当ウェブサイトは、サービス向上の目的のためCookieを利用しています。
Cookieの利用に同意していただける場合は、同意ボタンをクリックしてください。
閲覧を続ける場合には、同意していただいたものといたします。
地震と住宅の新常識
窓が少ない家は本当に快適?家の特徴・メリットとデメリットを解説のインデックス
新築住宅ではこれまで、自然光をたっぷりと取り込む大きな窓を配置した、開放的なデザインが好まれてきました。そんな中で、あえて窓の少ない家を選ぶ方もいます。窓の少ない外観はスタイリッシュでおしゃれに感じられますが、採光や圧迫感への不安など、気になる点も多いでしょう。
窓の少ない家を建てるには、メリットやデメリットを正しく知って、十分な検討を重ねることが大切です。窓の少ない住宅の特徴をはじめ、知っておきたい「パッシブデザイン」の魅力について詳しく解説します。
はじめに、なぜ窓の少ない家が選ばれているのかを紐解くため、特徴とメリットを詳しく見ていきましょう。
大きな窓は光をふんだんに取り込めますが、窓が大きくなるほど開口部が増えるため、プライバシーの確保は難しくなりやすいです。窓の少ない住宅なら、外から覗き込まれる心配もなく、プライバシーを確保しながら安心して過ごせます。
住まいの中でも、窓は特に出入りする熱の量が多いです。一般的な複層ガラスを使ったアルミフレームの場合、冬には全体の約50%もの熱が窓から流出し、反対に夏は窓を通して、全体の74%もの熱が室内に流入するといわれています。熱の出入りが多く、隙間の原因にもなる窓を少なくすれば、断熱性や気密性が向上し、快適な住まいを実現しやすくなるでしょう。
大きな1枚ガラスを使った窓やサッシは、比較的高価な部材です。断熱性を高めるには、Low-E複層ガラスといった性能にこだわったガラスを使う必要もあるため、さらに材料費は高額になります。窓が少ない家は、窓にかける費用を最小限に抑えられるため、コストを下げやすいのも魅力です。
警察庁の「住まいる防犯110番」によると、一戸建て住宅での侵入窃盗は「窓」からの侵入が圧倒的に多く、全体の55.2%と半数以上を占めています。侵入手口もガラス破りに続いて未施錠の部分からの侵入が多いため、窓が多いとそれだけ侵入窃盗のリスクは上がりやすいです。窓が少なければ、ガラス破りや施錠忘れなどのリスクが低下するため、防犯性の向上が期待できます。
窓が少ない家は直線的でシャープな印象を作りやすく、キューブ型やモダンスタイルといった、おしゃれなデザインとの相性も抜群です。見る人の目を引きつけるスタイリッシュな住宅が希望の方にも、窓が少ない家は特に好まれています。
メリットに続いて、窓の少ない家にはどのようなデメリットがあるのかも、詳しく見ていきましょう。
窓は室内に自然光を届けるための、大切な採光口です。窓が少ない家は光を取り込む面積が限られるため、十分な採光を得にくくなります。天窓や高窓のように、高い位置に窓を配置し、少ない数でも効果的に光を取り込む工夫が必要です。
採光だけでなく、窓は換気口としても重要な役割を果たします。少ない窓でも十分な通風を確保するためには、できるだけ窓同士が対面になるような配置や、高低差を利用した配置が欠かせません。
窓が少ない家は壁面が多くなるため、閉塞感や圧迫感が出やすくなります。壁をなくす一続きの空間や、吹き抜けやスキップフロアを活用して縦方向の空間を意識した間取りがおすすめです。
窓が少ない家は、外からの目線が気になりにくい一方で、室内からの景観を楽しむことはできません。そのため窓の少ない家は、比較的景観が楽しめる立地よりも、隣家との距離が近い住宅密集地の方が適しているといえるでしょう。外の様子から変化を得たければ、天窓や高窓から見える空を、景色として楽しむのもおすすめです。
昨今のトレンドの一つである窓の少ない家では、プライバシーが守られたり断熱性を確保しやすかったりと、多くのメリットがあります。特に狭小地や住宅密集地など、プライバシーの確保しにくい都心部と相性の良いプランニングです。
一方、窓の少ない家で気になるのが、明るさや開放感が損なわれること。窓から光が入ってきにくく昼間でも室内が暗かったり、冬場は寒々しく感じたりすることもあります。
そこで窓の少ない家で取り入れたいのが、「パッシブデザイン」という設計手法です。日差しの差し込みに配慮した日射遮蔽や、風の通り道を予測する自然風の利用、自然光による採光や日射熱を利用した暖房効果など、日光や風といった自然が本来持つ力を活かして、快適な室内環境を目指します。
自然のエネルギーを活かしつつ、快適な住環境を叶えるパッシブデザインを取り入れるための、具体的な方法を紹介します。
