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木造3階建て共同住宅(木3共)のメリットやコスト 準耐火建築物で建てる仕様とは?

  • 木造3階建て共同住宅(木3共)のメリットやコスト 準耐火建築物で建てる仕様とは? -

都市部の敷地では、施工性や施工コスト、投資回収期間という観点から、木造3階建ての共同住宅を計画するケースがあります。木造3階建ての共同住宅の場合、通常は耐火建築物としての性能が求められますが、条件付きではありますが「木3共」と呼ばれる仕様にすることで準耐火建築物としての建設が可能になり、結果として建設コストを抑えることができます。このコラムでは、木造3階建て共同住宅を計画する上で知っておきたい「木3共の仕様」について、そのメリット、収益物件としての適性等をお伝えします。

 

<このコラムでわかること>

  • 木3共とは?
  • コストで建設できる木造&準耐火建築物
  • 都市部の敷地に建てる収益物件には木造が有効な理由
  • 木3共」の仕様 緩和規定の設計基準とは?
  • NCN木造3階建て共同住宅に対するサポート体制
  • まとめ

 

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木3共とは?

木3共(もくさんきょう)とは、木造3階建て共同住宅のことです。木造3階建て共同住宅は、建築基準法により原則耐火建築物でなければなりませんが、条件付きで「木3共」と呼ばれる仕様にすることで準耐火建築物としての建設が可能になる緩和規定があります。(防火地域を除く)

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木造3階建て共同住宅は緩和規定の他にもメリットが多く、投資効率の良い土地活用、不動産投資の収益物件として木造3階建てアパートが選ばれています。

<木造3階建て共同住宅 5つのメリット>

  1. 「木3共」の準耐火建築物適用の緩和規定により、木造の耐火建築物に比べ、建設コストが安くなる
  2. 鉄骨造、鉄筋コンクリート造に比べ、建設コストが安くなる
  3. 2階建てよりも床面積が増やせるので事業性が高くなる
  4. 木造の法定耐用年数が22年と短く、毎年の減価償却費を多く計上できるため節税効果が高い(重量の鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造47年)
  5. 木造の自由度の高い設計で、狭小敷地や変形地も柔軟に設計できる

これらのメリットのうち、「建設コスト」「都市部の敷地」「木3共の緩和規定」について、詳しく説明します。

 

低コストで建設できる木造&準耐火建築物

低コストで建設できる木造&準耐火建築物

木造の共同住宅を低コストで実現するためには、木造の特性である「木造の高いコストパフォーマンス」と「準耐火建築物で可能なコストダウン」を活かすことが求められます。

 

<木造の高いコストパフォーマンス>

木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造と、建築の構造の中で、木造の建設コストが最も安価です。耐火構造とならない3階以下の低層の建物ならば、住宅用に一般に流通する木材を使って中大規模木造を安価に建てることができます。

木造は、設計・施工技術が規格化、標準化され、一般流通材をプレカットして使う在来木造のシステムが確立しています。910mmモジュールを前提に建材の製作、設計が進めることができる木造の構造躯体の施工は、とても合理的かつ短い日数で施工できます。

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木造建築物の重量の軽さも、基礎工事や地盤改良費を安くできる利点になります。

木造は部材の供給も安定しており、大規模木造においても特注材以外は一般流通材を活用しますので、コストの変動も少ないのもメリットです。鉄骨造、鉄筋コンクリート造では昨今、鉄鋼など資材価格の値上がりで建設コストが上昇する中、木造にコスト優位性があるといえます。

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<準耐火建築物で可能なコストダウン>

耐火建築物よりも準耐火建築物のほうが、建材や施工の費用を抑えることができ、大幅に建設コストを抑えることができます。木造の準耐火建築物のコストと比較して、木造の耐火建築物とすることで最もコストアップとなるのが内壁、外壁、設備工事です。内壁・外壁では、石こうボードや断熱材の費用が増します。設備工事については、主に防火ダンパーの設置等の費用がかかります。

準耐火建築物のコストメリットを活かすなら、「木3共」の要件を満たした木造3階建て共同住宅の仕様でのプランニングが望ましいです。※木3共の仕様については後述します。

 

建築基準法改正により、木造の準耐火建築物の可能性が大きく広がっていることも注目です。

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また建築基準法改正により、準防火地域に計画される耐火建築物および準耐火建築物について、建ぺい率を10%加算できるようになったことは計画上の大きなメリットです。

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都市部の敷地に建てる収益物件には木造が有効な理由

都市部の敷地に建てる収益物件には木造が有効な理由

都市部の敷地に建設される収益物件では、土地の活用方法、施工性や施工コストという観点から、木造3階建て共同住宅が計画されるケースがあります。

 

