共働きのKさん夫妻は、貿易に関する専門分野のエキスパートで、現在子ども2人と一緒に4人で暮らしている。新しい家を建てるにあたり、将来子どもたちが独立したあとはオフィス空間にしたいという希望を持っていた。
夫妻はネットを駆使してハウスメーカーやビルダーを調べ、SE構法なる建て方があることを知った。SE構法は将来的に間取りを変えることができて耐震性に優れているため、K夫妻の住宅計画にぴったりの構法だった。
敷地は西側に道のある東西に伸びた形状だ。北側に住宅用の玄関をもうけ、南西側に入口とトイレを有する趣味室を配した。趣味室は将来、妻の仕事場やレザークラフトを扱う店舗になることを想定し、地下を掘って3,400mmの天井高を確保している。
趣味室の隣は、現在子どもの個室が連続しているが、子どもが独立したら間の壁を取り払い、3部屋続きのオフィス・店舗空間に拡張する予定だ。
1階の奥には主寝と書斎がある。2階を上がると東側に水回りがまとまり、2つ目の書斎とLDK、和室が連続している。LDKの南側にはハイサイドライト(高窓)を設けて、夏の日差しはよけて冬の日差しを取り入れ、明るく温かい部屋を保っている。バルコニーの手すり壁は1.8mと高くし、視線が気にならない空間とした。
家族形態の変化に合わせて間取りを変えられるK邸は、個人のライフスタイルの変化にも対応する家であり、住みながら働くというワーク・ライフバランスを実現する好例となるだろう。
設計・施工
株式会社アーキ・モーダ / https://www.archimoda.jp/