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構造材には無垢材と集成材のどちらを選ぶべき?それぞれの特徴を比較

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構造材には無垢材と集成材のどちらを選ぶべき?それぞれの特徴を比較のインデックス

木造住宅で使われる木材には、大きく分けて「無垢材」と「集成材」の2種類があります。製造方法が異なる両者は、どちらが優れているかで判断するのではなく、特徴やメリット・デメリットを知って、目的に合わせた使い方をすることが大切です。

木の魅力を存分に引き出す住宅を建てるには、構造材への理解が欠かせません。これから木造住宅を建てる方に向け、無垢材と集成材それぞれの特徴を紹介します。

集成材とは

はじめに、集成材の特徴やメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

集成材の特徴

集成材とは、2〜4cm程の厚みにカットした「ラミナ」と呼ばれる単板を、繊維方向を揃えて圧着させた木材のこと。似た作り方をするものに「合板」がありますが、合板は薄くスライスしたものを重ねて圧着しており、主に板材としてよく使われています。

耐久性に優れる集成材は、板材はもちろん角材としても広く普及し、木造住宅の構造でもよく用いられる素材です。

集成材のメリット

集成材の主なメリットとしては、次の3つがあげられます。

・強度や寸法が安定している
・価格が安定している
・加工がしやすい

自然素材である木材を人工的に成形した集成材は、どの部分を測っても強度が安定し、厚みも均一なので正確な寸法で成形できます。1本の木から作り出すため工程に手間がかかる無垢材と比べて、集成材は複数の木材から効率良く製材できます。そのため安定した価格で供給しやすいのも、魅力の1つです。

さらにあらかじめ節(ふし)を取り除いているので加工がしやすく、反りやひび割れといったリスクが低いのもメリットとしてあげられます。

集成材のデメリット

集成材のデメリットは、次の2つです。

・自然素材としての風合いの少なさ
・接着剤による安全性への疑問

美しい木目は天然素材である木ならではの魅力ですが、集成材は人工的な印象を抱く方も多く、自然素材の風合いを楽しむのにはあまり適していません。

また、集成材で使用する接着剤の安全性への疑問の声も聞かれます。しかし2003年の建築基準法改正により、シックハウス症候群の原因の1つとなるホルムアルデヒドの使用が制限されました。このことから、接着剤がシックハウス症候群を誘発するリスクは、極めて低くなっています。

無垢材とは

集成材に続いて、無垢材の特徴やメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

無垢材の特徴

無垢材とは、天然の木を切り出した状態で加工した木材のこと。カットされた木材を接着している集成材に対し、無垢材は1本の木をそのまま加工しているため、木目の美しさが楽しめます。無垢材は使用する木の種類や部位によって、木肌の色や木目の印象が異なるのも特徴的。

中でも直線状の木目があらわれた無垢材は「柾目(まさめ)」と呼ばれ、生産数の少なさから希少性が高いです。柾目は見た目の美しさから、高級家具の材料としてダイニングテーブルなどにも用いられています。

無垢材の種類

無垢材に使用される木の種類は、主に以下の通りです。

 

針葉樹 パイン、スギ、ヒノキ、ヒバ
広葉樹 オーク、ウォールナット、チーク、タモ、メープルなど

 

軽くて柔らかい針葉樹の無垢材は、フローリングのほか建物のあらわし梁といった躯体部分に使われます。広葉樹は硬くて強度があることや木目の美しさから、無垢フローリング以外に家具の素材としても使われることが多いです。

無垢材のメリット

無垢材のメリットとしては、次の4つの点があげられます。

・自然素材の質感を楽しめる
・香りの良さを楽しめる
・防虫効果がある
・調湿効果がある

無垢材の最大のメリットは、天然木ならではの質感の良さが楽しめること。木本来のぬくもりが楽しめる無垢材は、触れたときにひんやりと感じにくく、肌触りの良さが魅力です。

天然木を加工した無垢材からは、木特有の清々しい芳香が感じられます。この芳香は「フィトンチッド」と呼ばれ、リラックスした状態を促す副交感神経の活動を活発にすることが知られています。さらに香りの良さで人気のヒノキやヒバなどの木材は、フィトンチッドによる防虫効果も高いです。
よく乾燥させた無垢材は周囲の水分を適度に吸収してくれるため、調湿効果も期待できるでしょう。

無垢材のデメリット

無垢材のデメリットは、次の3点です。

・反りや割れのリスクがある
・大量生産が難しい
・価格が変動しやすい

複数の木材を接着した集成材と比べて、無垢材は温度や湿度に影響を受けやすく、反りや割れが発生するリスクがあります。また1本の木から切り出すため大量生産が難しく、気候変動や木の生育状況によって、価格が変動しやすい点にも注意が必要です。

集成材・無垢材を使用する場面

集成材と無垢材は異なる特徴を持つため、魅力を引き出すには特徴に合った場面での使用が望ましいです。集成材・無垢材がよく使用される場面を、それぞれ紹介します。

構造用に使用する

建物を支える構造は、壁や天井に覆われ日常的には見えない部分です。そのため見た目よりも耐久性の強さや調達のしやすさを重視する傾向にあり、集成材がよく使われています。複数の木材を接着し、どの部分も一定の品質を保つ集成材は、長年住まいを支え続ける構造に適した素材です。

