広島県広島市に建つK邸は、前面道路の向かいに雑木林を臨む斜面地という条件。もともと、祖父の代に建てた家の建て替えという事例だ。
施主のKさんは、賃貸集合住宅で暮らしていたが、子供が三人に増え、広さと豊かな自然を求めて懐かしい土地で建て替えをすることに決めたそう。
さて、このお宅、まず第一の特徴と言えるポイントはメーターモジュールである。
設計者のエヌテック谷口さんに話を伺ったところ、以前扱っていたOMソーラーの仕様なのだそうだが、木造では珍しいメーターモジュールにも対応するSE構法を採用し、よりゆったりとした空間が実現した。
リビングの位置は、南西角。本来なら西側の開口部は西日が入るため敬遠されがちかだが、前面の雑木林は、落葉樹であり、夏の西日はカットされ、冬の陽光は取り入れることが出来ることから、大きな窓が設けられ、開放的で明るいリビングとなっている。
玄関扉を開けると、吹き抜けを持つ玄関があり、縦方向にも広がりを感じる。玄関ホールの奧は、一室空間になったリビングダイニングキッチンに繋がる。
キッチンはアイランド型で、ダイニングからリビング、その先の雑木林、南側のテラスが一望できる。
リビングには吹き抜けがあり、天井高は2層分、5,341mmもの高さがあり開放感にあふれている。
施主のKさん夫妻のこだわりで、仕切りをなるべく作らない一室空間と、その空間の中に余計な柱を設けたくないという要望があった。
一階は間仕切りを引き戸にしたことでその引き戸を開けると各空間が見渡せ、2階には殆ど間仕切壁が設けられていない。
この柱をなくした空間は、梁を大きくすることで実現できたわけだが、構造的にしっかりと根拠ある計算の元で設計されているSE構法だからこそ、といえるだろう。
設計・SE施工
株式会社エヌテック / https://www.ntecj.co.jp/