当ウェブサイトは、サービス向上の目的のためCookieを利用しています。
Cookieの利用に同意していただける場合は、同意ボタンをクリックしてください。
閲覧を続ける場合には、同意していただいたものといたします。
地震と住宅の新常識
寒さに負けないリビング階段の作り方|快適で暖かい住まいへの工夫とはのインデックス
近年の住宅設計において、開放感や家族とのつながりを重視する家庭が増えています。その中でも「リビング階段」は人気の間取りの一つです。しかし、リビング階段は快適な反面、「寒さが気になる」と感じる方も少なくありません。
この記事では、リビング階段の特徴やメリット、寒さ対策の具体的な方法まで詳しく解説します。快適で暖かい住まいづくりの参考にしてください。
出典:重量木骨の家「黒が際立たせるスタイリッシュな家[中庭のある家] より」
リビング階段とは、リビング空間の中に設置された階段のこと。以前は玄関先のホールに設置されるホール階段が主流でしたが、近年は家族とのふれあい時間を増やしたい家庭を中心にリビング階段が人気を集めています。
リビング階段はリビングを通って2階に行く動線のため、家族間で自然と顔を合わせたり声かけができたりするのが特徴です。また、階段がリビングの一部になることで、空間に奥行きや開放感が生まれ、実際の広さ以上に広々と感じられます。
ここでは、リビング階段が与えるメリットと、寒く感じる理由を解説します。
リビング階段には、以下のようなメリットがあります。
・開放感のある空間づくりができる
・インテリアに溶け込む
・階段下を活用できる
・動線がスムーズになる
・家族間のコミュニケーションが取りやすくなる
開放感のある空間演出や家族間のコミュニケーションが取りやすくなるのは、家づくりにとって欠かせない要素です。インテリアの一部と考えてデザインすれば、住まい全体のおしゃれ度が高まります。
2階に行く際、リビングから廊下や玄関に出なくて済むため、家事動線や生活動線がコンパクトになるのもメリットの一つ。階段下に棚やカウンターを設ければ、収納や作業スペースとして有効活用もできます。
一方で、リビング階段のある住まいは「冬場の寒さが気になる」という声も挙がっています。大きな原因は壁で仕切られていないため、暖房の熱が階段から逃げやすいこと。空気の性質上、暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降します。
そのため、リビングで暖房をつけて温められた空気は階段を通じて2階へ。代わりに2階の冷たい空気が階段を伝ってリビングに降りてきます。これにより安定した室温を保てず、暖房をつけても「なかなか温まらない」「足元が冷える」と感じやすくなります。
また家全体の断熱性・気密性が低いことも原因の一つです。外気の冷たさが外壁や窓を伝ったり隙間から入ったりすると同時に、暖房の熱も外に逃げてしまいます。特に吹き抜けとリビング階段の組み合わせは開放感がありますが、上下の温度差が大きくなりやすいデメリットがあります。
リビング階段を設置するなら、寒さ対策を行うことも大切です。ここでは、手軽にできる寒さ対策をご紹介します。
エアコンの暖房効率を下げないためにも、階段からの冷気を遮断することが大切です。冷気が室内に流れ込むと、エアコンが余分に稼働して電気代が上がる原因にも。リビング階段の手前に以下のようなアイテムを設置すると、冷気の流入・暖気の流出を抑えられます。
・厚手のカーテン
・ビニールカーテン
・アコーディオンドア
・簡易スクリーン
費用を抑えつつ寒さ対策をしたい場合は、カーテンの取り付けが良いでしょう。簡単に開け閉めもできるため、不便に感じることはないでしょう。
より冷気を遮断したい場合は、アコーディオンドアや簡易スクリーンの設置を試してみてください。カーテンよりも隙間が生まれにくくなるため、気密性が高まります。
どれもDIYで取り付け可能のため、「冬場だけ間仕切りたい」というケースにおすすめです。
リビングの暖房効率を高めることも効果的な寒さ対策です。暖かい空気は上にたまりやすいため、サーキュレーターやシーリングファンなどで空気を循環させると、温度差が小さくなります。リビングの暖気が2階に逃げないように、階段のステップや踊り場にサーキュレーターを置いてリビングに向けて回すのもおすすめの循環方法です。
また2階の暖房をつけて、上下階の温度差を小さくするのも手段の一つ。冷気の流入が軽減され、リビングの寒さが和らぎます。
出典:重量木骨の家「【和歌山市】光・木とつながる、心地よさが立体に広がる吹き抜けの住まい 」
根本的に寒さを解消したい場合は、住宅の構造や間取り、設備を見直してみましょう。気密性や断熱性が低い家では、冷気や暖気が出入りしやすいもの。性能を高めれば冷気が入りにくく、暖気が逃げにくくなるため、寒さが改善されるはずです。
家の寒さ対策として注目されているパッシブデザイン。太陽の光や熱、風など自然の力を積極的に活用しながら、快適で省エネな住まいを作る設計手法です。
