木造建築.jpは移転しました。

このメッセージは木造建築.jpにアクセスいただいた方に向けて表示しています。

耐震構法SE構法で建てる大規模木造建築のサイトをご覧いただきありがとうございます。木造建築.jpは、2017年4月のリニューアに際して現在表示中のURLに移動しました。旧サイトをブックマークされている方は、お手数ですが新しいURLをご登録いただきますようお願いします。

株式会社エヌ・シー・エヌ

このメッセージを閉じる

SE CONSTRUCTION耐震構法SE構法

【解説】大規模木造で使いやすいSE構法の施工ポイント

  • 【解説】大規模木造で使いやすいSE構法の施工ポイント -

SE構法は、基礎構造から構造体施工に至るまで厳しい品質を追求しています。SE構法は独自の施工管理技術が必要なため、どの建設会社でも施工できるわけではありません。試験に合格したSE構法施工管理技士が在籍し、一定の技術水準を有すると認められた「SE構法登録施工店」がSE構法の建物を施工します。構造計算により証明された構造強度と、木造でありながら自由度の高い空間を安心してお客様に提供するため、SE構法は万全の体制を整えています。

このコラムでは大規模木造で様々な設計に対応できるSE構法の施工ポイントについて詳しく解説します。

 

<このコラムでわかること>

SE構法施工の概要

SE構法登録施工店制度

SE構法施工の全体プロセス

SE構法施工の解説

SE構法施工の注意点

SE構法における施工会社の選定

非住宅版SE構法構造性能保証制度

SE構法へのお問合せ、ご相談について

・まとめ

 

SE構法の施工の概要

SE構法の施工の概要

SE構法は構造計算で証明された構造の強度により、木造でありながら安全性を確保しながら自由度の高い空間を安心して提案できます。そして、建てて終わりではなく、構造躯体に独自の保証システムも備えています。

SE構法では、地震時においてさらなる安全性を確保するために、全棟Sボルトと呼ばれる特殊なボルトを採用しています。これは、従来の金物工法の欠点を克服するために開発されたものです。表面に凹凸加工を施し、木材にねじ込むことによって、強度を格段に向上させました。

SE構法が使用する構造用集成材も「木」であるため、経年変化により木が乾燥・収縮します。SE構法は、高強度SE金物とラグスクリュー状のSボルトが柱と梁の接合部にしっかり食い込み、定着することにより、木の収縮に対しても剛性を確保することができます。

SE構法は、構造部材に関して独自の供給体制を整備しています。構造部材の品質基準や性能が明確であることとトレーサビリティが条件となるため、品質協定を結んだ指定プレカット工場以外からの供給を認めていません。供給された構造部材の品質管理の証として「出荷証明書」を発行しています。

SE構法は、独自の設計生産システムによって、品質が保証された構造部材を供給しています。プレカットはコンピュータ制御の下、設計図通りにミリ単位の精度で加工されるため、水平・垂直を寸分違わぬように組み立てることが可能です。高い安全性能を約束するために、どこよりも厳格な精度品質を求めています。

 

SE構法の登録施工店制度

SE構法の登録施工店制度

SE構法は独自の施工管理技術が必要なため、どの建設会社でも施工できるわけではありません。

試験に合格したSE構法施工管理技士が在籍し、一定の技術水準を有すると認められた「SE構法登録施工店」がSE構法の建物を施工します。構造計算により証明された構造強度と、木造でありながら自由度の高い空間を安心して提供するため、SE構法は万全の体制を整えています。

SE構法登録施工店の技術者は、定期的に開催される技術研修会や勉強会に参加し、最新の技術や知識を習得します。さらに、3年ごとにSE構法施工管理技士の免許を更新することも、SE構法の品質管理システムに組み込まれています。

全国に存在するSE構法施工管理技士は約2000人います。SE構法登録施工店は、技術を高め合い、情報交換し、常に革新する建設会社ネットワークとして広がりを続けています。

SE構法には、導入段階や構造の計画段階、そして、施工や品質管理など各段階において、きめ細かく規定されたマニュアルが存在します。

さらに、施工現場では構造部材に添付された取扱説明書に従って施工を進め、主要工程ではSE構法を定める品質基準を満たしているかをSE構法施工管理技士が厳しく管理します。

SE構法では、全棟が適切に施工されるよう、SE構法施工管理技士によって、施工状況の写真ならびに施工チェックシートによる「SE構法性能報告書」の提出を構造躯体完了後、14日以内に義務づけています。

