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地震と住宅の新常識
カーライフを豊かにする「3台用ガレージ」設計ポイントと注意点を解説のインデックス
家族それぞれが車を所有するケースや、実用的な車と趣味の車を分けているケースなど、車を3台所有する方が悩みやすいのは、いかに駐車スペースを確保するかです。現在1〜2台の車を所有している方でも、大型の車に乗り換える予定や車での来客が多ければ、将来的にゆとりある駐車スペースが必要になるでしょう。
十分な広さの土地があれば3台駐車可能なガレージは作れますが、耐久性や使い勝手を考えると、構造への工夫が欠かせません。今回は車3台分のガレージを検討中の方に向け、開口部の広いガレージを作るのに適切な工法の選び方を解説します。
はじめに、車を3台停めるのにおすすめな駐車スペースの種類を見ていきましょう。
最もスペースを確保しやすいのは、屋根のないオープンな駐車場です。敷地が広ければ、車止めのブロックを設置するだけでも十分駐車スペースとして活用できます。ただし屋外に駐車する車は雨や雪の影響で汚れやすいため、白や黒など車体の色によっては、汚れが目立ちやすくなるでしょう。
車の汚れを避けたければ、カーポートを設置するのもおすすめ。カーポートとは主に住宅に隣接して建てられる車庫のことで、柱と屋根の簡易的なつくりが特徴です。基本的には壁がないので吹き込む雨を避けるのは難しいですが、駐車中の汚れは大幅に軽減できます。住宅とは別にカーポート用の敷地が必要になるため、都市部では土地代とのコストバランスに注意してください。
ビルトインガレージとは、建物に組み込まれたタイプの車庫のこと。1階部分にガレージと玄関を設け、2階以上を居住スペースにすることで、都市部の住宅密集地でも3台分のガレージが実現できます。建物にガレージを組み込んでいるため、雨風による車の汚れを抑えるだけでなく、車体へのいたずらや盗難からも、大切な愛車を守りやすいでしょう。
また、ビルトインガレージがあれば、日差しを遮れる広々としたスペースが確保できます。たとえ車を3台所有しなくても、夏場にプールを出して子どもと遊んだり、友人を招いてBBQを楽しんだりなど、好みに合わせた使い方が可能です。
車を3台分停められるガレージは、スペースの確保だけでなく具体的にどのように車を停めるかを考えなくてはなりません。車3台分のガレージで考えておきたい、2つの注意点を解説します。
一般的に、車3台分のガレージは前後2列での停め方を想定した設計が多いです。普通サイズの乗用車でも長さは平均4.7mありますので、前後に停めるなら最低でも10m近い奥行きが必要になるでしょう。車3台分のガレージには、ある程度の奥行きを確保できるスペースが求められます。
前後で駐車する場合、奥の車を動かすには前の車を動かす必要があるため、出入りに不便さを感じやすいです。日常的に運転する機会の少ない車であれば奥側でも問題ありませんが、家族がそれぞれ車を所有し、使うタイミングも異なればさらにストレスを感じやすいでしょう。3台分のガレージを作るときは、それぞれの車の出入りするタイミングを考慮するのも大切です。
車3台分の駐車スペースを確保しつつ、スムーズな出入りを可能にしたければ、車3台を横並びにできる大開口のガレージで問題は解決できます。横並びでの駐車が可能なら、ほかの車を移動させることなくいつでも車が使えますし、それぞれの駐車位置が定まって駐車もしやすくなるでしょう。
車3台を停めるときは、車を横並びに駐車できるガレージが使い勝手の面では理想的です。しかし大開口のガレージを作るには、次の2つの課題をクリアしなくてはなりません。
・柱と梁・屋根だけで支える構造の強さ
・コストバランスの良さ
車の出入りがしやすいガレージには、広い開口部が必要です。柱・梁・屋根の3点で維持できる構造の強さが求められますが、残念ながら木造住宅の主流である在来工法では、構造に十分な強さを備えていません。
鉄骨造や鉄筋コンクリート(RC)造であれば、広い開口部と大空間のどちらも叶えられますが、木造と比べて建築コストは高額になってしまいます。ガレージは単体ではなく、多くが住宅と隣接かビルトインで作るため、ガレージのコスト負担が増えれば住宅に十分なコストをかけられなくなるでしょう。
構造の強さとコストバランスの良さを叶えるなら、SE構法の木造住宅が最適です。木造に鉄骨造やRC造で主流のラーメン構造を取り入れたSE構法なら、コストを抑えつつ、車3台を横並びで駐車できる大開口のガレージが実現できます。
車3台分のガレージを設計するうえで、特に注意したい5つのポイントを見ていきましょう。
車3台分のガレージを作るなら、それぞれの車の使用頻度をもとにレイアウトを決めてください。使用頻度がほぼ同じであれば、3台を並列に駐車するのが理想的です。しかし使用頻度が極端に少ない車があるなら、ガレージの動線がコンパクトになる前後2列の縦列駐車の方が、使いやすく感じられるでしょう。
