株式会社建匠が建設した「遊びの要塞 THE 建匠」は、リゾート住宅の要素を取り込んだモデルハウスだ。後に同社の代表取締役である西村さんが買い取って自邸としている。
西村さんは高校卒業後、宮大工となって神社仏閣の建設に携わったあと工務店で働き、現代の住宅事情を一から学んだという経歴の持ち主だ。職人技を数値化できる作り方に置き換えていく過程で、木造住宅でも構造計算を必須としているSE構法と出会った。
SE構法は在来工法とは違い、耐震等級をデータで示すことができ、設計の自由度も高い。大きな開口をともなう無柱空間も施工できるため、リゾート住宅とも相性がよい。本宅でも、1階の広々とした車庫スペースに柱はなく、その上にジャグジーのあるルーフバルコニーをのせているが、SE構法のため安全が担保されている。
玄関を入るとシュークロークがあり、その先に階段。玄関の左手側には主寝室と子ども部屋がある。2階はLDKと前述のルーフバルコニー。キッチンカウンターは広く、ダイニングテーブルを兼ねることで、家族が一緒に料理を作って、食べるふれあいの場所になっている。
1階でつながる隣の棟は、第2のLDKだ。開口部にガラス戸はなく、シャッターのみ。池のある庭と一体化するので、屋内なのに外にいる気分になれる。西村さんは普段の暮らしにもっとコミュニケーションを増やそうというテーマを掲げている。リゾート住宅という開放的な形態は、家族の会話を誘発するひとつの装置なのだ。
設計・施工
株式会社建匠 / https://xn--mjrr9y.com/