家、三匹の子ぶたが間違っていたこと

【三匹の子ぶた vol.28】〜新しい木材「集成材」と大型木造建築〜

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あなたの家は「構造計算」されていますか?

〜新しい木材「集成材」と大型木造建築〜

6,434人もの死者を出した阪神淡路大震災後、多くの建物の研究者や専門家が神戸の町を訪れた。その一人に構造建築家の播繁(ばんしげる)氏がいた。1936年生まれの播氏は、日本大学理工学部建築学科を卒業後、鹿島建設に入社。構造設計者として、霞が関ビルをはじめ、赤坂プリンスホテル、東京お台場のフジテレビ本社ビルなど数々の超高層ビルの建設や国技館、松本グローバルドームなどの大型施設に関わってきた。日本の構造設計の第一人者である。
1992年に播氏は島根県の「出雲ドーム」を手がけている。直径140.7メートル、高さ48.9メートル。ガラス繊維をテフロン加工した耐候性のある膜で覆われた屋根を支えるために使ったのは木材であった。木と鉄骨のハイブリット構造だが、柱なしで実に直径140メートルの大空間を実現し、日本の木造建築の規模を一気に拡大させた建築例として有名になった。戦後初の木造ドーム施設であり、当時、世界最大級の木造建築物といわれた。

こうした実績を買われ、長野オリンピックの開催が決定されると、播氏は後に「エムウェイブ」と呼ばれることになる記念アリーナの構造設計を任されることになる。このアリーナのコンセプトは、山のつらなり、木の香り、カラマツの林といった長野の自然の豊かさと、日本らしいテクノロジーであった。そこで、信州カラマツの集成材を使うことが決まった。 木材を使った大規模建築を建てるためには、材によるばらつきが少なく、安定した強度が保証される必要がある。無垢の木材は、その材によって下手をすると4倍、6倍もの強度の差がある。これではとても実用として使えない。なにより建物全体の構造計算が成り立たない。その点、複数の板材を張り合わせて加工した集成材であれば、どの材も安定した強度が保証されているために安心して使えるのだ(図表1‐17)。

また、耐火性能についても一定の評価があり、建築基準法でも集成材の耐火性は認められている。特に、1983年に日本集成材工業協同組合に建築基準法第38条の特別認定が下ったことで、集成材は木の質感を保ちながら、性能をアップさせた「新しい木材」として普及しはじめたのである。 巨大なアリーナの建設には、大量の集成材が必要になる。それを一手に引き受けたのは、1960年代から集成材の研究に取り組んでいた、業界のパイオニアであるセブン工業であった。セブン工業はエムウェイブのために専用のラインをつくり、社をあげて対応した。 そして、エムウェイブを建設中の1995年1月17日に阪神淡路大震災は起こったのである。

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