<土地の活用方法>

土地の活用方法として、賃貸住宅やオーナー住居付きの賃貸併用住宅は、とても有効な手段です。一方で画一的な賃貸住宅では、他の賃貸住宅と差別化できない可能性もあります。そこで木造でデザイン性の高い共同住宅を実現することで、付加価値の高い共同住宅を提供することができます。

 

<施工性>

都市部の狭小敷地においては、敷地までの道路状況や、敷地形状、道路と敷地の高低差などにより、工事の行なう上でさまざまな制約が発生することがあります。こうした条件の敷地では、鉄骨造用の大型重機や、鉄筋コンクリート造用のコンクリート打設車の通行が容易ではありません。

木造は部材が軽量な上、運搬や組み立てがしやすく、地盤改良工事も小口径の鋼管杭などで施工できます。

 

<施工コスト>

前述の通り、木造は他工法と比較して、施工費を低コストに抑えることができます。構造躯体費、基礎工事、その他全般的に工事費が安いです。鉄筋コンクリート造や鉄骨造より軽いため、木造は建物の重量が軽いことで、地盤改良費も抑えられます。

 

「木3共」の仕様 緩和規定の設計基準とは?

木造3階建共同住宅 木三共

木造3階建ての共同住宅(3階の用途を共同住宅にしているもの)は建築基準法において特殊建築物として扱われます。この場合、耐火建築物としなければなりませんが、防火地域以外であれば、建築基準法27条ただし書きにより、「木3共仕様(木造3階建て共同住宅の仕様)」と呼ばれる1時間準耐火建築物を耐火建築物と同等なものとして扱うことが可能になります。

木造3階建ての共同住宅(地階を除く階数が3で、3階が下宿、共同住宅、寄宿舎の用途であるもの)を防火地域以外に計画する場合は、延べ面積が1,500m2以下の場合(準防火地域以外では原則として3,000m2)、以下4つの条件を満たせば、耐火建築物にしなくてもよいことになっています。

 

<木3共の設計基準>

1. 1時間準耐火構造

主要構造部を1時間準耐火構造以上とすること

2. 避難上有効なバルコニー

避難上有効なバルコニーの設置により、2方向の避難経路を確保していること。ただし住戸と開放廊下間に防火設備を設けた場合は設置しなくてもよい。廊下、階段には常時十分な外気に開放された排煙上有効な開口部を設けることが必要となる。

3. 敷地内通路

道に接する部分を除く建物の周囲に、道から3m以上の通路(開口部がある居室の外壁面のみ)までを確保する。ただし開放廊下の階段で住戸と区画するほか、避難上有効なバルコニーを設置し、開口部に上階への延焼防止などの措置をした場合(庇を設ける)は除く。

4. 防火設備

準防火地域の場合は、3階の各宿泊室(居室)などの外壁開口部、およびその他の用途の室に面する開口部に防火設備を設けること。または、庇や袖壁で防火上有効に遮ること。

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NCNの木造3階建て共同住宅に対するサポート体制

NCNの木造3階建て共同住宅に対するサポート体制

NCNは耐震構法SE構法を独自のシステムで開発し、大規模木造向け事業を展開しています。木3共仕様においても、木構造に関するノウハウや情報提供、構造計画から構造計算など、設計事務所様、建設会社様にさまざまなソリューションを提供しています。

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設計や積算に関しては、主に構造設計や木造建築のノウハウでサポートいたします。材料供給に関してもコストパフォーマンスの高い構造躯体コストや短納期でサポートさせていただきます。

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耐火建築物や準耐火建築物の実績が豊富にありますので防耐火設計のノウハウも蓄積しています。SE構法では独自の「燃え代計算」の特許も取得しており、準耐火建築物で構造材を現しにする設計も可能です。

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木造建築のコストに関するお問い合わせにも、常にさまざまな用途、規模の建物に携わっておりますので、リアルタイムに現実的な建築工事費の相場感などをお伝えできます。

 

まとめ

木造で施設を計画する際には、建築基準法に加え、関連する条例等を遵守することが求められます。

法律や条例等は常に改正されていきますし、その解釈や運用については該当の行政窓口や指定検査確認機関等により異なりますので、本コラムの内容は「記事掲載時の一般的な考え方」であることのご理解、ご了承をお願いします。

建築実務者の皆様においては、常に最新の法規等の情報をチェックしつつ、該当の行政窓口や指定検査確認機関等によく内容を確認をしてから設計や施工を進めていただくようお願い申し上げます。

大規模木造を設計するのに使い勝手がよい工法は集成材構法です。大スパン・大空間が求められる大規模案件においては、設計、供給、施工、コストパフォーマンスの良さが、高い次元で成立している工法が求められます。

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

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また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

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