
和歌山市に竣工した有限会社アート工房 匠人の新社屋は、ユニテクノス建築設計事務所を併設し、設計から施工までを手がけるマイクロゼネコンの拠点だ。代表取締役の北村さんは、住まいは特別な場所ではなく日常のなかに自然に存在するべきものだと考えており、今回の新社屋建設によってその思いがカフェ、ショールーム、事務所併設というかたちで実現した。
1階には、発酵食材を用いたメニューを提供する「Koso café colline」が入っている。設計事務所への来客は、カフェ奥の階段から2階へ上がる動線となっており、一方でカフェを訪れた客は、上階に設計事務所があると知る空間計画となっているため、双方の事業を伝え合う場となっている。
新社屋は国道沿いに位置し、大型小売店が並ぶ街並みのなかで、豊かな緑と木材の外壁がひときわ印象的だ。2階は、広々とした打ち合わせルームがあり、木のぬくもりと緑を感じさせる落ち着いた内装となっている。ここは施主が住まいの完成イメージを体感できるショールームとしての役割も担う。
ガラス張りの打ち合わせルームの奥には、白を基調とした事務所スペースが広がり、スタッフのデスクが整然と並ぶ。事務所へは1階のパーキングから直接階段でアクセスすることも可能で、来客動線と業務動線が分けられている形だ。
カフェ、ショールーム、設計事務所がゆるやかにつながるこの新社屋は、地域に開かれた場であると同時に、同社の家づくりの姿勢を象徴する拠点となっている。