加工、コスト、施工等に大きな違いが生じます。構造躯体を理解する方法の一つが構造見学会です。今回はコロナ禍ということで、オンラインでの構造見学会とさせていただき、現場からの構造躯体の解説に加えて、SE構法の概要やSE構法専用プレカット工場での加工詳細についてお伝えしました。本記事では2021年3月5日に開催されたオンラインセミナー「設計者・施工者のための大規模木造オンライン見学会」の内容についてダイジェストでお伝えします。

 

<このコラムでわかること>

大規模木造オンライン見学会の建物概要

大規模木造に適したSE構法の概要

大規模木造オンライン見学会プレカット工場の概要

大規模木造オンライン見学会におけるSE構法の構造躯体の解説

施工者が語る大規模木造におけるSE構法のメリット

・まとめ

 

大規模木造オンライン見学会の建物概要

大規模木造オンライン見学会の建物概要

今回の「設計者・施工者のための大規模木造オンライン見学会」の会場となるのは、京都府で建設中の就労支援施設です。就労支援施設は、建築基準法の用途では「児童福祉施設」に分類されます。

構造パース

上記の画像は、今回の建築物の構造パースです。SE構法の設計においては、設計段階から構造パースをご提供しながら、設計を進めることができます。

関連記事:耐震構法SE構法のプランニングがうまくいく設計の考え方を徹底解説

今回の建築物では、1階の作業室、2階の事務室の構造スパンが7m以上の大空間となっています。

SE構法による木造2階建ての建築物で、耐火要件としては準耐火建築物(45分)となります。

関連記事:広がる木造準耐火の可能性!大規模木造における準耐火建築物まとめ

 

大規模木造に適したSE構法の概要

大規模木造に適したSE構法の概要

SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい大空間、大開口などを実現することができます。SE構法であれば、施設建築で求められるスパンの大きい空間にも対応できますし、架構をシンプルにすることが可能です。

SE構法は、許容応力度計算をベースとした構造設計を行なっております。意匠のデザインに合わせて構造計画を決定しやすいのがSE構法です。

関連記事:「中大規模木造に適した技術と自由があるSE構法の構造設計」

構造用集成材

大規模木造を設計するのに使い勝手がよい(コストと強度のバランスがよい)のは構造用集成材を用いたSE構法です。大スパン・大空間が求められる大規模案件において、構造設計、材料加工、施工、コストパフォーマンスの良さを高い次元で成立している工法です。

関連記事:中大規模木造の構造材の特性やメリット・デメリット

SE構法 接合部SE構法は、独自のSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁とを接合し、優れた耐震性能を実現しています。SE構法は表面にネジ切り加工を施した通常のボルトの約2倍の強さを持つSボルトを木材にねじ込み、高強度のSE金物との組み合わせにより、耐震性の高いラーメン構造を実現しています。

関連記事:耐震構法SE構法が「強くて、安い」のは構造フレームと耐力壁にワケがある

SE構法 柱脚

SE構法では、主要な柱の直下に柱脚金物を配し、柱と基礎とを堅牢に固定しています。柱脚金物は高強度なアンカーボルトにより、基礎に直接取り付けられるので、地震などの横からの力に強く、建物を支えます。

関連記事:耐震構法SE構法の柱脚や接合部が強い理由はSE金物とSボルト

SE構法 フロー

SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」、そして施工というプロセスを合理化することで、ワンストップサービスを実現した木造の工法です。

関連記事:SE構法はワンストップサービスが魅力!各プロセスごとに徹底解説

 

