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SE CONSTRUCTION耐震構法SE構法

【解説】大規模木造におけるSE構法の工事監理と施工ポイントまとめ

  • 【解説】大規模木造におけるSE構法の工事監理と施工ポイントまとめ -

SE構法は構造計算により証明された構造躯体の強度により、木造でありながら自由度の高い空間を大規模木造として実現できます。設計者の工事監理や施工者の施工管理においては、明確な構造システムと施工基準が存在しておりますので、「設計監理がしやすく、施工もしやすい構法」と言えます。このコラムでは大規模木造におけるSE構法の工事監理と施工のポイントについて徹底解説します。

 

<このコラムでわかること>

SE構法は接合部の強さと壁のねばりで耐震性を確保

SE構法の柱脚や接合部が強い理由

SE構法施工のポイント1:基礎は柱脚用アンカーボルトの精度確保

SE構法施工のポイント2:建て方は金物先付けで円滑な施工が可能

SE構法施工のポイント3:上棟、耐力壁の施工

SE構法施工のポイント4:構造躯体耐力壁への設備開口の規定を遵守

SE構法施工のポイント5:施工会社の選定

大規模木造SE構法で実現するポイント

・まとめ

 

SE構法は接合部の強さと壁のねばりで耐震性を確保

SE構法は接合部の強さと壁のねばりで耐震性を確保

大規模木造として耐震性の高い建築をつくるためには、「構造計画、構造設計、構造計算、プレカット精度、施工方法」がセットで実現しないと現実的には実現が困難になります。

SE構法では、地震時においてさらなる安全性を確保するために、全棟Sボルトを採用しています。

Sボルトは、従来の金物工法の欠点を克服するために開発された特殊なボルトです。表面に凹凸加工を施し、木材にねじ込むことによって、強度を格段に向上させています。

Sボルト

通常のボルトの2倍の強さを持つこのSボルトと高強度のSE金物の組み合わせにより、SE構法独自のラーメン構造を実現しています。

構造用集成材も「木」であるため、経年変化により木が乾燥・収縮します。SE構法は、高強度SE金物とラグスクリュー状のSボルトが柱と梁の接合部にしっかり食い込み、定着することにより、木の収縮に対しても剛性を確保することができます。

Sボルト

関連記事:耐震構法SE構法はシステム化された木造ラーメン構法

 

SE構法の柱脚や接合部が強い理由

SE構法では、主要な柱の直下に柱脚金物を配し、柱と基礎とを堅牢に固定しています。柱脚金物は高強度なアンカーボルトにより、基礎に直接取り付けられるので、地震などの横からの力に強く、建物を支えます。  一般的な木造は、接合部に柱や梁をホゾ継ぎするため、地震時に断面欠損をまねき構造材本来の強度を低下させてしまいます。そこでSE構法は、大きな揺れに対して接合部が破損されない技術を追求し、「SE金物」を開発しました。 <画像>  独自に開発したSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁を接合し、優れた耐震性を実現しています。 関連記事:耐震構法SE構法の柱脚や接合部が強い理由はSE金物とSボルト

SE構法では、主要な柱の直下に柱脚金物を配し、柱と基礎とを堅牢に固定しています。柱脚金物は高強度なアンカーボルトにより、基礎に直接取り付けられるので、地震などの横からの力に強く、建物を支えます。

一般的な木造は、接合部に柱や梁をホゾ継ぎするため、地震時に断面欠損をまねき構造材本来の強度を低下させてしまいます。そこでSE構法は、大きな揺れに対して接合部が破損されない技術を追求し、「SE金物」を開発しました。

SE構法 金物

独自に開発したSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁を接合し、優れた耐震性を実現しています。

関連記事:耐震構法SE構法の柱脚や接合部が強い理由はSE 金物とSボルト

 

