大阪府堺市の泉北ニュータウン。
区画の大きな閑静な住宅地内に建つH邸。
建蔽率40%、容積率80%の良好な住環境が守られている区域内だ。
家族構成は、夫婦2人と成人した子供3人に夫の両親という3世代7人。
世代が違うことは、生活する時間帯が違うという事で、それぞれの時間帯で快適に暮らす工夫が求められた。
まず、両親が暮らすスペースは平屋になっており、静かな環境を実現した。
次に家族が集まるLDKは、4,095mm×8,190mmの無柱空間。柱がないことでスッキリとした空間であり、家族7人が一度に集まることは少ないという事で、無用に広いスペースとはしなかったそう。
また、キッチンがオープンに作られており、ここでは3世代がそれぞれ好きな時間帯に好きなものを作っているそうだ。奥のパントリーや水回りスペースに余裕があるのでメインのLDKがスッキリとして見えるのだろう。
動線も無駄なく、しかし、異なる時間帯で過ごす家族の邪魔をしないように考えられている。
2階には夫婦寝室と3人の子供の個室、さらに、大きなバルコニーがあり、その手前には室内洗濯物干場。
共働きで7人分の洗濯物を抱えるこの家では、大変便利なスペースだ。
さらに、このスペースを支える柱は、実は一階までの通り柱ではなく、2階梁で受けている。
通常の木造だと構造的にはかなり負担が掛かるところ、SE構法では柔軟に対応出来た。
一つ一つの事例において、そこに住む家族に必要なスペースが違うことから、このような構造的な自由度は設計者としても大変使いやすいものだろう。
設計・施工
フクダ・ロングライフデザイン株式会社 / https://www.fukuda-lld.jp/