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株式会社エヌ・シー・エヌ

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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

建設会社の資材高騰対策に木造は有効!その鍵はワンストップサービス

  • 建設会社の資材高騰対策に木造は有効!その鍵はワンストップサービス -

 建材や設備等の価格が上昇傾向にある中、地政学リスクの高まりによる需要や供給量等の変化に伴い、深刻な資材高騰が起きています。今後、資源不足がより深刻化し、コロナ禍で高騰していた建設資材は、さらなる値上げが懸念されます。

 こうした局面で注目されるのが木造化です。木材は「ウッドショック」等の問題を抱えていますが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較すると工期や材料の納期が短いことから、建設会社にとっては現実的な手段となり得ます。

 このコラムでは、資材高騰の原因を解説するとともに、他工法から木造へ切り替えることで資材高騰の影響を少しでも抑えるポイントについてお伝えします。(本記事は2022年4月現在の情報で作成しています。状況の変化により内容も変動しますのであらかじめご了承ください)

 

<このコラムでわかること>

建設会社を直撃する資材高騰の影響

建設会社大規模木造で知っておきたいウッドショックの実情

建設会社における資材高騰への対策

建設会社資材高騰対策で大規模木造に切り替える際のポイント

リスクに強いSE構法ワンストップサービスとは?

建設会社大規模木造が取り組む際の課題1:構造設計

・建設会社大規模木造が取り組む際の課題2:防耐火

SE構法へのお問合せ、ご相談について

・まとめ

 

建設会社を直撃する資材高騰の影響

建設会社を直撃する資材高騰の影響

原燃料や資機材の価格高騰とその影響、国内外の物流網に与える影響やサプライチェーン(供給網)の混乱が続いています。

建材や設備の値上げが相次ぐなか、地政学リスクの影響で資材価格がさらに高騰し、建設費の上昇につながる恐れが出てきています。

コロナ禍によるウッドショックで木材が高騰し、追いかけるように円安や木材以外の資材価格の高騰が生じています。

木材については、すでに合板やLVL(単板積層材)などの生産に影響が出ており、メーカーが仕様変更などの対応に追われています。

生コンクリート価格も上昇傾向にあります。生コンクリートの価格上昇はさらに続く見込みです。セメントや生コンクリートは重量物のため、燃料価格高騰によって輸送コストもかさみやすいです。

価格高騰の背景にあるのは、資材の供給網の各段階で生じたコストアップです。

「価格改定」を発表するメーカーも増えています。

納期においても、注文から納品までの期間は以前より長くなっています。

このような資材高騰局面の中、建設会社においては、発注者や設計者の理解を得ながら、現実的に「建物を建てる」手段を構築することが求められています。

関連記事:【直撃】資材価格高騰局面での大規模木造におけるコストダウン対策

 

建設会社が大規模木造で知っておきたいウッドショックの実情

建設会社が大規模木造で知っておきたいウッドショックの実情

世界的に木材の需給バランスが崩れて木材価格が急騰している「ウッドショック」は、2022年に入っても高騰は続いています。

木材の需給が逼迫して、価格高騰、納期遅延等が発生することがウッドショックです。世界的な建築需要の高まりによって木材価格が高騰しており、日本の住宅・建築業界は厳しい状況を迎えています。

今回のウッドショックは、日本の木材業界が抱える構造的問題が顕在化した側面もあります。

関連記事:【激震】ウッドショック!木材価格高騰の理由

日本は木材の世界市況を見誤った部分もあり、買い負けした結果でもあります。木材需要の約6割を輸入材、特に米材や欧州材に依存しているだけに、日本国内は一気に木材不足に陥りました。

そこで焦って国産材の調達に走るものの、なかなか増産されずに国産材も値上がりしています。

 現在、国内の森林は資源的には充実しており、山には利用可能な大きさに育った木がたくさんあります。

ただ、木材生産に従事する人手は限られており、急激に木材需要が増えたからといって、すぐに増産するような態勢は取れないのが現状です。

関連記事:ウッドショックが顕在化させた木材供給リスクと国産材の課題

 

