2013年に開業した愛知県蒲郡市のパン屋「le pain le pain(ルパンルパン)」。これまでテナントを借りて店舗としていたが、このたび住宅併設の新店舗をオープンさせた。
オーナ―であり、自らパンを焼く根津さんによると「その日に販売するパンはその日につくる」というポリシーをお持ちとのこと。毎日午前3時過ぎに作業を始め、パン作りの大半は自ら行い、午後2~4時までの中休みにもパンを作っているというから、かなりのハードワークだ。
1階は厨房、店舗、バックヤード、納戸と住居用玄関から成っている。お客さまからパンの焼きあがりや製造工程が見えるよう、店舗の南側に大きな開口部。厨房と販売スペースには壁を設けず、SE構法が得意とする大空間とした。
また、パン作り教室も開催するため、来客動線をシンプルにし、店舗内にトイレを設置することも忘れない。根津さんの目指す「地域に開かれたパン屋」という姿勢が表れている。
家族の居住部分となる2階は、リビングよりも広いバルコニーが特徴的だ。地上階は「職」のスペースであるため、このバルコニーは「住」を豊かにする庭。床がデッキ仕上げとなっていて、セカンドリビングのようにも使える。
そのリビングの北側に浴室、南側に寝室を配置したのは、根津さんが夜中に入浴しても家族の睡眠を妨げないようにするため。新店舗兼住宅は、業務と家族の生活がスムーズに営まれるよう最適化された心地よい環境となった。
設計監修・施工
有限会社コバヤシホーム / https://kozen-style.com//
設計
中野建築設計事務所