例えば、冬は南向きの大きな窓から太陽の光を取り入れて室内を暖め、夏は軒や庇で日差しを遮ることで室温上昇を抑えます。リビング階段の寒さ対策でも太陽熱をうまく取り込むことで、階段を通じた上下階の温度差をやわらげる効果が期待できます。
また高性能な断熱材を適切に施工すると、外の冷気を遮断し、室内の暖気を逃がしにくくすることも可能です。パッシブデザインは、機械設備に頼りすぎず自然の力を活かすため、長期的にみても光熱費の削減や環境負荷の軽減につながります。リビング階段の快適性を高めつつ、健康的で経済的な暮らしが送れるでしょう。
間取りや設備を工夫することも、リビング階段の寒さ対策に有効です。まずはリビング階段の位置に注目してみましょう。
例えば、玄関や外壁に面する位置に設置すると冷気の影響を受けやすくなるため、家の中心部に配置するのがポイントです。吹き抜けの大きさも適切に設計すれば、冷暖房の効きが大幅に悪くなることはないでしょう。間取りの関係上、中心部に配置できない場合は、階段の手前に引き戸を設けるのも手です。
設備面では、リビングに床暖房を導入すると、足元に流れる冷気が軽減されるでしょう。足元から部屋全体を均一に暖めてくれるため、リビング階段を設けても温度差が生じにくくなります。
また樹脂サッシやペアガラスなどを採用して、熱の影響を受けやすい窓の断熱性能を高めるのも効果的です。間取りと設備の両面から見直すことで、リビング階段のデメリットをカバーし、快適な住まいになります。
寒さ対策を構造レベルで解決したい方におすすめなのが「SE構法」です。SE構法は、木造でありながら鉄骨並みの強度と高い気密性、自由な間取り計画が実現できる先進的な建築技術です。
柱や梁に高強度集成材を使用し、構造計算に基づいた緻密な施工で気密性を高め、隙間が生まれにくい構造が実現できます。隙間のない構造は冷気の侵入や暖気の漏れが少なくなるため、リビング階段を採用しても快適な室温を保ちやすくなります。
ここからは、実際にSE構法で建てられたリビング階段のある住まいをご紹介します。SE構法だからこそ叶えられた開放感たっぷりのリビング階段をご覧いただき、家づくりの参考にしてください。
現しの梁を活かした美しい勾配天井と、吹き抜けのリビングが印象的な住まいです。リビング階段を中心にデザインすることで、上下階の一体感が誕生。
どこに居ても家族の気配を感じられる、温かな暮らしが実現しました。家族の声も聞き取りやすい間取りのため、起床時の「おはよう」や帰宅時の「おかえり」、2階で遊ぶ子どもたちの声も優しくリビングに響きます。
開放感があるだけではなく、洗練された空間に仕上げられているのもポイント。木質感とモダンさを絶妙に融合させ、住まい全体の雰囲気を引き上げています。
吹き抜けに設置された天窓から差し込む自然光とパッシブデザインの工夫により、冬でも日射熱をうまく取り入れた暖かい住まいです。LDKのテイストに合わせて白×ナチュラルな木材でリビング階段を構成することで、インテリアに溶け込む洗練された存在に。
リビングダイニングから階段全体がよく見えるので、階段で読書をしたりお話ししたりする子どもたちの様子を見守れるのはうれしいポイントです。開放的でありながら、視線の抜けや空気の流れも考慮された設計により、家全体が心地よい温度と光に包まれています。
重量木骨の家「お日様の恵みに包まれる 天窓から光差し込むパッシブデザインの家」
2階LDKの中央部分に配置した、こちらのリビング階段。まるで住まいの主役であるかのようにたたずむ、印象的な仕上がりです。
LDKの中央部分に配置したことで、階段まわりをぐるりと移動できる回遊性の高い間取りになりました。これにより「くつろぎのスペース」「だんらんのスペース」「趣味のスペース」へのアクセスがスムーズに。
またリビング階段の安全性とインテリア性を両立させるために、片側は壁、もう片側は柱とクリアパネルで構成しています。片側を壁にすることで、LDKをゆるく区切っているのもポイントです。
重量木骨の家「リビング階段が特徴的な南向きの都市型パッシブハウス」
つながりを育む住まいづくりにぴったりのリビング階段。家族のコミュニケーションが生まれやすく、開放感のあるおしゃれな空間を実現できる人気の間取りです。冬場の寒さが懸念点ではあるものの、手軽にできるカーテンやサーキュレーターの活用から、SE構法で住宅性能を根本から高める家づくりを行えば、快適な住まいが実現します。
ぜひSE構法で家全体の気密性を高めて、心地よいリビング階段を取り入れてください。暖かい空気感に包まれるリビングで、家族団らんの時間を過ごしましょう。
SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。
株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、
を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)