地球温暖化の影響を受け、住宅にもSDGs(持続可能な開発目標)に適応することが求められている。現在、年間の一次エネルギー消費量をプラスマイナスゼロにする基準をクリアしたZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が普及するなか、さらにその上位概念としてLCCM住宅(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅)が登場し、一般住宅でも新基準として注目されている。
LCCM住宅とは、居住中のエネルギー消費に加え、住宅の建築から解体まで家の一生を通して、CO2排出量をマイナスにすることを目指す住宅のことである。そのため住宅自らエネルギーを作れること、断熱・機密性が高く冷暖房のエネルギー負荷が少ないこと、長寿命かつリサイクル可能な素材を使うことなどの厳格な基準が定められている。
ビーコンワークス株式会社が新築したモデルハウスは、そのLCCM住宅を具体化したものである。一見オフィスのようにも思える箱型は、代表取締役の坂井さんが最も合理的だと考える形態で、高性能であるからこそ「玄関のすぐ隣にリビングがある」という柔軟な間取りが実現したといえる。また、コロナ禍を経た暮らしに合わせ、マルチスペースやサウナ室が備わり、インテリアは総合的にコーディネートが可能な「trip」という自社取り扱いブランドでまとめられた。このモデルハウスは、耐震性・省エネ性・デザイン性を高水準で実現しており、今後主流となっていくだろう”安全で美しく、長く住める家”の在り方を提示している。