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地震と住宅の新常識

耐震シミュレーションとは?本当に地震に強い家かどうか検証する方法

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耐震シミュレーションとは?本当に地震に強い家かどうか検証する方法のインデックス

地震と一口に言っても、さまざまな揺れ方をするもの。その多様な揺れに対して、自分の家が本当に安全かどうか、不安に思ったことはありませんか?「耐震等級や新耐震基準を満たしているから大丈夫」と思っていても、実際の地震では予想外の被害が出ることがあります。

そこで注目したいのが「耐震シミュレーション」です。コンピューター上で実際の地震波を再現し、建物の挙動を細かく分析できるこの技術を使えば、あなたの家の本当の耐震性が明らかになります。この記事では、耐震シミュレーションの仕組みや重要性、そしてそれを活用することで得られる安心感について詳しく解説します。家づくりを考えている方は、地震大国日本で安全に暮らすためにもぜひお読みください。

耐震シミュレーションとは?

耐震シミュレーションとは、地震の揺れを再現することで、建物がどのような挙動を示すか確認する技術です。実際に設計された建物を、さまざまな地震波に入れてコンピュータ上でシミュレーションすることで、地震によって建物がどのような揺れ方や壊れ方をするか解析できます。

従来、地震が建物に与える影響を知るために行われていたのは、振動台実験。本物の地震の揺れ方を再現できる装置を準備し、そこに実物大の建物を乗せて揺らすことで被害を見る方法です。決して悪い方法ではありませんが、大型の装置が必要で、莫大な費用や労力がかかっていました。

ところが耐震シミュレーションを使えば、パソコンの中で振動台実験のように建物の挙動を確認できます。過去に起きた地震、これから想定される地震などさまざまな地震動で実験できるのもメリット。自分がこれから建てようとしている建物が、本当に地震に耐えられる可能性があるのかどうか、何パターンものシチュエーションで確認できるのです。

地震の脅威は「揺れの大きさ」だけでは測れない

大きな地震が発生した際、建物に甚大な被害が生じることは、誰もが容易に想像できます。しかし、地震被害の規模を決定づけるのは、単に揺れの強弱のみではありません。

地震の揺れには多様な特性があり、その周期や方向などによって、建物への影響が大きく変わってきます。多様な揺れ方があるからこそ、耐震シミュレーションで多角的に検証することに重要な意味があるのです。

「揺れの周期」によって影響を受けやすい建物が変わる

地震の被害の大きさを左右する要素の一つに、「揺れの周期(1往復する時間)」があります。

例えば、東日本大震災では、周期が長くゆっくりとした揺れが生じました。ゆっくりとした揺れの影響を受けやすいのは、高層ビルのような高さのある建物。長周期地震動は高層ビルを大きく揺らすし、家具の転倒やエレベーターの故障などの被害につながりやすいと言われています。

一方、阪神大震災や熊本地震では、小刻みな揺れが発生したと言われています。このような速い揺れによるダメージを受けやすいのが、戸建て住宅のような低い建物。短周期の中でも1〜2秒周期のものは「キラーパルス」と呼ばれ、危険視されています。これから懸念されている首都直下型地震のような直下型地震でもキラーパルスが生じやすいと言われており、戸建て住宅を建てる際には注意が必要です。

「共振現象」でどんどん揺れが増幅される

ここで注目したいのが「共振現象」。「地震の揺れの周期」と「建物の固有周期」が一致することで、建物の揺れが増幅される現象です。建物は高さや重さなどで揺れるリズムが決まっており、その固有周期と地震の周期が一致すると揺れが大きくなります。

共振現象をイメージしやすいのが、公園にあるブランコの揺れ。ブランコが揺れるタイミングに合わせてこぐと、どんどん揺れが大きくなります。これが地震と建物でも起きているというわけです。

低層の建物は固有周期が短く、高層の建物は固有周期が長くなっています。そのため先述した通り、戸建て住宅は小刻みな地震で、高層ビルはゆっくりとした地震で大きな被害が出やすいのです。

「揺れる方向」によって建物への影響が変わる

地震波は「横方向(X軸)・縦方向(Y軸)・上下方向(Z軸)」の3つの揺れが組み合わさったもの。この立体的な揺れに対して、構造物がどのように振る舞うのかも考えなければなりません。

例えば、地面に対して垂直方向に大きく揺れる場合、建物を突き上げるような力が働くため、土台から柱が外れるなどの被害が予想されます。揺れの大きさによっては、食器棚が下から突き上げられて、中身の食器が破損するなどの被害もあるかもしれません。直下型地震では、初期微動がほとんどないまま突然大きな縦揺れがくるという特徴があります。