3台を横並びにするガレージは敷地だけでなく、取り付けるシャッターの枚数も増加し、コストが大幅に上がりやすくなります。ガレージのレイアウトは車の使用頻度を中心に、慎重に検討しましょう。
ビルトインガレージを作るなら、車を降りてからの動線を意識すると、住まいの快適さが格段にアップします。例えばガレージから直接キッチンや玄関ホールにつながる動線を確保すれば、わざわざ重い荷物を持ってガレージの外に出なくても、最短距離で荷物を室内に運べます。
またガレージの寸法を考えるときは、乗り降りで開閉するドアはもちろんのこと、バックドアの開閉スペースも考えておくとよいでしょう。荷物を多く積み込めるワンボックスカーはトランクの使用頻度も高くなりやすいですが、はね上げるタイプのバックドアの場合、後方にスペースがないとせっかくのトランクを活用できません。
車を快適に使うためにも、ガレージからの動線や、使いやすい寸法にこだわって間取りを考えましょう。
日常的なメンテナンス用品や冬用のスタッドレスタイヤなど、収納場所に困る車用品は数多くあります。特にメンテナンスにこだわりのある方なら、ワックスやクロスといった基本的な車用品だけでも、複数収納できるスペースが必要でしょう。ガレージに収納スペースを作っておけば、どこに何があるか一目でわかりやすく収納できます。
またキャンプで使うアウトドア用品やゴルフクラブなど、屋外で使うものをガレージに収納すれば、車への積み込みもスムーズです。砂や土汚れも室内へ持ち込まずに済むため、住まいをきれいに保ちやすくなるでしょう。
ビルトインガレージを作るなら、ぜひ換気システムや照明の設置を検討してください。ガレージは排気ガスが溜まりやすく、換気が不十分だと一酸化炭素中毒など人体への深刻な影響も懸念されます。換気システムがあれば排気ガスを適切に排出できるため、健康被害だけでなく壁の黒ずみ防止にも効果的です。
また防犯を意識するなら、センサー式のライトを設置しましょう。人が近づいたときだけ照らし出す人感センサー付きのライトがあれば、大切な愛車へのいたずらや盗難を未然に防げます。
その他にも、ガレージにはシャッターの騒音対策や、排水設備へのこだわりも欠かせません。入り口にシャッターを設置するなら、早朝や深夜の出入りで近隣に迷惑をかけないためにも、スライド式や静音タイプのシャッターを検討するとよいでしょう。
最近ではゲリラ豪雨などによる、局所的な大雨被害も増えています。ガレージに雨水が流入しても適切に排水できるように、排水設備も完備しておきましょう。
車を3台停められるガレージがご希望の方に、ぜひおすすめしたいのが「SE構法」で建てる木造住宅です。
車3台分のガレージには広い開口部が必要になるため、柱や梁を多く使用する従来の木造住宅では、対応が難しいとされてきました。しかし、大開口を得意とする鉄骨造や鉄筋コンクリート(RC)造では、建築コストが上がりやすいというデメリットがあります。
どちらの課題も克服し、木造住宅で開口の広い間口を叶えるのが、SE構法です。SE構法が優れている、3つのポイントを解説します。
SE構法で取り入れているのは、鉄骨造や鉄筋コンクリート(RC)造の建物でよく用いられる、ラーメン構造。柱と梁を独自SE金物で強固に接合し、頑丈な枠組みで高い耐震性を実現します。さらに木造住宅で不可欠であった「筋交い」をなくすことで、開口部の広さと自由度の高い設計を叶え、車3台分のガレージにも適した構造になりました。
ラーメン構造とは?他の構造との違いが生み出すメリットを徹底解説
SE構法が柱のない「無柱空間」で広々としたガレージを叶える秘訣は、在来工法と比較して3.5倍もの強度を誇る耐力壁にあります。在来工法では、柱を減らした分の耐震性を補うために、複数の耐力壁を設置する必要がありました。
一方SE構法では、強度の高い耐力壁を使用することで、耐久性の維持に必要な壁の枚数を減らし、壁や柱の少ない開放的な空間を実現しています。必要な部材の数を抑えることで、コストパフォーマンスの面でも、優れた効果を発揮しました。
SE構法は耐震性の高さにこだわり、一棟一棟で緻密な構造計算を実施しています。日本では一般的な木造住宅に対する構造計算の法的な義務付けはされていませんが、SE構法は鉄骨造や鉄筋コンクリート(RC)造の建物と同じ「許容応力度計算」を徹底。緻密な構造計算で、地震だけでなく台風などの自然災害からも、大切な住まいとガレージに駐車中の愛車を守ります。
壁量計算の流れを簡単に解説!構造計算との違いや2025年の法改正のポイントは?
大空間が実現する使いやすさと耐久性の、どちらも優れたSE構法の木造住宅は、車3台分のガレージを建てるのにも優れた工法です。SE構法で叶える車を3台駐車可能なガレージが気になる方は、お近くの「SE構法登録工務店」へお気軽にご相談ください。
SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。
株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、
を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)