家、三匹の子ぶたが間違っていたこと
あなたの家は「構造計算」されていますか?
姉歯建築士による耐震偽装事件により、マスコミは国の制度を厳しく批判した。
結果、国土交通省は、耐震偽装の再発を防ぐため建築基準法を改正した。建築確認を厳格にして構造検査などをダブルチェックする、検査機関の罰則規定を強化、建築士の名義貸しなどの禁止、建築確認審査期間を延長して時間をかけてチェックするといった対策が盛り込まれた。
要するに、チェックを厳しくしてミスを減らし、さらに途中で変更ができないようにした。
そして、間違いを見逃した場合には罰を課すことも決めた。こうして構造計算をされた建物にかけられた網の目は強化された。
しかし、建物の耐震性にとって不可欠であるとあれだけ報道された「構造計算」が、九七%以上の二階建木造住宅では行なわれていないことを知る人はほとんどいない。
事件当時、住宅評論家(名誉のために名前は伏せるが)とオープンセミナーで対談を行なった。住宅を七〇〇軒以上見学し、批評してきたというその住宅評論家は、構造計算の偽装とヒューザーのマンションについて熱く語っておられたが、木造住宅に話が及び「木造住宅には、構造計算書は付いていませんよ」という私の発言に、きょとんとして「初めて聞きました」とびっくりしていた。
構造計算のルールについては、住宅評論家でも知らないのが実態である。
姉歯事件後、ある木造住宅メーカーのホームページにこんな告知が出た。
当社は、「姉歯建築設計事務所」との取引は一切ないため、今回のような構造計算書の偽装というような事件は、ありえない事柄でございます。
当社の「○○ホーム」は、枠組壁工法(2×4(ルビ:ツーバイフォー)工法)の建物であり、その多くを占める二階建ての建物は、建築基準法に基づいた「国土交通省告示」による詳細な構造設計基準である「仕様規定」に則って自社で設計されております。
この「仕様規定」は、「これに基づいて設計された建物は、国の定める安全基準に合致しており、個別の構造計算に拠らず、壁量チェックにより、構造上の安全が充分確保できる」という規定でございます。(原文のまま)
詳細な構造設計基準である仕様規定というくだりには、少々苦笑いであるが(その理由は読み進んでいただければおわかりいただけると思います)、当時の木造住宅業者の姉歯事件対策は、「うちでは耐震偽装なんて絶対にしていません。だって構造計算なんてしていませんから……」というものだった。笑えない事実である。
高い耐震性能と自由で大胆な空間デザインを両立する、耐震構法SE構法です。SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。