センコー産業株式会社の注文住宅部門の自社設計のうち、2021年春に稼働し始めたのが、SE構法の住宅を専門に扱うCocoro設計室だ。この仏生山モデルハウスは、Cocoro設計室の第一番目の物件として、分譲住宅地に建設された。
仏生山モデルハウスは、昨今の住宅購入希望者が体験してみたいと思っているライフスタイルを住宅として再現し、体感してもらうことが目的だ。
スクエア型のスタイリッシュな外観、テラスから繋がる玄関。そこからさらにファミリークローゼットを介して洗面脱衣所へとつながるスムーズな動線。玄関からは土間が伸び、そのままLDKと隣接しているため、土間に薪ストーブを置くことも可能だ。
土間とLDKの半分は吹き抜けになっており、階段を上るとフリールームに出る。このスペースは住み手の要望によって、子ども部屋やワークスペースなどへ自由に変えていく想定だ。
このように大開口と吹抜けを備え、大空間を体現している仏生山モデルハウス。この開放性と可変性のある間取りを可能にするには、できるだけ柱を用いず、かつ安全性を担保できる構法が前提となる。SE構法はその要求にこたえ、なおかつ耐震性能が高く、温熱環境に優れ、LCCM住宅※への展開を期待できるというメリットがある。
住宅を建てるにあたり、デザインや間取りを優先するにしても、それを叶える躯体があってこそ。建主のオーダーを叶えてなお、期待以上の住宅として住み続けていくために、今後ともSE構法の需要は増していきそうだ。
※LCCM住宅:ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅
住宅建設時、居住時、廃棄時においてできるだけCO2削減に取り組むことで、住宅の一生を通じてCO2の収支をマイナスにする住宅のこと。
設計
センコー産業株式会社一級建築士事務所
施工
センコー産業株式会社 / https://www.senkosangyo.co.jp/