JR大阪環状線、天満駅のほど近く、日本一長いアーケードの商店街として知られる天神橋筋商店街。ここに株式会社シンプルハウスの本社があり、このたびその向かいに建築されたのが「みのやビルヂング」だ。当建物はシンプルハウスが設計施工を請け負った賃貸用の店舗建築であり、現在は同社がまるごと一棟を借りている。
シンプルハウスの前身は小売店で、そこからリノベーション、不動産仲介、買収再販業務と事業が拡大して今に至る。つまり小売業から、顧客のライフスタイルのサポート業務がメインとなっているわけだが、「みのやビルヂング」も将来的な変化を視野に入れた設計となった。
躯体は、数十年後でも間取りを変えることができるSE構法を採用。これにより、建物の使用目的そのものを変えることができる。また今後、上下階を別々で賃貸する可能性もあることをふまえ、商店街の通りから直接2階へアクセスできるルートも確保した。
現在の玄関は、正面にアルコーブを設け、土間空間を経てフローリングの店内へ導くかっこうで住宅のような演出だ。2階は梁や設備機器などの小屋組みが「現し」の仕様。これはリノベーション時に躯体を見せて仕上げる要望が多いことから、実際に顧客に体験してもらうためのモデルにもなっている。
日々変化していく人々の住まい方、使われ方に対応する柔軟性をもたせた「みのやビルヂング」は、顧客のニーズにこたえ続けて進化してきた同社らしい一事例だ。
設計・施工
株式会社シンプルハウス / https://www.simplehouse.co.jp/