SE構法施工管理技士の有資格者1名以上が在籍し、一定の技術水準を有する「SE構法登録施工店」のみがSE構法の建築を施工することができます。

 

SE構法の施工の全体プロセス

SE構法の施工の全体プロセス

SE構法施工の全体プロセスを、上記の画像の順に説明します。

  1. 基礎工事
  2. 基礎に柱脚金物をアンカーボルトで固定し、土台を配置します。
  3. 柱を設置します。主柱はドリフトピンを打ち込んで、全て柱脚金物で基礎にしっかりと固定します。
  4. 設置した柱に梁を組みます。
  5. 梁の組み込みは、梁のスリット部に金物を差し込みます。
  6. ドリフトピンを打ち込みます。
  7. 1 階の骨組み完成後、床の構造用合板を梁に直接打ち付け、水平剛性を高めます。
  8. 上階・小屋組へと柱と梁を組み上げていきます。
  9. 柱・梁のフレームの完成。全ての構造材を剛接合した強靭な躯体が、システム化された施工で正確に実現されます。

 

SE構法の施工の解説

SE構法の施工の解説

SE構法は一般的な工法と異なりますので、さまざまな施工管理技術が必要です。

 

<SE構法の基礎工事の解説>

SE構法の施工のポイントは「基礎」です。特に柱脚用アンカーボルトの施工精度が重要です。

SE構法の基礎の施工プロセスは下記です。

・遣り方・捨てコンクリートの施工

・アンカーベース・アンカーボルトの施工

・アンカーセッター・土台用アンカーボルトの施工

・コンクリートの打設

基礎の施工が精度高く仕上がれば、建て方自体はプレカットの精度が高いので、施工しやすいことがSE構法の特徴です。

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(基礎編)

 

<SE構法の木工事(建て方前)の解説>

大規模木造で円滑な施工を行うためには、事前の準備が重要になります。

SE構法の構造躯体の建て方に先行して行なう施工は下記です。

・柱脚金物の施工

・土台敷き

・梁受け金物の取り付け

・管柱用金物の取り付け

・大引金物の取り付け

SE構法は金物工法ですので、柱・梁のSE金物を先に取り付けた状態で建て方を行うことで、他の工法と比較して、施工性がよく、スムーズに上棟することができます。

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(木工事・建て方前編)

 

<SE構法の木工事(上棟、耐力壁の施工)の解説>

SE構法の上棟は、通常の木造と施工プロセスはほぼ同じですが、接合部にドリフトピンを打ち込みながらの作業となるため、施工性が高いです。

SE構法の上棟における施工は下記です。

・柱、梁の建て込み

・床合板、バルコニーの施工

・登り梁、垂木・野地板の施工

・耐力壁の施工

注意点としては、耐力壁の施工です。耐力壁の施工には構造図に釘ピッチなどが明確に指示されていますので、そうしたルールを遵守した施工が必須です。構造図、取扱説明書の内容通りになっているかを工事監理者、施工管理者としてご確認をお願いします。

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(木工事・上棟編)

 

SE構法の施工の注意点

SE構法の施工の注意点

SE構法では、施工基準に基づき、正確に施工を実施する場合は、設備開口を設けることができます。どうしてもこの施工基準に当てはまらない場合は、設計段階で個別に開口補強を検討し実施することも可能です。

SE構法の構造躯体や耐力壁への設備開口で主に注意する箇所は下記です。

・梁(側面、上下面)の穴あけ

・梁(上面)の欠きこみ

・柱の穴あけ

・耐力壁の穴あけ

・床の穴あけ

SE構法は構造躯体や耐力壁への設備開口の規定がありますので、取扱説明書の内容通りになっているかを工事監理者、施工管理者としてご確認をお願いします。

不適切な設備開口の箇所を発見しましたら、現場判断ではなく、必ずNCNへご相談の上、適切な開口補強を実施してください。

関連記事:耐震構法SE構法の構造躯体の設備開口ルールまとめ

 

SE構法における施工会社の選定

SE構法における施工会社の選定

SE構法の構造躯体を施工する場合には、以下の2通りの選択肢があります。

・元請けの施工会社が構造躯体を含めて施工する

・構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」

基本は、元請けの施工会社が構造躯体を含めて施工することですが、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の施工を主体とした建設会社では、大工さんがいないことやノウハウの不足により、木造の構造躯体の施工が困難なことがあります。

その場合には、構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」という方法もあります。

SE構法では、NCNと技術提携をした建設会社や工務店を対象とした「SE構法登録施工店」という制度があります。SE構法登録施工店には、必ず一名以上の「SE構法施工管理技士」という資格を持つ技術者がおります。

