耐震住宅コラム

【耐震住宅コラム vol.05】「耐震」「免震」「制震」違いはなに?

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【耐震住宅コラム vol.05】「耐震」「免震」「制震」違いはなに?のインデックス

「耐震」「免震」「制震」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「耐震について少しは理解しているけれど、免震・制震についてはあまり詳しくはないかも。」という方も多いかと思います。
そこで今回はこの「耐震」「免震」「制震」が構造上どのような違いがあるのか、またそれらの役割も含め詳しくご紹介していきます。
この3つをしっかりと理解し、今後の家づくりに役立てていきましょう。

 

地震に耐えるという意味の「耐震」

最初に「耐震」についてですが、耐震は文字どおり「地震に耐える」という意味があります。
今後起こりうる地震に備えるためには、この耐震の強化をベースに考えることが重要となります。

耐震は主に壁や柱といった構造自体の強度を高めていき、地震が起きても壊れない家づくりを目指します。
ある一定の耐震性を保つことは法律で義務化されていますが、法律で定められている最低ラインの耐震性では、耐えられないほどの地震も起こるようになりました。
そのため一般住宅でも耐震に重点的にコストをかける、というケースが年々増えてきています。

 

揺れを家まで伝えない「免震」

次に「免震」についてですが、これは「地震の揺れから免(まぬが)れる」という意味です。
ではどのようにして揺れから免れているのでしょうか。
それは基礎と建物の間に、免震装置と言われるゴムやベアリングを取り付けることで免震が行われています。
このゴムやベアリングが揺れに対する緩和剤となり、地震の揺れが建物にまで伝わりにくくなっているのです。
ベアリングは想像がつくかもしれませんが、ゴムと聞いて「家の重みでゴムが潰れるんじゃ?」と少し不安になられたかと思います。
ゴムといっても、ゴムと鉄板を交互に重ねている特殊な免震ゴムです。垂直方向の重力に対しては鉄板の強度が働き、水平方向の力に対してはゴム特有の柔軟性を活かすことで免震が成されています。

地震による影響は建物の重さに比例します。そのため、耐震だけでは限界のある高層ビルなどにこのような免震技術が取り入れられています。
その反対に一般の住宅に対しては費用対効果があまり望めないため、着工件数は少ないようです。

 

揺れを吸収するための「制震」

最後は「制震」についてですが、これは地震の揺れを吸収するイメージです。
建物の要所要所に地震のエネルギーを吸収する、ゴムやバネ等の制震ダンパーを取り付けることで、地震の揺れを抑えています。
制震ダンパーに伝わった地震エネルギーは、熱エネルギーに変換され外へ逃がされる仕組みになっています。免震と同じく高さのある建物ほど効果があり、さらに繰り返し起こる地震にも強いとされています。
免震と比べてかかるコストが低いため、リフォーム時に制震ダンパーを取り付けるケースが多くなっています。

 

動画で解説

 

耐震性能を優先的に高める理由

 
これまで「耐震」「免震」「制震」の3つの手法をご紹介してきました。
ここで知っておいていただきたいポイントは、これらの土台となるのは「耐震」であるということ。
「免震」「制震」はあくまでも補助として、高さのある建築物に対して補強する、といった場合に多く取り入れられています。
高さがそれ程ない一般住宅では、「免震」「制震」に掛けられるコストをそのまま「耐震」性能の向上に注ぐ方が効果的であると考えられます。
現在では耐震性能の技術も進み、機械による精密な構造計算が行われるようになり、耐震の性能を建てる前に確認して強化することが可能になりました。
地震に強い家にしたいと考えた時、耐震はどんな建物でも必ず考えなければなりませんが、まずは耐震性能をあげること、その次に「免震」「制震」が必要であれば追加するということになるのです。
「耐震」「免震」「制震」は、よく並列に比べられていることがありますが、あくまで耐震が基本であることを覚えておくとよいでしょう。

次回は「地震に強い間取りはあるのか?」ということについて解説していきます。

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