大規模木造オンライン見学会のプレカット工場の概要

大規模木造オンライン見学会のプレカット工場の概要

今回の「設計者・施工者のための大規模木造オンライン見学会」の会場となる建築物の構造材加工をしたプレカット工場は、株式会社岡本銘木店様の京都工場です。

関連記事:株式会社岡本銘木店様のウェブサイトはこちらです。

今回は、株式会社岡本銘木店京都工場の南工場長様に、SE構法のプレカットについて解説をしていただきました。

株式会社岡本銘木店京都工場の南工場長様

この京都工場はSE構法専用プレカット工場となっています。

SE構法の構造材のプレカット加工について順に解説していきます。

1.投入口より中間加工機に構造材を投入して「材料の鼻切り」を行ないます。

投入口より中間加工機に構造材を投入して「材料の鼻切り」を行ないます。

2.構造材の「両側面の加工」を行ないます。

構造材の「両側面の加工」を行ないます。

3.構造材の「上下面の加工」を行ないます。

構造材の「両側面の加工」を行ないます。

4.木口加工機に材料を移動して「SE構法における木口加工」(1.梁の端部加工、2.柱の木口加工)を行ないます。標準的な加工は、中間加工機と木口加工機で対応可能です。

木口加工機に材料を移動して「SE構法における木口加工」(1.梁の端部加工、2.柱の木口加工)を行ないます。標準的な加工は、中間加工機と木口加工機で対応可能です。

5.中間加工機と木口加工機で加工が完了しない材料は「特殊加工機」で加工を行ないます。

中間加工機と木口加工機で加工が完了しない材料は「特殊加工機」で加工を行ないます。

6.特殊加工機ではロボットアームにより加工を行ないます。特殊な加工を担います。

特殊加工機ではロボットアームにより加工を行ないます。特殊な加工を担います。

7.出口にて「単品加工図による検品」を行ないます。検品は投入口と出口にてダブルチェックを実施しています。

出口にて「単品加工図による検品」を行ないます。検品は投入口と出口にてダブルチェックを実施しています。

8.金物を取り付けます。(梁への取り付けはオプションとなります。)

金物を取り付けます。(梁への取り付けはオプションとなります。)

9.加工、金物取付が完了すると「出荷前材料保管」を行ないます。材料が傷つくことや荷崩れが起きないための工夫をしております。

加工、金物取付が完了すると「出荷前材料保管」を行ないます。材料が傷つくことや荷崩れが起きないための工夫をしております。

10.加工前の材料は「ストックヤード」で保管します。

加工、金物取付が完了すると「出荷前材料保管」を行ないます。材料が傷つくことや荷崩れが起きないための工夫をしております。

以上で、工場の案内は完了です。

プレカット工場 SE構法この京都工場では、1時間あたり約35〜40本ほどの加工に対応可能です。1日稼働すると、約45〜50坪程度の案件の加工が完了します。

安全対策も徹底しており、この京都工場では、4,511日(2021年3月4日現在)連続で無事故を継続しております。安全に作業するということは、確かな品質にもつながります。

日々、丁寧な仕事を心がけています。

 

