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地震と住宅の新常識
ガレージハウスで快適な一戸建て生活を!設計ポイントを解説のインデックス
車やバイクが好きな人の中には、愛車を守るためにガレージハウス付きの一戸建てを検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、ガレージハウスと言ってもデザインや構造にはたくさんの選択肢があり、どのようなガレージがいいのかわからないというケースも少なくありません。
さらに、ガレージハウスは耐震性が不安と考えている人もいるでしょう。今回は、ガレージハウスのメリットや建てるためのポイントなどを解説します。設計事例もご紹介するので、ガレージにこだわりたいという方もぜひ参考にしてみてください。
ガレージハウスとは、建物の1階部分に車庫(ガレージ)を組み込んだ家のことです。ガレージが建物本体と一体化しており、外壁や屋根で囲まれた室内空間として設計されています。天候に左右されずに車の乗り降りができるのはもちろん、防犯面でも安心です。狭小地でも駐車スペースが確保しやすいため、土地代の高額な都心部でもよく採用されます。
カーポート付きの一戸建てでは、建物本体とは別に設置された屋根付きの駐車スペースで車を保管します。カーポートは、屋根と柱で構成された開放的な駐車スペース。サイドパネルというオプションパーツで壁を設けることもできますが、あくまでも簡易的なものです。設置コストは抑えられますが、強風時の壁や直射日光を完全に防ぐことはできません。
一方、ガレージハウスは単なる車の保管場所ではなく、屋内収納や趣味の空間としても使えます。建築コストは比較的高くなりますが、天候を気にせず車の乗り降りができ、室内からガレージへ直接アクセスできるのも便利です。
ガレージハウスを建てるメリットについて、ひとつずつご紹介していきます。
雨や風などの悪天候でも愛車を守ってくれる点は大きなメリットです。台風や雪が多い地域では、車へのダメージが気になってしまうこともあるでしょう。ガレージハウスであれば、悪天候や強い日差しから愛車を守ってくれるので、色あせなどで車が極端に傷む可能性が低くなります。
また、盗難や傷を付けられる心配もありません。愛車は家の中に収納できるので、シャッターを取り付ければ外部からの侵入を防ぐことができます。防犯を強化できれば、安心した生活が送りやすくなるでしょう。
ガレージハウスでは、特に雨の日の車の乗り降りが快適になります。住宅の1階部分が駐車場になっているため、乗り降りの際に濡れる心配がなくなるからです。また、室内と駐車スペースを直接つなぐ動線を設ければ、雨の日の荷物運びや小さな子どもの乗り降りも心配ありません。
ガレージハウスがあれば、車やバイクのメンテナンスをしたり、DIYのスペースにしたりとさまざまなスペースとして活用ができます。建物と車庫が一緒になっているので、子どもの遊び場や収納場所など、趣味やご家族のニーズに合わせて使い分けることが可能です。
特に、外で汚れてしまうアウトドア用品などは室内に入れずに保管したい人も多いでしょう。ガレージを収納場所にすれば、車から降ろしてわざわざ運ぶ手間も省けるので、収納が面倒に感じることも少なくなります。駐車スペースだけでなく幅広い活用ができるところもガレージハウスの大きな魅力です。
1階に駐車スペースを配置するガレージハウスでは、2階にリビングの設置が可能です。1階リビングの場合は日当たりが十分でなかったり、風通しが悪かったりということも少なくありません。加えて、周囲からの目線が気になってカーテンを開けにくいというケースもあるでしょう。
高い位置にリビングがあれば、周りからの視線が気になりません。また、大きな窓を設置することで、たっぷりと自然光を取り込むことができます。住宅密集地でもリビングへの採光を確保できて過ごしやすくなるでしょう。
通常の住宅では、駐車スペースと建物を別々に配置する必要があります。しかし、ガレージハウスでは1階部分に車庫を設けているので、限られた敷地面積を最大限に活用できるメリットがあります。
特に、都市部の狭小地では、外部に駐車スペースを確保することが難しいというケースも少なくありません。建ぺい率の限度いっぱいまで住宅を建てる場合には、特におすすめです。
理想のガレージハウスを設計するためには、間取りや設備を工夫しましょう。完成してから後悔しないように、3つのポイントをご紹介します。
