家、三匹の子ぶたが間違っていたこと

【三匹の子ぶた vol.01】〜「三匹の子ぶた」に象徴される家づくりの誤解〜

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家づくりで見落とされている、いちばん大切なこと(1)

「三匹の子ぶた」象徴される家づくりの誤解

「三匹の子ぶた」という有名な童話がある。あなたも子供の頃一度は聞いたことがあると思う。この話は、「大きくなったので今日からは自分たちで暮らしなさい」とお母さんに言われた三兄弟の話である。一番上のお兄さんは「わらの家」をつくり、二番目のお兄さんは「木で家」をつくり、三番目の弟は「レンガで家」をつくる。「わらの家」と「木の家」はオオカミに吹き飛ばされてしまうが、レンガで家をつくった一番下の弟の家だけは、オオカミに襲われても家が壊れずに、オオカミを懲らしめるというものだ。これを聞いて育った子どもは、わらの家や木の家は危なくて、レンガの家が一番安全だと思うだろう。

しかし、これはイギリスの童話である。地震がほとんどこないイギリスでは、地震より風の被害が怖い。ゴルフ好きの方なら、全英オープン(セント・アンドリュース)でのゴルファーと風の戦いでご理解いただけるだろう。風の力を中心に家づくりを考える国では、重い建物のほうが風害を受けにくい。だから、レンガの家を建てた一番下の弟の家だけが助かるのだ。

しかし、地震の被害が一番深刻である日本はまったく話は別なのである。地震において、一番安全なのは、軽い家「わらの家」である。たとえ壊れても圧死しないからだ。ただし、風に弱いのは同じだ。二番目は「木の家」である。建物自体が軽いので地震時にかかる力も少なくて済む。そして、地震大国日本では、一番危険なのが「レンガ積みの家」である。一番重い建物なので地震時にかかる力が最大になるし、潰れたら圧死してしまうだろう。

防災の第一人者の名古屋大学の福地伸夫教授は、コラムのなかでこう述べている。「万一、私たちが原始生活をしていたら、地震なんて全く怖くない。きっと、地震は、びっくりしたりワクワクしたりするような揺れでしかないだろう。揺れる場所に人工物をたくさんつくってしまったから災害は発生する。そして、人が集積すればするほど災害は酷くなる。」
実際に縄文時代にはいまと同様、大地震が数多く起こっていたにもかかわらず、その被害で人が亡くなったという形跡がまったく見られないという研究報告がある。地震が人を殺すのではなく、人間がつくった重くなった建築物が壊れることで人に危害が加わるのである。
日本では、台風も地震も怖い。つまり、日本版の三匹の子ぶたの物語では、「木の家」をつくった二番目のお兄さんが賢い選択をしたことになる。日本でも台風被害の多い沖縄では、石造りやRC造(鉄筋コンクリート造)が一般的で、木造は少ない。しかし、地震の多い太平洋側のアジアでは木造の建物が多い。

また、海岸線に近いところに居住区がある日本という島国では、地震・台風のほかに、塩害、つまり鉄の錆びがあったため不利。この童話には登場しないが、鉄骨も木材に比べて錆びがあったため不利。やはり、日本版「三匹の子ぶた」は二番目のお兄さんが一番。
しかし、「三匹の子ぶた」に象徴される、家についての誤解という意味では、日本の木の家について、おそらく日本中のほとんどの方が誤解している極めて重大な事象が存在している。それは、日本の木造住宅のほとんどが「構造計算をしていない」、すなわち科学的に家の強さを評価していない家であるという事実である。

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