これまで数多くの住宅をSE構法で設計してきたアドヴァンスアーキテクツ株式会社のMさん。
あえて条件が良いとはいえない旗竿敷地を選び、SE構法のポテンシャルを具現化した自宅が大阪府堺市のM邸だ。
旗竿敷地とは文字通り旗のような形をしている土地で、竿となる部分が道路に接している。M邸敷地の竿部分の幅は3.4mで奥行きは15m。自動車を縦に2台止めてもなおスペースがあるため、樹木を植えてリビングから眺められる小さな庭をつくった。
玄関を入ると、天井を低く抑えた廊下空間から、天井高4.5mの広々としたLDKに出る。建築界の巨匠、フランク・ロイド・ライトが推奨した天井高の変化による空間演出であり、LDKがより開放的に感じられる。高い天井は、木造であるSE構法を用いた最高位への挑戦でもあった。
LDKから階段を上り、踊り場のようなホールを経て、2階へ。ホールは応接間と子どもの勉強部屋が一体となったような新しい空間だ。2階の天井高は2,200mm。1階の約半分の高さになっており、主寝室、子ども室、浴室、バルコニーが配置されている。
空間効率が気になるが、M邸はゼロエネルギーハウスの認定+補助金を受けていて、太陽光発電とエネファームタイプSを設置したオールガス住宅だ。電気代は月額1, 500円程度、ガス代は月額6 ~ 7,000円とのこと。結果的にM邸は、旗竿敷地でも快適な住宅を作れることを証明し、居住空間の新しい使い方を提案するモデルハウスの役割も担うこととなった。
設計・SE施工
アドヴァンスアーキテクツ株式会社 / https://www.advance-architect.co.jp