大規模木造オンライン見学会におけるSE構法の構造躯体の解説

大規模木造オンライン見学会におけるSE構法の構造躯体の解説

今回の「設計者・施工者のための大規模木造オンライン見学会」の会場となる建築物は、株式会社野原工務店様による施工です。

関連記事:株式会社野原工務店様のウェブサイトはこちらです。

今回の構造見学会はオンラインでの開催ということで、NCNのスタッフが現地で説明する様子をカメラで撮影しながら、SE構法の構造躯体の特徴について解説しました。

SE構法の構造躯体の特徴

SE構法は「立体解析」による構造計算により、設計の自由度と耐震性を高めています。

関連記事:耐震構法SE構法は全棟で立体解析による構造計算を実施

SE構法の構造躯体において、まずは接合部のディテールについて解説を行ないました。

SE構法の構造躯体において、まずは接合部のディテールについて解説

SE構法は、木質半剛接ラーメンフレーム+構造用面材の耐力壁により、自由設計を実現しつつ、耐震性を確保できます。

関連記事:耐震構法SE構法が「強くて、安い」のは構造フレームと耐力壁にワケがある

SE構法は、木質半剛接ラーメンフレーム+構造用面材の耐力壁により、自由設計を実現しつつ、耐震性を確保できます。

SE構法は基礎に直結する柱脚金物を用いており、柱のしなりを引き出し、木材の性能を十二分に引き出すことができます。

関連記事:耐震構法SE構法の柱脚や接合部が強い理由はSE金物とSボルト

SE構法は基礎に直結する柱脚金物を用いており、柱のしなりを引き出し、木材の性能を十二分に引き出すことができます。

SE構法は、剛強な床構面を厚さ28mmの構造用合板により実現しており、地震時に発生する荷重が建物全体に分散されます。

関連記事:耐震構法SE構法のプランニングがうまくいく設計の考え方を徹底解説

SE構法は、剛強な床構面を厚さ28mmの構造用合板により実現しており、地震時に発生する荷重が建物全体に分散されます。

SE構法は、徹底した品質管理構造計算から部材加工まで一貫したCADシステムにより高精度の加工を実現しています。SE構法登録施工店制度により施工水準を高く維持しています。

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(木工事:上棟)

 

施工者が語る大規模木造におけるSE構法のメリット

施工者が語る大規模木造におけるSE構法のメリット

施工を担当している株式会社野原工務店様の吉田様に、施工者の視点でSE構法について解説していただきました。施工者にとってSE構法の優位性のポイントは下記です。

1.工期が短縮できる(特に地盤改良工事と基礎工事)

SE構法(木造)は、建物重量が鉄骨造あるいは鉄筋コンクリート造と比較して大幅に軽いことから、基礎断面を小さくすることができます。木造の基礎断面が小さいということは、主に下記の理由により工期短縮が可能になります。

・根切り底が浅いため、残土処分量を減らせる

・立ち上がり部分やフーチング部分の寸法が小さく、型枠や配筋量が減らせる

・作業量が少なく、工期短縮が可能になる(現場経費の軽減につながる)

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(基礎編)

 

2.コストの優位性(鉄骨造と木造の比較)

構造で木造(SE構法)を選択することで、基礎や構造躯体のコストが安くなります。外壁仕上げには住宅用サイディング、窓は住宅用アルミサッシなどを使うことで、建材費や施工費も抑えることができます。

関連記事:「中大規模木造の建設費の概要とコストを抑えるポイント」

 

3.設計の自由度が高い(SE構法は大規模木造に適している)

SE構法は剛性のある木質フレームに囲まれた耐力壁を併用することで、耐力壁の性能を最大限生かすことが可能となり、壁量を少なくできます。設計の自由度がありながら、低層の建築物であれば鉄骨造と同等の大空間を実現できます。

関連記事:「中大規模木造に適した技術と自由があるSE構法の構造設計」

 

まとめ

今回の大規模木造オンライン構造見学会では、多数の方からのお申し込みもあり、木造建築に関する関心の高さを改めて実感することができました。

今回は施工を担当されている施工者よりSE構法の感想や、NCNよりSE構法の概要や木造建築のメリット、NCNのサービスについてお伝えさせていただきました。

アンケートの内容もとても好意的なコメントが多く、建築実務者の皆様のお役に立ててよかったです。今後もこのような見学会を開催していきたいと考えています。

NCNでは、大規模木造に取り組む設計者・施工者のために「大規模木造オンラインセミナー」を開催しています。大規模木造に関するさまざまなテーマをオンライン形式で皆様にお届けするセミナーです。

 

興味があるテーマのセミナーを自由に選択していただき、受講することが可能です。毎回、テーマを変えて大規模木造に関する情報提供をさせていただきます。本セミナーは下記リンクより動画で視聴することが可能です。

動画の視聴はこちらです。

※一部動画の視聴には無料の会員登録が必要となります。

 

本セミナーには、工務店様や建設会社様など、大規模木造に関心のある建築実務者の方に多数ご参加いただきました。これから大規模木造に取り組む建築実務者の皆様に対して、NCNから特にお伝えしたいことは下記です。

・大規模木造に取り組むことは、決して難しいことではない

・大規模木造の実務を合理的に進めるには、木造に詳しいパートナーを選ぶ必要がある

 

NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。計画段階からご相談いただくことで、木構造デザインの木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談いただくことで、合理的に設計を進めていただければと考えております。

 

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。