埼玉県さいたま市の郊外、農地を宅地に変更した土地に建つKさん邸。
周辺は宅地造成されていながらも一部には農地や雑木林が残り、配置計画はこの条件をよく考慮したものになっている。
全体の構成はシンプルで、玄関を上ると、リビングダイニングキッチン、デッキテラスまでが一気に広がる。
1階はこのLDKのほか3畳の和室を設けているが、床面がフラットな作りのため、ほぼワンルームといっていい空間。
そしてそのワンルーム空間に邪魔な柱は、ない。
この柱のない空間を実現するためにSE構法と設計者であるオーガニックスタジオの三牧氏の解は、910mmずつの袖壁を庭側に設けることだった。
この壁は隣家からの視線を遮る役目もあり、また、階段と収納を納めるにも役立っている。
2階には、寝室、子ども室、洗面浴室と、プライベート空間を集めている。
広々とした洗面室と吹き抜け回りの廊下は、室内洗濯物干し場としても使用でき、共働き夫婦には有難いつくりとなっている。
外部空間を見てみよう。車2台分の駐車スペースを確保した外部スペースには、ポーチや自転車バイク置き場物置スペースと共に計画され、大きな庇を共有することで家との一体感が増している。実際、玄関脇の物入れと連動した使い方が容易に想像できる配置となっている。キャンチレバーのバルコニーや吹き抜け、大きな開口部に無柱空間という、SE構法のメリットを存分に活用した事例の一つである。
設計・SE施工
オーガニック・スタジオ株式会社 / https://www.minorinomorinoie.com/