SE構法の施工のポイント1:基礎は柱脚用アンカーボルトの精度確保

SE構法の施工のポイント1:基礎は柱脚用アンカーボルトの精度確保

SE構法の施工のポイントは「基礎」です。特に柱脚用アンカーボルトの施工精度が重要です。

SE構法の基礎の施工プロセスは下記です。

・遣り方・捨てコンクリートの施工

・アンカーベース・アンカーボルトの施工

・アンカーセッター・土台用アンカーボルトの施工

・コンクリートの打設

基礎の施工が精度高く仕上がれば、建て方自体はプレカットの精度が高いので、施工しやすいことがSE構法の特徴です。

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(基礎編)

 

SE構法の施工のポイント2:建て方は金物先付けで円滑な施工が可能

 

SE構法の施工のポイント2:建て方は金物先付けで円滑な施工が可能

大規模木造で円滑な施工を行うためには、事前の準備が重要になります。

SE構法の構造躯体の建て方に先行して行なう施工は下記です。

・柱脚金物の施工

・土台敷き

・梁受け金物の取り付け

・管柱用金物の取り付け

・大引金物の取り付け

SE構法は金物工法ですので、柱・梁のSE金物を先に取り付けた状態で建て方を行うことで、他の工法と比較して、施工性がよく、スムーズに上棟することができます。

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(木工事・建て方前編)

 

SE構法の施工のポイント3:上棟、耐力壁の施工

SE構法の施工のポイント3:上棟、耐力壁の施工

SE構法の上棟は、通常の木造と施工プロセスはほぼ同じですが、接合部にドリフトピンを打ち込みながらの作業となるため、施工性が高いです。

SE構法の上棟における施工は下記です。

・柱、梁の建て込み

・床合板、バルコニーの施工

・登り梁、垂木・野地板の施工

・耐力壁の施工

注意点としては、耐力壁の施工です。耐力壁の施工には構造図に釘ピッチなどが明確に指示されていますので、そうしたルールを遵守した施工が必須です。構造図、取扱説明書の内容通りになっているかを工事監理者、施工管理者としてご確認をお願いします。

関連記事:【動画で解説】SE構法の工事監理のポイント(木工事・上棟編)

 

SE構法の施工のポイント4:構造躯体や耐力壁への設備開口の規定を遵守

SE構法では、施工基準に基づき、正確に施工を実施する場合は、設備開口を設けることができます。どうしてもこの施工基準に当てはまらない場合は、設計段階で個別に開口補強を検討し実施することも可能です。  SE構法の構造躯体や耐力壁への設備開口で主に注意する箇所は下記です。 ・梁(側面、上下面)の穴あけ ・梁(上面)の欠きこみ ・柱の穴あけ ・耐力壁の穴あけ ・床の穴あけ  SE構法は構造躯体や耐力壁への設備開口の規定がありますので、取扱説明書の内容通りになっているかを工事監理者、施工管理者としてご確認をお願いします。  不適切な設備開口の箇所を発見しましたら、現場判断ではなく、必ずNCNへご相談の上、適切な開口補強を実施してください。  関連記事:耐震構法SE構法の構造躯体の設備開口ルールまとめ

SE構法では、施工基準に基づき、正確に施工を実施する場合は、設備開口を設けることができます。どうしてもこの施工基準に当てはまらない場合は、設計段階で個別に開口補強を検討し実施することも可能です。

SE構法の構造躯体や耐力壁への設備開口で主に注意する箇所は下記です。

・梁(側面、上下面)の穴あけ

・梁(上面)の欠きこみ

・柱の穴あけ

・耐力壁の穴あけ

・床の穴あけ

SE構法は構造躯体や耐力壁への設備開口の規定がありますので、取扱説明書の内容通りになっているかを工事監理者、施工管理者としてご確認をお願いします。

不適切な設備開口の箇所を発見しましたら、現場判断ではなく、必ずNCNへご相談の上、適切な開口補強を実施してください。

関連記事:耐震構法SE構法の構造躯体の設備開口ルールまとめ

 