造作用に使用する

室内ドアや木製家具、フローリングなどの日常的に使用する場所には、美しい木目と木ならではの質感を楽しめる無垢材がよく使われます。無垢材を長年使い続けるには定期的なメンテナンスも欠かせないため、常に状態をチェックできる距離感での使用が好ましいでしょう。

集成材と無垢材を比較

集成材と無垢材を、6つの視点から比較してみます。

強度面

切り出した状態そのままの木材を成形する無垢材に比べ、加工過程で節や割れを取り除ける集成材の方が、強度面で優れているという意見が一般的です。一本一本の強度がはっきりとしていない無垢材に対し、JISマークのついた構造用集成材であれば明確な強度が表示されています。

耐久性

長期的な耐久性の高さは、無垢材の魅力の一つ。現存する歴史的建造物の構造材でもヒノキが使われ、築後1000年以上経つ現在も変わらず強度を保っているのが、その良い例でしょう。ただし、無垢材を使う場合は、湿度や温度による変形リスクや、キズや汚れがつきやすい点には注意しなければなりません。

集成材の耐用年数を左右するのは木材そのものの性質ではなく、使用している接着剤の劣化スピードです。国内外で築年数のたった建物の集成材を調査した結果、現行のJIS規格には適合できない耐久性の低い接着剤でも、50〜70年経て使用されている建物が数多くありました。現在の接着剤の耐久性はさらに向上しており、100年以上持つのではとも推測されています。

品質面

人の手を加えて均一な木材に仕上げる集成材は、安定した品質が最大の魅力です。天然素材である木は生育具合によって品質がばらつきやすいですが、品質の優れた部分のみ組み合わせているため、安定した品質を叶えます。

一方で無垢材は加工する職人の技術や乾燥具合によって、品質が左右されやすいでしょう。木の個体差による品質のコントロールも難しいため、使用する無垢材の見極めが大切です。

健康面

製造過程で化学物質を使用しない無垢材は、健康面に配慮した素材として健康志向の高い方からも人気があります。
集成材の製作過程には接着剤の使用が不可欠ですが、決して健康リスクが高いわけではありません。2003年の建築基準法改正以降、集成材に使用する接着剤による健康被害は減少しています。
健康面への配慮も大切ですが、必要以上に不安視せず、できるだけ先入観の少ない状態で判断するとよいでしょう。

コスト面

木材をつなぎ合わせて製造する集成材は、不具合のある部分を除き、木材を余すことなく使用できます。工場での大量生産が可能なため、品質を一定に保ちつつコストを抑えた、コストパフォーマンスの高い木材の提供が可能です。

無垢材は1本の木から作り出せる枚数には限りがありますし、ある程度の大きさに育った木でなければ十分な寸法の木材を切り出せません。加工に時間がかかりやすいのも、無垢材はコストがかかるといわれる理由の1つです。

独自の集成材を採用するSE構法

木造での新築住宅を検討中の方に、ぜひおすすめしたいのが独自開発の集成材を採用した「SE構法」の住宅です。SE構法の持つ、4つの魅力を紹介します。

無垢材の約1.6倍の強度を持つ

木造建築の耐震性を高めるため、SE構法では無垢材の約1.6倍もの強度の厳選された集成材を使用。自然素材ゆえに強度がばらつきやすい無垢材ではなく、一定の品質を保つ集成材を採用することで、緻密な構造計算による正確な強度測定が可能です。

安全性は業界最高水準

SE構法で採用しているのは、ホルムアルデヒドの放射量が極めて少ない、JAS認定の「F☆☆☆☆」等級の集成材。アレルギー症状など重篤な疾患を引き起こす恐れのあるシックハウス症候群のリスクを抑え、安心して住める家づくりを実現します。

森林認証による確かな品質を証明

SE構法は、世界最大の森林認証統括組織「PEFC」による「CoC認証」を取得。未来のために持続可能な社会を目指す姿勢は、世の中で当たり前の姿となりつつあります。CoC認証の取得により、SE構法がサスティナブルな方法で管理・育成・採取された木材を使用し、優れた供給・管理システムも備えていることが証明されました。

集成材の柱や梁は強度検査で安全性を証明する

SE構法の柱や梁に使用する集成材は、構成するひき板1枚に至るまで、1本ずつの強度を厳密に検査。厳しい水分含有率のチェックや強度試験をクリアしたものだけが、安全性が証明できた素材としてSE構法の住宅に使用されています。

無垢材と集成材それぞれの特徴を知って自分に合った木材を選ぼう

天然木の美しさを引き出す無垢材と、木材の強さを引き出す集成材は、どちらも木造建築にとって欠かせない素材です。無垢材と集成材の特徴を知れば、木の魅力をさらに活かした使い方が叶うでしょう。

集成材の中でも特に強度にこだわった素材を使用するSE構法は、木造でありながら高い耐久性と耐震性を備えた安心感の高い住まいを実現します。SE構法での家づくりが気になる方は、ぜひ認定工務店へお気軽にご相談ください。

高い耐震性能と自由で大胆な空間デザインを両立する、耐震構法SE構法

SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。

SE構法とは…

株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、

  • 木造でありながら地震に対する安全性
  • 壁や柱が少ない室内での「大空間」
  • 大きな窓を採用し光を取り入れる「大開口」

を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)

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