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家、三匹の子ぶたが間違っていたこと
【三匹の子ぶた vol.10】〜構造計算で防げる「半壊」の悲劇〜のインデックス
地震からしばらく経ってからの朝日新聞の見出しである。
2007年3月25日 9時42分、石川県能登半島沖の日本海でマグニチュード6.9の地震が発生した。能登地方では、1993年2月にもマグニチュード6.6、最大震度5の地震が発生しているが、今回のはそれ以上で、石川県で震度六を記録したのは気象庁の観測開始以来初めて。隣の富山県でも震度五を記録しているが、これは実に77年ぶりのことだった。全壊家屋は約600棟、半壊・一部破損は約15,000棟。死者1人、負傷者は300人以上だった。
専門家の予想ほどには倒壊家屋が多くなかったため、マスコミも含めて「能登の被災地域のその後」の報道はあっという間になくなった。
しかし、私は被害状況を見て、半壊・一部破損が約15,000棟もあったことに注目した。
一般的には全壊、半壊と聞くと、全壊はぺしゃんこに壊れたか、いまにも倒れそうで到底住めない状態、半壊は多少は壊れていても補修すれば以前のとおりになんとか住みつづけられるように思われているようだ。2001年6月に改定された被災住家の被害認定基準でも、全壊は「住家が滅失したもので、具体的には住家の損壊、焼失若しくは、流失した部分の床面積がその住家の延床面積の70%以上に達した程度のもの、または住家の主要構造部の被害額がその住家の時価の50%以上に達した程度のものとする」とされている。
また半壊は「住家の損害がはなはだしいが、補修すれば元どおりに使用できるもので、具体的には損壊部分が、その住家の延床面積20%以上70%未満のもの、または住家の主要構造部の被害額がその住家の時価の20%以上50%未満のものとする」となっている(傍点筆者)。
しかし、実際は違う。「全壊」でも「半壊」でも建て直さなければならないのである。実はそのままでは生活できないのだ。命は助かったかもしれないが、その後の生活は全壊家屋と同じことになる可能性が高いのである。だから、自宅を「半壊」と判定された被災者が「全壊」と認定してもらうために再検査を申し出るといったことが起こるのだ。
構造計算をして建てた木造住宅であれば、震度6程度の揺れが来たとしても半壊を免れることができる。中越地震と中越沖地震の被災地には、私たちが構造計算をして確認した二階建て木造住宅が約一五〇棟あるが、中越地震でも中越沖地震でも全半壊はゼロだった。地震での変形もわずか200分の1以内(計算の想定)で収まっている。これは決して偶然ではない。後述の構造計算の説明のところでも触れるが、構造計算をしていれば全壊家屋数はもちろんのこと、半壊もなくなり、居住が可能になったことは間違いない。
全壊でも半壊でも、被災して家をなくした人たちの復興はそれほど簡単ではない。ちょうど姉歯事件でマンションを退去しなければならなかった人たちの苦悩と同じ問題が起こるからである。
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株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、
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