SE構法の施工のポイント5:施工会社の選定

SE構法の施工のポイント5:施工会社の選定

SE構法の構造躯体を施工する場合には、以下の2通りの選択肢があります。

・元請けの施工会社が構造躯体を含めて施工する

・構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」

基本は、元請けの施工会社が構造躯体を含めて施工することですが、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の施工を主体とした建設会社では、大工さんがいないことやノウハウの不足により、木造の構造躯体の施工が困難なことがあります。

その場合には、構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」という方法もあります。

SE構法では、NCNと技術提携をした建設会社や工務店を対象とした「SE構法登録施工店」という制度があります。SE構法登録施工店には、必ず一名以上の「SE構法施工管理技士」という資格を持つ技術者がおります。

SE構法登録施工店には、SE構法の施工の経験のある大工さんが必ず存在しますので、施工面をしっかり任せることができます。

関連記事:SE構法の施工体制は「全て元請け」と「建て方施工」が選択できる

 

大規模木造をSE構法で実現するポイント

大規模木造をSE構法で実現するポイント

大規模木造をSE構法で計画する場合のポイントは下記です。

 

1.低層建築における木造の優位性

木造の持つ規格化、標準化された設計・施工技術は、多様な建物や空間を低コストで実現することができます。特に、高品質で低コスト、短工期が求められる大規模木造を、確実に設計・施工するために有効な工法が「システム化された木造」であるSE構法です。

関連記事:「店舗、事務所、倉庫には鉄骨造より木造が「安い、早い、うまい」理由」

 

2.コストの優位性(鉄骨造と木造の比較)

構造で木造(SE構法)を選択することで、基礎や構造躯体のコストが安くなります。外壁仕上げには住宅用サイディング、窓は住宅用アルミサッシなどを使うことで、建材費や施工費も抑えることができます。

関連記事:「中大規模木造の建設費の概要とコストを抑えるポイント」

 

3.木造でよりコストパフォーマンスを高める(木造の構法による比較)

大規模木造の計画において、木造建築を慣れていないと過大にコストや工期が膨らんでしまうことがあります。それを避けるためには、構造躯体は一般用流通材を使うことを前提に構造計画を行うことが基本です。

関連記事:「中大規模木造でコストダウンできる構造計画、構造躯体の考え方」

 

4.木造に精通した構造設計者に依頼(SE構法は大規模木造に適している)

SE構法は単純に「剛性のある木質フレーム」というだけではなく、さまざまな利点を追求し、大規模木造で求められる大空間・大開口を可能にして、意匠設計者の創造性を活かせる設計の自由度を提供しています。SE構法は剛性のある木質フレームに囲まれた耐力壁を併用することで、耐力壁の性能を最大限生かすことが可能となり、壁量を少なくできます。SE構法は木造でも明確な構造計算に基づいているので、設計者は安心して意匠設計に集中できます。

関連記事:「中大規模木造に適した技術と自由があるSE構法の構造設計」

 

5.木造におけるワンストップサービス(SE構法は使い勝手が良い)

SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」そして施工というプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。大規模木造建築では工法に関わらず、「木造の構造躯体の施工の担い手」を確保する必要があります。SE構法であれば、構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」という方法もありますので、施工会社選定の選択肢が大きく広がります。

関連記事:「SE構法はワンストップサービスが魅力!各プロセスごとに徹底解説」

 

まとめ

大規模木造においては、SE構法の構造躯体の強みを活かした構造設計により、コスト減、施工性向上を実現することができます。

SE構法は構造用集成材の中断面部材(柱は120mm角、梁は120mm幅)が標準なため、住宅と同等の部材寸法でスパン8m程度までの空間を構成できるコストパフォーマンスをうまく活用していただければと考えております。スパンが10mを超える空間は、特注材やトラス、張弦梁などを活用することも可能です。

計画段階からNCNの特建事業部に相談することで、木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談することで、合理的に設計実務を進めることが可能です。

 

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。