耐震住宅コラム

【耐震住宅コラム vol.04】構造計算とはどういうものなのか

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構造計算という言葉をご存知でしょうか?
あまり馴染みのない言葉なため、耳にしたことがない方もいるかもしれませんね。
構造計算とは一言で言うと「建物の安全性を確認するための計算」のことをいいます。名前の意味はわかったけど、じゃあ実際に何を行なっているの? と言う方のために、構造計算の内容をわかりやすくご紹介していきます。

 

構造計算ってどんな役目があるの?

最初に書いたように、構造計算とは「建物の安全性を確認するための計算」のことをいいます。
住宅は台風や地震、雪などといった外からの影響を多く受けます。そのためこれらの影響を受けても、建物に被害がないかをあらかじめ確認しておく必要があります。

万が一、地震で家が半壊した場合、もらえる地震保険料の割合は60%と言われています。しかしそれだけでは家を立て直すことはできません。
構造計算で安全性を確認して建てた家ならば、大地震にあっても半壊するといったことはありません。
少しの修繕で、また以前の暮らしに戻ることができます。これが構造計算を行う最大のメリットと言えるでしょう。

構造計算が建物にとって、どれだけ重要なことかわかっていただけたでしょうか?
それでは次に構造計算の内容ついて、触れていきましょう。

 

構造計算の流れを確認しよう

建物の重さを計算する

地震が起きた時、その力は建物の重さの分だけ大きくなります。
重い建物であればあるほど、地震からの影響は大きくなるということです。そのためまずは建物自体の重さを計測しなければいけません。

次に建物がその他の重さに耐えられるかを計測します。
建物には人や家具、屋根の雪といった様々な負荷が荷重としてかかります。そのため、今後かかってくるであろう荷重を予測し、シミュレーションを行います。建物自体の重さを測ったうえで予測した負荷に耐えられるよう、構造を設計していきます。

地震や台風への強さを計算する

はじめに荷重がかかる縦方向の耐久度を計測したので、次に横方向の耐久度を計測します。ここでは柱や梁、壁といった構造部の調整を行なっていきます。
日本にいる限り、地震や台風といった災害を常に想定しておかなければいけません。
台風や地震が起きた場合に建物が損傷・倒壊しないよう、必要に応じて柱の数や太さを計算していきます。

応力を計算する

外からの力に抵抗する内側の力のことを応力と言います。
例えば、ダンボールを一本の指で軽く押したとします。軽く押しただけではダンボールは潰れませんよね。これは指で押したのと同じ力がダンボールから指に向かって働いているからです。指の圧力を少しずつ強くしていき、ダンボールの応力が指の力に負けた時、へこみが生じます。
家も同じように、台風に対抗できる応力になるよう、計算をしながら構造を作っていきます。さらに地震の力が家全体に伝わった時に材料が負荷に耐えられるのかも、ここで計測していきます。

建物のバランスを確認する

最後に建物の傾きやバランスを確認します。
上下階で建物の硬さが偏っていては、力が加わった時に倒壊しやすくなります。
どれだけ強い素材を使っていたとしても、バランスが悪ければ倒壊する可能性があるということです。
この工程ではバランスが合格ラインに達するまで何度も検証を繰り返していきます。

 

4号特例による審査の省略化

 

最後に4号特例の性質ついて解説します。
4号特例とは、条件に該当する住宅であれば、審査時に構造計算書の提出が省略できるという法律です。建築基準法では以下に該当する住宅に対し、4号特例が適用されます。

・100㎡以下の特殊建築物もしくは特殊建築物以外の建物
・木造で2階建て以下かつ延べ床面積500㎡以下かつ高さ13m以下かつ軒の高さ9m以下
・木造以外で平屋建て以下かつ延べ床面積200㎡以下

前回もお伝えしたように、ほとんどの木造住宅がこの4号特例により審査の省略が行われています。
しかしここで誤解しないでいただきたいことは、審査を省略したとしても安全性の確認は行う必要があるということです。
この4号特例は「安全性を怠ってもいい」という法律ではないということを頭に入れておきましょう。

4号特例とどう向き合うか

ここで大事なのが4号特例の存在を知った上でどう向き合うかです。
4号特例の存在を知らないうちは、全ての建物がちゃんと計算されて建てられている。と思っていたのではないでしょうか?
しかし、全ての企業が構造計算を行なっているわけではありません。4号特例があるがゆえに、建物の品質に差が出てしまっているのも事実です。
ですので、2階建て以下の住宅を建てる時でも、安全性を確認しなくて良いのかを考えないといけません。

いかがだったでしょうか?
構造計算と4号特例について理解していただけたかと思います。
次回は「耐震」「免震」「制震」の違いについて解説していきます。

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