
無印良品が扱うほぼすべての生活基盤商品が陳列できるという店舗「無印良品 日田」が、大分県日田市の商業エリアに完成した。近隣にショッピングモールがオープンし、今後の賑わいが期待されている。

店内は柱と梁の構造躯体や配線器具などがあらわしとなり、まるで木々がそびえる森の中にいるよう。木造ならではの温もりと開放感のある空間が実現した。設計施工を担当したグループ会社のMUJI HOUSEが、2023年に農林水産省と「木材利用拡大に関する建築物木材利用促進協定」を結んでおり、その理念が反映された形である。

日田店は、ゼロ・エネルギー住宅である「ZEH」の非住宅建築版であるネット・ゼロ・エネルギー・ビル、「ZEB(ゼブ)」を取得。木造としたことで、同サイズの鉄骨造店舗に比べて建設から撤去までのライフサイクル全体で比較すると、CO2排出量を35%ほど削減できるという。さらに、屋上に設置した太陽光発電パネルで自家発電ができ、年間消費電力の約5割を自然エネルギーでまかなう設計となっている。


また、単なる省エネ店舗の枠を超えて、地域の人々が安心に過ごせる大規模災害時の支援施設としての役割も担う。SE構法による耐震性の高い空間、充電ステーション、マンホールトイレの提供場所として機能する予定だ。さらに無印良品の商品でもある「かまどベンチ」を地元の小学生と設置するワークショップを開催するなど、地域と共にある店舗を目指して歩みを進めている。