建設会社における資材高騰への対策

建設会社における資材高騰への対策

発注者が建物をつくる目的を考えると、資材高騰の問題があるとはいえ、事業収益が下がるなら建物をつくる意味がないと判断するのは当然です。

その対応策として、木造への切り替えを提案するとしても、性能やコストメリット、工期短縮等のメリットに加えて、CO2排出量削減や炭素固定などにインセンティブがあり、企業価値が高まるなど目に見えるメリットがないとコスト増は基本的には許容されません。

現状では定量的データを示すことは難しいので、企業のブランディングや価値向上とともに木造を提案することになります。

建設会社における資材高騰への対策は主に下記です。

1.用途や規模に応じて計画の早い段階で構法を決定する

都市部の建設着工床面積を見ると、3、4階建て建築の需要が大きいです。都市部に多い間口が狭く奥行きが長い敷地に計画する建物などは、木造でも実現可能です。

 

2.設計段階で概算見積りを行う

設計段階で概算見積りを行うことで、早い段階で需給情報を把握することができます。状況の変化に応じて構法や建材を選定し直すことで、コスト削減や納期短縮が可能になります。

 

3.資材の発注を早めに行う

輸入木材に限らず商品価格の高騰はだいたい予兆があるので、そうした情報を常にチェックしながら、早めに工事請負契約を行ない、早期の発注が重要となります。

 

建設会社が資材高騰対策で大規模木造に切り替える際のポイント

建設会社が資材高騰対策で大規模木造に切り替える際のポイント

建設会社が資材高騰対策で大規模木造に切り替える際には、コストメリットだけではなく投資と見てもらえるよう、環境負荷軽減などへの貢献を明示できるようになれば、許容幅は変わってくるかもしれません。

木造は事業にどんな優位性をもたらすのか。その問いへの明快な答えが建設会社には求められている。

建物の利用者の観点では、木造に好感を持つ生活者も多く、そこに木の良さを訴えかけ、木を体感できることが、将来的に木材利用を増やす上で重要なポイントになります。

これからの木造・木質建築市場の拡大は、多くのステークホルダーが抱く「木造の好感度」を具体化する提案をできるかどうかにかかっています。

現状で資材高騰によるコストアップは不可避ですが、それを補う補助金、助成金制度があります。

近年は発注者が設計側と協力して補助事業採択を目指すケースもあり、補助事業に採択されると銀行も融資しやすいなどのメリットもあるので、積極的に活用すべきです。

関連記事:【助成金情報】令和4年 JAS構造材個別実証支援事業

このような資材高騰局面に対して、木造でリスクに強いのは「ワンストップサービス」の仕組みを構築している「耐震構法SE構法」です。

ワンストップサービスの強みは、長年かつ継続的に木材や金物等のサプライチェーンと良好な関係を築いていることです。

仮に何かのトラブルが生じたとしてもその影響が最小限となり、結果として安定的に材料供給等が可能になることを意味します。

 

リスクに強いSE構法のワンストップサービスとは?

SE構法は構造設計、供給、施工がシステム化されている

美しい木構造による建築物は、企業イメージの向上にも貢献できます。木構造として最適な工法が「耐震構法SE構法」です。

SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい大空間、大開口などを実現することができます。SE構法であれば、施設建築で求められるスパンの大きい空間にも対応できますし、架構をシンプルにすることが可能です。

SE構法は、全棟構造計算を実施する構造システムですので、意匠のデザインに合わせて構造計画を決定することができます。

SE構法は、独自のSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁とを接合し、優れた耐震性能を実現しています。SE構法は表面にネジ切り加工を施した通常のボルトの約2倍の強さを持つSボルトを木材にねじ込み、高強度のSE金物との組み合わせにより、耐震性の高いラーメン構造を実現しています。

非住宅のプロジェクトを木造で計画する際には、選択した木造の工法に関わらず、「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」というプロセスが必要になります。確認申請の対応やプレカット関連業務、工事監理も重要な要素です。

SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」そして施工というプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

SE構法が持つ構造スペックをNCNの構造設計スタッフは熟知しておりますので、構造計画の相談においてはレスポンスよく回答、提案しています。空間やデザインの可能性を広げるためにも早めの相談がおすすめです。

