「駒込ガーデンテラスD棟」は、東京都北区に建つテラスハウスだが、その立地環境に特徴がある。もとは、JRの貨物線が走っていたトンネルの上部に位置する土地で、旧国鉄時代には社宅が建てられ、民営化以降も継続使用されていたという。その後使われなくなったが、数年後リノベーションされ、賃貸物件として稼働している。A棟からH棟までの8棟のうちD棟のみが解体されて更地になっていたことから、今回の新築となった。
設計は、8棟のうち、4棟をリノベーションしたOpenA+東京R不動産チームが担当。敷地条件は、トンネル上部であることから積載荷重が2t/㎡以下とすることに加え、埋蔵文化財で遺跡が認められたため地盤を深く掘ることが出来ず、構造は自動的に木造を選択することとなったが、構造上の制限がなく、空間の自由度を確保できるという理由からSE構法が選ばれた。
D棟はA、B2タイプの全5戸。両タイプとも南北を開き、風の通りをよくする工夫が施されており、1階はLDK、2階は個室と水回りというつくり。2つのタイプで違うのは、個室の仕切り方で、Aタイプは引き戸で完全に個室になり、Bタイプは布で柔らかく仕切るというところだ。それぞれに、狙う顧客層はAタイプは小さい子供が居るファミリー層、BタイプはDINKS向けというふうに想定した。
住戸配置を反転するようにしたことで、水回りが集約されるというメリットがあるが、それだけではなく、SE構法ならではのメリットとして、軸組の位置が揃うため柱の本数を減らすことが出来、コスト削減にもつながった。
設計
株式会社オープン・エー / https://www.open-a.co.jp/
SE施工
渡邊建設株式会社 / http://watanabe-kensetsu.co.jp/