近年、平屋の需要が高まっている。リモートワークが浸透し、働く場所が自由になったことでのびのび暮らせる郊外の平屋へ住み替えを希望する子育て世帯や、バリアフリーを希望する高齢世帯など、暮らしの実情に合わせて平屋が選ばれることが多くなっているようだ。
icocochiのコンセプトハウスが位置するのは、JR高崎駅から北に6kmほど離れた住宅地域だ。このエリアは子育て世代に人気の桜山小学校の学校区であるため、本校に通わせたい教育熱心な親たちが集まってきたらしい。いわば潜在的な施主である彼らは、住まいに対する理解や認識も高く、内覧会に訪れる際も予習を欠かさないという。
icocochiは平屋においても全棟SE構法を採用している。こちらのモデルハウスにおいては耐震性を担保することはもちろん、一般的な住宅の規格を超える大空間と可変性のある間取りを意識し、潜在顧客への納得を促した。
敷地は南側に接道し、建物は駐車場と庭を囲むL字型。玄関を入ると南側にサロンと名付けられたアルコーブを経て、LDKへと入っていく。サロン、リビング、テラスは同じタイル貼りとし、ダイニングのフローリングと区別することで、現代の土間として使い方の自由度を上げた。LDKの天井高は4mで、広さは約6.4m×6.45mという柱のない大空間で、必要に応じて複数の個室を区切ることができる。のびのびした雰囲気と機能性・デザイン性を実現させた住まいが完成した。