大規模木造では工法に関わらず、「木造の構造躯体の施工の担い手」を確保する必要があります。SE構法であれば、構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」という方法で、施工会社選定の選択肢が大きく広がります。

構造材の確保においては、国内トップクラスの集成材メーカーや合板メーカーと長年にわたって継続的に取引実績があり友好的な関係を築いているため、ウッドショック のような事態に直面しても密な連携により、同業他社と比較して材料の調達はしやすいです。

関連記事:SE構法はワンストップサービスが魅力!各プロセスごとに徹底解説

 

建設会社が大規模木造が取り組む際の課題1:構造設計

建設会社が大規模木造が取り組む際の課題1:構造設計

建設会社にとって、計画する建築物を木造に切り替える際のポイントとなるのは構造設計です。

生産面においても構造図を参考にCAD入力をしないと精度の高い構造材見積りができませんので、その設計内容をプレカット工場が対応できるかを計画の早い段階で確認する必要があります。受注後にプレカット加工ができないことが判明すると大きなトラブルになります。

確認申請等の対応においても、大規模木造は住宅とは異なる基準での審査を受けますので、木造の構造設計に関する高い知見や専門性が求められます。

プレカット工場の多くは建築士事務所ではありませんので、構造的な課題に対して対応できないことがほとんどです。

そのためにも、大規模木造においては構造設計とプレカットに精通した構造事務所との協働が鍵となります。

木造に不慣れな構造設計者が設計・計算を行うと、独自に考えた金物のディテールを図面に書きます。

しかしその情報をCADに登録しない限り、CAD/CAMではつながりませんので、プレカット工場側は機械ではなく図面を見ながら手加工するしかありません。

結果的にそうした加工料等がコストアップになり、大規模木造が実現しにくい要因になります。

関連記事:【解説】大規模木造で構造設計とプレカット加工が連動するSE構法

 

建設会社が大規模木造が取り組む際の課題2:防耐火

建設会社が大規模木造が取り組む際の課題2:防耐火

建設会社が大規模木造を検討する際に、必ず考えておかなければならないのが「防火・耐火」です。

鉄骨やコンクリートに比べて燃えやすい木材(木は火に弱いということではない)という材料を使って、法規の基準を満たした火災に強い建築をつくることが求められます。

大規模木造は、規模や建築基準法、各種基準により、耐火建築物や準耐火建築物の仕様が求められることが多くなります。このため、防火・耐火のコストをできるだけ上げないように、建築計画を慎重に検討する必要があります。

関連記事:木造でも耐火建築物は可能!大規模木造における耐火建築物まとめ

関連記事:広がる木造準耐火の可能性!大規模木造における準耐火建築物まとめ

施工としては、木造戸建て住宅の既存技術をいかに大規模木造に応用できるかが課題です。

木材の燃えにくい特徴を生かした、燃えしろ設計の技術による木造の準耐火建築物などもアイデアとなります。

関連記事:準耐火建築物であれば「燃え代設計」により木造の構造体を現しにできる

 

SE構法へのお問合せ、ご相談について

SE構法へのお問合せ、ご相談について

大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。

 

1.構造設計

SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。

 

2.概算見積り

SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。

 

3.調達

物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。

 

4.加工

構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。

 

5.施工

SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)

 

6.非住宅版SE構法構造性能保証

業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。

 

↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。

https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/

 

まとめ

建設会社様においては、木造の良さを実感し、提案する建築物の木造化の価値や、木造での実現の可能性が技術的にも十分あることを理解頂き、また木造の長所・短所をふまえ、要求性能とコストに見合った木造建築物の受注につなげていただければと考えております。

設計者、施工者には、木の材料特性を引き出し、流通する製材を活用して、都市部の建築の木造・木質化の実現が求められています。

SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい高層化、木造耐火などを実現することができます。都市部の厳しい敷地条件の中、鉄骨造ではコストや施工に問題がある場合においても、木造(SE構法)が有効な選択肢となります。

 

NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。計画段階からご相談いただくことで、木構造デザインの木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談いただくことで、合理的に設計を進めていただければと考えております。

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。