家づくりには、木材の調達、加工製造、設計、構造計算、施工と数多くの工程があり、それぞれに専門的な知識を持つ企業が関わります。質の高い家づくりにおいて重要なのは、作り手同士が連携し、迅速かつ正確な情報共有をすることです。
SE構法では、施工を担う工務店と、木材を加工するプレカット工場がSE構法を提供するエヌ・シー・エヌを介して密に連携し、一気通貫の家づくり体制を整えています。すべてのプロセスが厳密に管理されることで、万が一不具合が発生した際も、いつ、どこで、どのような原因によるものかを速やかに突き止められます。
そして、家づくりは施工完了がゴールではありません。そこに住む人が長く安全に住み続けられて、初めて住宅としての機能を発揮していると言えます。SE構法は、引き渡しから最初の10年間の無償保証に加え、既定の検査メンテナンスを実施することで、最長20年間の構造保証を提供します。
SE構法で使用する構造用集成材は「いつ、どこで、誰により作られたか」を明確にするトレーサビリティを重視しています。トレーサビリティは質の保証であり、不具合が起きた際に速やかに原因を追究するためにも有効です。
集成材は、構造計算に基づいた加工データが工場に共有され、カッティングや、金物を組み合わせるための加工が施されます。データに沿って精緻に木材を加工するには、専用の機器と熟練技術者の業が必要です。エヌ・シー・エヌは、質の高い木材を製造できる指定プレカット工場と品質協定を結んでいます。製造された木材一つひとつに対し「出荷証明書」が発行され、品質を担保されています。
木材の加工には、正確なデータの共有が必須です。SE構法の構造設計で使用するSE-CAD（図面設計ソフト）は、家の構造や木材に関して、性能情報を取り込んだSE構法専用のCADです。SE-CADの構造設計データは、工務店と指定プレカット工場の間で共有され、実際に木材を加工するためのデータと連動しています。プレカット工場では、CADデータから加工に必要な情報を正確に把握し、コンピューター制御の下、設計図通りにミリ単位の精度で木材を加工します。こうすることで、施工現場では、データに沿って寸分違わぬように木材を組み立てることができます。
SE構法による施工ができるのは、専門の研修を積み、試験に合格したSE構法施工管理技士が在籍するSE構法登録施工店のみです。SE構法施工管理技士は、試験合格後も定期的に研修や勉強会に参加し、技術や知識を常にアップデートしています。
SE構法には、導入や構造の計画、施工、品質管理など各段階において、きめ細かく規定されたマニュアルが存在します。施工現場では構造部材に添付された取扱説明書に従って施工を進めます。さらに、主要工程では、途中時点の成果物がSE構法の定める品質基準を満たしているかをSE構法施工管理技士が厳しくチェックします。詳細なマニュアルと、品質基準に基づいた管理体制を敷くことで、不具合のリスクを徹底して排除しています。
常に最新の技術と知識をもとに施工を提供できるよう、SE構法施工管理技士は技術研修会や勉強会の定期的な参加に加え、3年ごとの免許更新が義務付けられています。全国に存在するSE構法登録施工店は、互いにつながりを持ち、常に革新する建設会社ネットワークとして広がり続けています。
SE構法施工管理技士は、SE構法で住宅を施工した際、建築後14日以内に住宅全棟の写真と施工チェックシートによる「SE構法性能報告書」を提出します。徹底した品質管理により、SE構法で建築された住宅は、累計16,000棟以上の施工事例においてこれまで一件の事故も報告されていません。
建築したすべての住宅に対し「SE住宅性能保証書」を発行します。水平部材に1/120以上の傾斜、床・梁など通常荷重下での1/500以上のたわみ、柱壁の鉛直部材の1/120以上の傾斜、という厳しい基準のもと、基礎・構造躯体とそれを構成する金物に起因する建物の損傷を保証しています。
SE住宅性能保証制度は、基礎と構造躯体、金物が原因で住宅に損傷が生じた場合、登録施工店を通じて補償する制度です。完成引き渡しから10年間無償で保証します。10年経過後、指定された検査メンテナンスを行うことにより、さらに10年間の保証延長が可能です。
