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【コウゾウノハナシ vol.04】〜格子の美学〜

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【コウゾウノハナシ vol.04】〜格子の美学〜のインデックス

建築デザインと構造

〜格子の美学〜

大阪・東京海上ビルの構造設計で松井源吾賞を受賞したとき「斜めの部材は使いたくない」とインタビューで答えてしまい、その後、そういうイメージが定着してしまったようだが、一般論として、斜めを嫌っているわけではなく、構造デザインにはある種の”こだわり”が必要だというのを表現したかったからに他ならないことを、ここで訂正しておきたい(これで少しは気が楽になったような気がする)。
 言い訳はこのぐらいにしておいて、この高層建築をミースのシーグラムビルを引き合いに出して、新理論主義と位置付けた評論家がいる一方で非合理主義だという人たちもいる。確かに、このビルは、平面でみる限り、機能主義的な構成の建築だが、外壁から少し離れた格子は、見方によって非合理にも思える。
しかし、構造的な視点でみる限り、広大な無性空間のオフィススペースと足元の三層吹き抜けを実現するためのシステムとしては合理的な回答の1つだと考えている。ここで用いた組柱は、柱と梁(はり)の対比を調和させながら、大スパンと三層の吹き抜けを同時に解決できる手段であることは、大空間の架構を手がけたことのある設計者なら当然もっている知識である。

ここで、ラチス的な斜材を用いなかったのは、構造として耐震的なダクティリティ(復原力)が確保できることと、格子ですべてを構成したいという美的なこだわりが、頭の中から離れなかったからである。しかしながら、組柱を内部空間に持ち込めば、機能が阻害されるのは明らかである。そこで、組柱を外部に露出することにしたが、空間的な非合理性と力学的な合理性が衝突することになった。
建築には機能と技術の合理性のほかに、もう1つの大切な要素としてデザインがあると思う。建物を特徴づける立体格子のデザインは、柱と梁で構成されるプロポーションの美しさと立体格子が創りだすリズムのドラマチックな空間効果にあって、大阪ビジネスパークに、未来的な表情を創りだすと確信していた建築家、押野見氏との合意によって生まれた。

デザインの価値をどのように感じるかは、人によって違うだろうが、デザインと構造の融合は、いつも建築的難度の高いテーマである。

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