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家、三匹の子ぶたが間違っていたこと

【三匹の子ぶた vol.04】〜結局、耐震偽装とはいったい何だったのか?〜

あなたの家は「構造計算」されていますか?

結局、耐震偽装とはいったい何だったのか?

二〇〇五年一一月、国土交通省は「グランドステージ川崎大師」など首都圏のマンション二物件の実名をあげ、「建築基準法で求められる耐震強度の三〇%しか満たしておらず、震度五強の地震で倒壊するおそれがある」と、危険な状態にあることを説明した。これが姉歯元建築士に端を発する耐震偽装事件のスタートだった。

その後も数多くのマンションやホテル、オフィスビルなどの耐震偽装が見つかり、自分の家族や知人が住んでいるマンションは大丈夫なのかという不安が全国に広がった。

マンションを買うときには誰でもいろいろなチェックをするが、ほとんどの人が調べるまでもなく大丈夫だと思い込んでいた耐震性が問題になるとは、と晴天の霹靂だった。

日本では震度六以上の地震が阪神淡路大震災から二〇〇七年の一二年間で一五回も起こっている。

つまり一年に一回以上のペースで姉歯マンションが壊れていても不思議ではない。

当時のマスコミは耐震偽装マンションのことを「殺人マンション」と表現したが、プロの建築家や施工者がきちんとしてくれていると信頼していた「安全性」が根本的に覆された事実が、私たちに憤りだけでなく、恐怖も与えた。

さらに、幸せな未来を夢見て購入したマンションから退去を余儀なくされた人々に行政などからの救いの手はなく、二重ローンを抱えるしかないという冷然な現実も報道された。

マンションの年間新築数が約三〇万戸にものぼることを考えると、耐震偽装問題が大きな社会問題に発展していったのは当然だったろう。

耐震偽装事件は当初、マンションの事業主であるヒューザー、工事施工会社の木村建設、検査機関であるイーホームズ、構造計算を担当した姉歯建築設計事務所の組織ぐるみの犯行が、建築業界の隠蔽体質のなかで行なわれたのではないかと考えられた。

しかし、その後の捜査によって組織ぐるみの犯行ではなく、姉歯秀次という一建築士の仕業だったという方向に収束していった。

そして、一審の東京地裁は二〇〇六年一二月、姉歯元建築士に懲役五年、罰金一八〇万円という判決をくだした。

あの事件の結論がこれなのかという気さえするが、日本じゅうを揺るがせた事件は、一人の犯罪者がこうした形で罪を問われることでひとまず決着しようとしていることは間違いない。

それでも、この事件がもたらしたことは悪いことばかりではない。

それは、それまで「自分の住んでいる建物は耐震基準を満たしているか」などと思いもしなかった多くの人々が、耐震性に関心を持つようになったことだろう。 もう一つは、「構造計算」という専門家の間だけで使われていた言葉を一般の人も広く知るようになったことである。

実際、多くの人は姉歯の耐震強度偽装事件といえば「構造計算」という言葉を思い出すにちがいない。

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このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、
弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。

「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」

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単行本 213ページ 発刊:2007年11月 発行:ダイヤモンド社 →書籍のご購入はこちらから

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