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家、三匹の子ぶたが間違っていたこと
【三匹の子ぶた vol.24】〜コストアップになる? 構造計算〜のインデックス
最近、「坪当たり25万円!」などという住宅がもてはやされているが、住宅のコストを合法的に削るには壁量規定を利用して、余分な構造材料を削ることが〝賢明〟な策である。梁や柱はできるだけ減らし、壁を規定より少し多く入れて「耐震設計」と呼ぶことは違法ではないギリギリのセールストークとなる。
こうした利益追求型商品住宅では構造計算など絶対にご法度である。 また、家は地震で壊れてもクレームにはならないので、本当の(構造計算された)耐震住宅でなくても会社は罪に問われることはない。日本の損害保険(地震保険以外)では地震などの天災は免責(保険金が払われない)となっており、住宅販売会社も販売した住宅が地震で壊れても法律的には保証の義務はない。構造計算をして安全性を担保することは、経営者にとって利益の損失と捉えられるケースが圧倒的に多い。 現に私は、一〇年前から「構造計算をした木造住宅を売りましょう」という呼びかけを行なっているが、理解を示すのは中小工務店の社長がほとんどであり、株主資本主義の社長は理解しても実行できない人がほとんどであった。 ちなみに、構造計算を規定どおり行なうとどの程度のコストアップになるだろうか? 四〇坪の規模・坪二五万円住宅と呼ばれるものとの比較をしてみた(あくまで参考値として見てほしい)。
①構造計算費用………………………20万円程度
②材料費(柱・梁・母屋・桁)……30万円程度(壁量規定では材料は検討しないので最小でよい)
③壁・筋交い追加工事費用…………5万円程度(壁量規定より壁が増える)
④構造計算のために地盤調査もするので、さらに5万円程度かかる
その他にも基礎のコンクリート費用の増加などもあるが、特殊な耐震工法を利用しなくてもざっと約60万円程度はコストが上がる。
坪当たり1.5万円程度のアップになるということだ。
年間1,000棟販売するハウスメーカーにとっては、この60万円は6億円の利益に変わるのである。
この6億円は住宅会社にとっては大きい。 よくテレビなどで、実際に建てた家を揺らすという実物大耐震実験を行ない「わが社の家は、あの大震災でも倒れないから安全である」というCMがあるが、実物大の住宅を振動台に載せて実際に揺らすという実験をすると約1億円の実験費用が必要である。構造計算をすべて行なって六億円を使うより、一億円をかけて耐震実験を行なったほうが営業上の費用対効果が高い。強い家をつくるために構造計算するといって地味な作業をしてコストを上げるよりも、強い家のイメージを訴えたほうが施主にわかりやすいし儲かるというわけだ。
ちなみに、実験用に地震で壊れない家をつくることは決して難しくない。たとえば、正方形に近い形で左右対称のシンメトリーにデザインし、屋根など軽くして荷重を小さくするなどしたうえで、事前に「構造計算」で検証して実験に臨めば、まず倒壊はしない。
耐震実験を広告で利用する際は、当然、実験で壊れなかった建物のみがCMで放送されているのだから、なんの参考にもならない。 あなたが建てようとしている家が実験住宅と同じ形で、同じ間取りで、同じ材を使うのならばその家を建てればよいだろう。
しかし、そんなことはまずないと思う。敷地の条件によって、施主の家族や好みによって間取りは変わる。使う材もスギであったり、ヒノキであったり、輸入材、国産材と異なる。それなのに、ある条件で建てられた一つの家が実物大実験で倒れなかったからといって、そのメーカーの他の家も安全であるかのようにPRしていいのだろうか。家は1軒1軒すべて違う。それぞれの家が安全かどうかを確認するには、全棟を構造計算するしかないのだ。
SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。
株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、
を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)