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家、三匹の子ぶたが間違っていたこと
【三匹の子ぶた vol.25】〜木材の強度がわからないから構造計算ができない〜のインデックス
構造計算を実際に行なうときには重要な要素がある。「材料の強度」である。木材にはJAS(日本農林規格)の基準があり、住宅に使用するためには構造用JAS基準という基準が存在する。しかし、この基準はあってもないような基準なのだ。強度のはっきりわかる木材が手に入らないのである。
私(田鎖)は、20年前まで日商岩井(現・双日)の木材本部に在籍しており、当時の日商岩井は日本の木材の10%程度を供給していたのだが、そこで目にした現実はショックだった。 JASマークの付いた構造材料は流通していない。木材の流通において強度は価格に一切影響のないものである。
価格に影響がないのでわざわざ日本農林規格にお金を払ってJASマークを付ける必要がないし、お金をかけて強度を測定して強度表示をする業者は極端に少ない。現在もその状況は変わっていない。 さらにJAS基準には、目視等級と強度等級という二つの基準が存在している。
通常、木材は強度等級ではなく、1等材・特1等などという目視等級で売り買いされている。1等とは、2等より節が少なく、見た目がきれいな材料のことを指す。見た目がきれいな木材のほうが高く売れるので強度は測定しない。したがって、強度のわかる木材が手に入らない。唯一、潤沢に手に入り、かつ強度のはっきりした木材が集成材という木材である。集成材とは板材を接着剤を使って積層してつくられる木質材料で、19世紀末にドイツで発明され、ヨーロッパでは早くから駅舎や教会などの多くの大型建造物で使われてきた。しかし、この集成材は無垢材(無加工材)と比べてコストが高いという理由でローコストで高利益を目指す会社からは敬遠されてきた。顧客は強度よりもブランド志向で家を選ぶのだ。 たとえば、高級素材といわれているヒノキの柱について「1本いくらくらいすると思いますか?」と一般の方に尋ねてみると、3万円とか4万円、あるいはもっと高い値段を答える。ところが、実際の流通価格は、驚くなかれ3,000円程度なのだ。3,000〜4,000円の材を3〜4万円に見せる。これがメーカーにとってはうま味になる。強度のわかる集成材を使うより、「ヒノキの4寸柱」というほうが顧客は勝手によい物と勘違いしてくれる。ヒノキというだけでお客さんは勝手に高いと思ってくれるから便利な素材である。また、ヒノキは強いと信じている人がいるが、都合のよい誤解である。実際の強度は松のほうがある。 JAS基準でも強度を表すヤング係数というものがあるが、それぞれの材の強度は次のように表示されている。
ヒノキ 90E
米松 120E
欧州赤松 105E
つまり、一般に松のほうがヒノキより1.3倍強いのである。
しかし、強度のしっかりわかる松の集成材より、強度はわからないヒノキの無垢柱に魅力を感じてしまう顧客が多く存在するために木造住宅業界の構造は変わらない。
SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。
株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、
を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)