パッシブデザインの基本は、建物全体の断熱性能を上げること。壁や床に高性能な断熱材を入れ、性能の高い窓サッシやガラスを採用することで、熱が伝わりにくくなります。冬は外へ熱が逃げにくく、夏は外からの熱が入ってきにくくなり、最小限の冷暖房で一年中快適です。
断熱と同時に実現したいのが、高い気密性能です。どれだけ断熱性能を上げても、隙間だらけの建物では外から冷気や暖気が入ってきてしまいます。隙間ができやすい箇所には気密処理を施し、細部まで丁寧な施工をすること。気密性を確保しにくい引き違い窓を減らし、FIX窓やすべり出し窓などを採用するのも効果的です。
パッシブデザインの肝になるのが、夏の日射を遮りながら、冬にはできるだけ多くの太陽光を取り込むこと。地域の気候風土に合わせて軒や庇を設計すると、真夏の高い位置から降り注ぐ直射日光を防ぎつつ、冬場は低い位置から差し込む太陽光を部屋の奥まで届けられます。
また、窓の外に、落葉樹を植えるのも一つの手。夏は葉が茂り、冬は葉が落ちるので、季節に合わせた日射量に調整できます。
窓から入ってくる自然風をうまく利用すると、冷暖房負荷を下げることもできます。風向きは時間や季節によって変化しますが、地域ごとに特性もあります。その卓越風に合わせて窓の位置や開閉方向を検討すると、風通しの良い家になります。
また、温かい空気は上へ、冷たい空気は下へいくため、高窓をつくると夏場にたまった熱気を排出することも可能です。冬にも熱気や湿気を排出することで、結露防止に役立つこともあります。
太陽光を利用すると、昼間に照明をつけなくても明るく過ごせる住まいになります。昼間長く過ごすリビングには、なるべく2面以上の窓をつくるのがおすすめです。北側に配置される洗面所なども、高所に横長の窓を設置することでほどよい明るさが確保できます。
自然の力を利用するパッシブデザインの家から得られる、3つのメリットを見ていきましょう。
自然環境の特性を利用して、暑い夏も寒い夏も室内の温度を一定に保てるパッシブデザインの家。朝晩の気温差や室温の変化も少なく、年間を通して快適な住み心地を実現します。空調設備に頼らずに、デザインへのこだわりで快適な空間を叶える方法は、家族の健康や快適さを考えても、ぜひ取り入れたい設計手法といえるでしょう。
パッシブデザインの家は、健康面でも大きなメリットがあります。室内の温度差が減ることで、身体的な負担を大幅に軽減できるのです。冬場に起こりやすいヒートショックは、寒いところから暖かいところへ移動したときの、血管の収縮による循環器系への急激な負荷が原因です。風の力を利用して空調をコントロールするため、冷暖房の当たり過ぎによる身体の負担も軽減します。
パッシブデザインの家では、冷暖房をはじめとする空調機器や照明の使用頻度が減り、光熱費の削減につながります。エネルギーが高騰している中で、大きなメリットになるでしょう。また、エアコンなどの台数を減らせることで、将来的に故障したときの修理費や交換費が減らせるのも魅力です。一般的な住宅に比べると断熱性を高めるための初期投資は必要ですが、長い目で見たランニングコストと比較しましょう。
窓が少ない家を建てるなら工法選びが大切
狭小地や住宅密集地でもプライバシーが守れる、窓の少ない家。パッシブデザインという設計手法により、窓からの採光の取りにくさや換気のしにくさも解消できます。窓が少なくても、明るく省エネで過ごしやすい住まいをつくることは可能です。
ところが窓が少ないと、四方が壁に囲まれていることによる圧迫感を感じることも。そのため、壁や仕切りをなくして、できるだけ広い内部空間を確保することが大切です。在来工法の木造住宅では、耐震性を確保するために壁や柱を減らしにくいため、開放感のある窓の少ない家を実現したい場合は工法選びに気をつけましょう。
SE構法では柱と梁で強固な枠組みを作る「ラーメン構造」を取り入れているため、木造住宅でありながら壁や柱の少ない大空間を作り出すことが可能です。緻密な構造計算で住まいの耐震性は確保しながら開放的な空間を叶えます。
また、SE構法はパッシブデザインとの相性も良い構造です。頑丈な枠組みで構造躯体を組み上げるため、吹き抜けのある大空間や天窓・高窓も取り付けることができます。自然光や風の力を利用しつつ、省エネで快適な家づくりが叶えられると、人気上昇中の建て方です。
パッシブデザインを取り入れた開放感や省エネ性、さらに地震への強さを兼ね備えた住まいが気になる方は、ぜひお近くのSE構法の認定工務店へお気軽にお問い合わせください。
SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。
株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、
を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)