ガレージハウスの大きさは、車に合わせた広さを確保してから決定しましょう。後から広くしたり作り変えたりすることは難しいので、車の大きさや台数を前もって把握しておく必要があります。
その際注意しておきたいのが、車1台分のスペースは、乗り降りも含めた広さにすることです。車体ギリギリの広さにしてしまうと、駐車がしにくく乗り降りできるスペースもなくなってしまいます。
将来的に「大きな車に買い替えたい」「車を買い足したい」などの予定がある場合は、事前に設計者に伝えておきましょう。メンテナンス等のスペースが必要な場合は、その分の広さも確保します。
生活動線を考えた間取りにすることもポイントです。道路からの駐車のしやすさや、リビングや玄関にアクセスしやすい間取りを考えるようにしましょう。
たとえば、仕事で帰宅が遅い場合は、音や振動が響かないように寝室から離れた場所に設計するのがおすすめです。家族の生活パターンを考慮して、快適に暮らせる間取りを考えてみてください。
シャッター・照明・エアコン・スロップシンクなどの設備も設計に組み込むようにしましょう。照明がなくてメンテナンスがしにくい、アウトドア用品のケアに水場が欲しかったなど、完成してから後悔してしまうケースも少なくありません。
収納をメインに考えてしまうことが多いガレージですが、どのような使い方をしたいのかじっくりと考えて、必要な機能や便利な設備を取り入れるのがおすすめです。
ここからは、設計事例を3つご紹介します。ガレージハウスを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
柱のない広々としたビルトインガレージ。施主様の温もりや情緒的な雰囲気は排除したいという要望を受け、RC造とSE構法を組み合わせた住宅です。異種構造でありながらも、SE構法を採用したことによってダイナミックな空間を実現。愛車が増えても安心の大きなビルトインガレージに仕上がりました。
リビングへの動線がスムーズなガレージハウスです。インナーガレージとリビングはガラスの引き戸2枚で仕切られています。採光を得る目的で上部の欄間にはめ込んだガラスにより、ガレージ内部は明るくメンテナンスなどの作業もしやすいのが特徴です。
所有する車の特徴を活かしたガレージハウス。軽自動車を縦に3台駐車できる空間に仕上げました。車と玄関ドアがぶつからないように、引き戸仕様の玄関ドアを採用しています。奥行きのある空間と使い勝手の良さが特徴的なガレージです。
ガレージハウスの設計で重要なポイントは、適切な工法を選ぶことです。
ガレージには車を入れるための大きな開口部が必要で、駐車スペースには壁がなく、柱と長い梁、屋根のみで構成されます。1階部分の壁が少なくなるため、一般的な在来工法の木造住宅では耐震性の確保が課題となるのです。
大きな開口部を実現しながら、十分な耐震性を確保するには、鉄骨造やRC造が選択肢として挙げられます。ただし、鉄骨造やRC造を選ぶと、建築コストが高くなってしまうという大きなデメリットも存在します。
そこで選択肢として浮上するのが、新しい木造住宅の工法である「SE構法」。建築コストを抑えながら、耐震性と大空間の両立を可能にする建て方です。
SE構法は、木造住宅でありながら、従来の工法では難しいとされていた広い無柱空間を実現できる画期的な構造システムです。高強度の構造躯体と精密な構造計算を組み合わせることで、最大幅9mもの大空間を可能にします。これにより、複数台の車を横並びで停められるビルトインガレージの設計が木造でも実現できます。
大きな特徴は、一般的な木造では必要とされる耐力壁や構造柱を減らしても、十分な強度を確保できる点です。この構造的な強みにより、地震にも強く、ガレージ部分の重量もしっかりと支えることができます。従来の在来工法の木造住宅に比べ、はるかに高い構造安全性を実現しているのです。
無柱の大空間ならではの魅力は、多彩な空間活用が可能なことです。車の収納だけでなく、メンテナンススペースやDIYワークショップ、趣味の作業場など、用途に応じて自由自在にレイアウトできます。また、柱のない開放的な空間設計により、居住スペースとガレージを一体的につなぐプランニングも可能です。木のぬくもりを活かしながら、車好きの方の理想的な住まいづくりを実現できる工法といえます。
SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。
株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、
を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)