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家、三匹の子ぶたが間違っていたこと
【三匹の子ぶた vol.30】〜新しい建築構法、「SE」の誕生〜のインデックス
そんなある日、知人の建築家が頼まれた個人宅の設計について相談を受けた。施主は、木を使い、明るく開放的な住まいを希望していた。ただし、敷地はそれほどない。
播氏は、木の特徴と日本の木組みを生かしながら、地震に強い家をつくるにはどうしたらよいかと悩んだ。出した答えは、集成材を使うことと、材と材の接合部にこれまでにない工夫をすることだった。
当時、集成材は大型の建造物に使うことはあっても、普通の住宅に使うことはほとんどなかったが、この新しい木材を個人宅に使うことで耐震性を確保できると考えたのである。 材と材の接合部については、何枚もイメージスケッチを描いて検討を重ねた。ポイントは、金物を使いすぎずに、構造的に優れ、施工に際してもいかにシンプルで効率的なものにできるか、またデザインとしてもいかに美しいものに仕上げるかであった。
最終的に、播氏は楔(くさび)の原理を応用し、ドリフトピン(ボルトの替わりに用いる先がやや細くなっている鋼鉄の棒)を打ち込むことで柱が引き寄せられる仕組みに行き着いた。この接合法は、一九九七年に建築基準法第三八条の一般認定を取得している。 阪神淡路大震災から二年、播氏の出した新しい日本の木造住宅への答えだった。 この建物の構法は後に多少の修正が加えられ、SE構法として完成する。SEとはSafety Engineeringの略である。まず「安全」であること、それは住まいが住まいであるために絶対に欠かすことができない条件である。 日本人はほとんどが安全な木造住宅を望みつづけてきたにもかかわらず、それを実現するための科学に裏づけられた技術は十分に開発されてきたとはいえなかった。その欠落を埋めたのがこの木造住宅だったともいえるかもしれない。さらにいえば、戦後、木造が否定され、ほとんどの建築物がRC(鉄筋コンクリート造)、SRC(鉄骨コンクリート造)になったために技術の進歩から取り残された木造住宅が、本来のあるべき姿になったということであろう。播氏は、この構造を「木骨構造」と名づけた。「木造でも鉄骨に負けない強さを持った家」、構造建築家としての真骨頂である。播氏は確かに新しい日本の住宅をつくり出したのだ。
SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。
株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、
を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)