一方、地面に対して横向きに揺れた場合、建物の倒壊が起きやすいと言われています。なぜなら建物を構成している柱が、縦よりも横からの力に弱いからです。柱が破損すれば、建物の倒壊にもつながりやすくなります。家具の転倒なども、横向きに揺れた方が起きやすいでしょう。

耐震シミュレーションの実験結果を見る

 

ここからは実際に、耐震シミュレーションの結果を見てみましょう。今回は「在来工法」と「SE構法」という2種類の木造住宅の工法で比較しています。どちらも耐震等級2で設計していますが、2016年4月に発生した熊本地震の地震波データに入れたところ、大きな違いが見られました。

熊本地震は、震度7の大きな揺れを2回繰り返したのが特徴です。左の在来工法を見ると、動画の冒頭では1階にも筋交いが多数設置されていましたが、揺れによって次々と壊され、画面上の表示が消えたのが分かります。その後、大きな縦揺れがきた際に柱も破壊され、最終的には建物が大きく崩れました。

実際に熊本地震では、新耐震基準や耐震等級2の木造住宅でも倒壊したケースがあったと報告されています。一方、SE構法の木造住宅では、これまで倒壊・全壊・半壊などの被害は受けていません。

在来工法とSE構法ではなぜ地震への強さが違うのか?

耐震シミュレーションの結果、同じ耐震等級の木造住宅であっても、在来工法とSE構法では地震への強さに大きな差があることが判明しました。その理由は一体なんなのでしょうか。

在来工法とは?

在来工法とは、日本で昔から採用されている木造住宅の工法です。柱や梁などの骨組みを組み上げますが、柱や梁を繋ぐ接合部は「ピン接合」という一体化せずに留める方法なので、そのままでは横に揺らすと変形してしまいます。そこで、柱と柱の間に「筋交い」という斜め材をつけることで、つっかえ棒のように耐震性を高めます。

SE構法とは?

SE構法とは、在来工法と同じように柱や梁などの骨組みで作る木造住宅の工法です。在来工法と違うのは、柱や梁の接合部が「剛接合」で強固に繋がっていること。丈夫なフレームで支えるので、筋交いを入れず、少ない耐力壁のみで耐震性を確保することができます。

SE構法なら「耐震性」と「開放感」が手に入る

SE構法の特徴は、柱から柱までの間隔を広くとれること。大空間や吹き抜け、大開口、広いガレージ、スキップフロアなど、自由度の高い間取りが叶います。在来工法では筋交いが入った耐力壁を増やすことで耐震性を向上させますが、壁一枚あるだけで明るさや開放感が損なわれてしまうことも少なくありません。理想通りの開放的な空間を実現しながら、地震への強さも諦めなくて良いというのが、SE構法の魅力です。

SE構法はすべての建物で「構造計算」を実施している

そして地震への安心感という意味で注目したいのが、SE構法ではすべての建物で「構造計算」を実施して安全を確認していること。構造計算を実施するのは当たり前と思うかもしれませんが、実は大半の在来工法の木造住宅では構造計算が行われていません。簡易的な壁量計算などの仕様規定のみをチェックすれば建築できるルールになっているのです。壁量計算では建物の自重・積載荷重・積雪荷重については考慮されておらず、地震発生時に各部材にどのような力がかかるかも検証されていないため、安全度としては疑問が残ります。

構造計算を実施するには、すべての部材の品質が確認できている必要があります。木材は鉄骨やコンクリートに比べてバラつきが大きいのですが、SE構法ではすべて強度が確認された部材を使うことで、全棟での構造計算を実現しています。

耐震シミュレーションで本当の安全性を確認できる

新耐震基準を満たしていても、大地震によって被害を受けてしまう住宅は珍しくありません。日本の耐震の最高ランクである耐震等級3でも、建て方によって安全性は異なります。やはり耐震シミュレーションや構造計算によって科学的に安全性を確かめた上で、安心して暮らせる住まいを実現するのがおすすめです。

SE構法の耐震シミュレーションは、実際の住宅の図面ひとつひとつを実際の地震波のデータに入れて、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、能登地震などを元にシミュレーションできるシステムです。今から建てる家が本当に安全なのかを確認できるので、大きな安心感に繋がります。

高い耐震性能と自由で大胆な空間デザインを両立する、耐震構法SE構法

SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。

SE構法とは…

株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、

  • 木造でありながら地震に対する安全性
  • 壁や柱が少ない室内での「大空間」
  • 大きな窓を採用し光を取り入れる「大開口」

を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)

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