関連記事:SE構法の施工体制は「全て元請け」と「建て方施工」が選択できる

 

非住宅版SE構法構造性能保証制度

【業界初】非住宅版SE構法構造性能保証制度の概要とメリット

非住宅分野において、木造建築は全体における割合はとても少なく、請負金額が大きい非住宅建築は発注者、設計者、施工者が抱えるリスクも高くなります。

住宅業界においては、瑕疵担保責任保険制度が義務化されていますが、非住宅分野においては同様の制度は存在せず、建設会社のリスクが高い状況にありました。

 NCNでは、基礎まで含んだ、非住宅の構造品質を標準で担保する保証制度があります。

 

非住宅版SE構法構造性能保証の3つのポイント

業界初※の非住宅木造建築の基礎及び構造体を対象にした保証制度

②瑕疵保証金額最大1億円 瑕疵保証期間10年間

SE構法で建築された4階建て以下、3,000㎡以下の非住宅物件が対象

 

【非住宅版 SE構法 構造性能保証制度保証範囲】

・SE構法で建設された建物(基礎を含む構造耐力上主要な部分)

・住宅以外の用途

・4階建て以下

・3,000㎡以下

 

【保証期間】

・完成引き渡し後10年間

 

【保証適用】

完成引き渡しから10年間の間に、

主要構造部のたわみ・傾斜・ゆがみ等が発生した場合に適用となります。

(主要構造部:基礎・土台・柱・梁・耐力壁・床合板・野地合板)

 

【保証内容】

・構造部材についての瑕疵補償費:上限3,000万円

・NCN供給部材の瑕疵によって波及した

 建物の損害部分の補修費用:上限1億円(3,000㎡以下)

 

【SE構法構造性能保証の対象者】

・非保証者:SE構法登録施工店

・保証者:株式会社エヌ・シー・エヌ

 

【保証費用】

保証料:構造材費の1%をご負担にて10年間保証

例:構造材費1,000万円の場合、保証料10万円

(保証金額1億円の場合0.1%相当)

 

この構造性能保証によって、SE構法は構造設計から、材料調達、施工、さらには引き渡し後の構造性能保証までのワンストップサービスによって中大規模木造建築に取り組む設計者・施工者の皆様の課題解決をサポート致します。(SE構法登録施工店以外の皆様もSE構法はご利用可能です、お気軽にお問合せください)

非住宅版SE構法構造性能保証」のメリットは、建てる時から建てた後まで、構造性能面での安心・安全を実現できることです。

 

<発注者のメリット>

・木造建築に関する性能的なリスクを軽減できる

・保証に関する費用が少なく、保証を受けられる(実際の費用は施工者が負担)

・施設の利用者(テナント等)への安心・安全面の訴求にもつながる

 

<設計者のメリット>

・性能的なリスクが軽減されることで、発注者に木造建築を提案しやすくなる

・構造躯体の品質が担保されることで、設計が行いやすくなる

・工事監理面での負担が減る

 

<施工者のメリット>

・万が一の事態へのリスクヘッジになる

・自社の施工品質のプラスになる

・保証制度により、発注者に安心してもらえることで信頼感を醸成できる

前述した木造で計画する際に木造未経験の実務者が不安に思われることも、「非住宅版SE構法構造性能保証」制度をご利用していただくことにより、大幅にリスクを軽減していただけると考えております。

 

SE構法へのお問合せ、ご相談について

SE構法へのお問合せ、ご相談について

大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。

 

1.構造設計

SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。

 

2.概算見積り

SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。

 

3.調達

物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。

 

4.加工

構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。

 

5.施工

SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)

 

6.非住宅版SE構法構造性能保証

業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。

 

↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。

https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/

 

まとめ

SE構法の施工の仕組みが大規模木造に適している主なポイントは下記です。

・大規模木造は構造躯体が重要となるため、施工品質が重要である

・SE構法は確立された施工のシステムにより品質を担保しやすい

 

大規模木造においては、SE構法の構造躯体の強みを活かした構造設計により、コスト減、施工性向上を実現することができます。

SE構法は構造用集成材の中断面部材(柱は120mm角、梁は120mm幅)が標準なため、住宅と同等の部材寸法でスパン8m程度までの空間を構成できるコストパフォーマンスをうまく活用していただければと考えております。スパンが10mを超える空間は、特注材やトラス、張弦梁などを活用することも可能です。

計画段階からNCNの特建事業部に相談することで、木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談することで、合理的に設計実務を進めることが可能です。

 

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。