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住宅の基礎の重要性を知ろう|基礎の種類やそれぞれの特徴・工事手順を解説

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住宅の基礎の重要性を知ろう|基礎の種類やそれぞれの特徴・工事手順を解説のインデックス

住まいを新築する際、どれだけの人が基礎に着目しているでしょうか。内装や設備のように目に見える部分ではないため、あまり気に留めない人が多いかもしれませんが、基礎は家の要となる部分です。基礎がしっかりしていないと、いくら立派な建物を作っても、住む人の安心安全を守れません。

そこで今回は基礎のことを知ってもらうべく、基礎の役割や種類、工事手順、選び方を総合的に解説します。安全な住まいづくりの参考になりますので、ぜひ最後までご覧ください。

住宅の「基礎」とは?どのような役割があるの?

そもそも住宅の基礎とは、建物の最も下部にあり、建物と地盤をつなぐ部分のこと。建物重量を広い面積で地盤に分散させ、地震や風など建物に加わった外力を地面に伝える役割があります。また、建物の下部を雨水や湿気から守り、シロアリを侵入しにくくするのも大切な役割です。
基礎の主な材料は鉄筋コンクリート。圧縮力に強いコンクリートと、引張力に強い鉄筋の特性を組み合わせることで、堅牢な基礎を作ることができます。

住宅の基礎は主に「布基礎」「ベタ基礎」の2種類

住宅に使用される基礎は、主に「布基礎」「ベタ基礎」の2種類です。地盤の強さによって杭基礎を用いることもありますが、ここでは一般的に用いられる布基礎とベタ基礎について解説します。

布基礎

布基礎とは建物の土台となる柱や耐力壁の位置に合わせて、コンクリートを立ち上げて建物を支える基礎のことを言います。点と線で建物を支えるのが特徴です。

 

メリット ・ベタ基礎よりもコストが安い
・寒冷地に適している
・鉄骨造に適している
デメリット ・湿気対策が必要
・シロアリが侵入しやすい
・不同沈下のリスクが高まる

 

布基礎のメリットは、コンクリートの使用量が少なく、コストが抑えられるところ。一方で底面が薄いコンクリートにしか覆われないため、湿気やシロアリが侵入しやすいという大きなデメリットがあります。

最近はあまり採用されなくなった布基礎ですが、今でも採用されやすいのが北海道や東北などの寒冷地です。寒冷地では、地中の水分が凍結して地盤が隆起する「凍上現象」が発生し、基礎を持ち上げてしまうことがあります。ベタ基礎の場合は深くまで基礎を作る必要があるため、コスト削減のために布基礎が採用されることが多いのです。

<現在準備中の関連記事を入れます「布基礎」>

ベタ基礎

ベタ基礎とは壁や柱の下に鉄筋コンクリートで立ち上がり部分を作るだけでなく、地面全体に鉄筋コンクリートを施工する方法です。布基礎が点と線で支えるのに対し、ベタ基礎は面で支えます。

 

メリット ・不同沈下が起こりにくい
・耐震性が高い
・湿気をシャットダウンできる
・シロアリ被害にあいにくい
デメリット ・寒冷地と相性がよくない
・鉄骨造にはやや不向き

 

ベタ基礎のメリットは、建物の荷重を面で支えるため、地耐力のない軟弱地盤でも不同沈下が起こりにくいこと。地震の揺れを面で分散して地盤に伝えられるので、阪神淡路大震災以降、多くの新築物件がベタ基礎を採用するようになりました。
また、地面に接する部分をすべてコンクリートで覆うため、湿気やシロアリのリスクが軽減される点もメリットです。

 

ベタ基礎とは?布基礎との違い・それぞれのメリットデメリットを解説

ベタ基礎工事の手順

ここからはベタ基礎工事の手順を簡単にご紹介します。手順を知ることで、実際に基礎を施工する際「今何をしているのか」が分かるようになり、職人や現場監督に質問もしやすくなるでしょう。

1.地縄張り

最初に地縄張りと呼ばれる、建物の位置を決める作業を行います。建物や駐車場の位置・広さが視認できるようになるため、この時点で問題がないか確認しましょう。

2.遣り方

次に行われるのは、遣り方と呼ばれる木杭を立てる作業です。図面に書かれている家の位置や基礎の高さを、実際の土地に表し、水平を確認します。

3.根切り(土工事)

遣り方で定めた場所を、重機で掘削するのが根切りです。建物の重量を支えられる地盤に達するまで、掘削します。

4.砕石敷き・防湿シート敷き

根切りを行った部分に砕石と呼ばれる、細かく砕いた石を敷き詰めていきます。そのままでは強度がないので、転圧機を使って砕石を締め固めるまでがセットです。その上に地面からの湿気を防ぐ防湿シートを敷きます。

5.捨てコンクリート

防湿シートの上からコンクリートを流し込み、平らにします。捨てコンクリートの工程が必要な理由は「家の高さの基準点を作る」「墨出し(水平を図り位置を書く作業)をしやすくする」「配筋や型枠の下地にする」などがあります。捨てコンクリート自体に強度は必要ないため、厚みはあまりありません。

6.配筋

墨出しをした位置に鉄筋を並べ、結束線で鉄筋同士を連結するのが、配筋です。配筋には基準があるため「配筋検査を行って正しく並べられているか?」「本数や間隔は正確か?」などをチェックします。

7.ベース部分の型枠組み・コンクリート打設

建物の外周部分に型枠を組み、基礎のベースとなる部分にコンクリートを打設。流し込むだけでは気泡ができてコンクリートの強度に影響を与えるため、バイブレーターで突きながら気泡を消します。全体に打ち終わったら平らにして仕上げます。

8.立ち上がりの型枠組み・コンクリート打設

間取りをもとに、立ち上がり部分の型枠を組みます。この時建物と基礎をつなぐアンカーボルトも設置します。型枠組立が完了したら、そこにコンクリート打設を行うのですが、こちらも気泡を消すためにバイブレーターで突きながらの打設が必要です。

9.養生

コンクリートが固まり、十分な強度が出るまで養生期間を設けます。この期間は、季節や気温によって異なるため、その時々で調整が必要ですが、一般的に5~7日程度必要です。

10.脱型

養生期間が終わったら、型枠を外します。この時、コンクリートやアンカーボルトに不備がないかチェックされます。

安全な基礎を設計する方法

ここまで見てきた通り、基礎は建物の中でも非常に重要な部分のひとつ。基礎が頑丈な家は地震にも強く、長期にわたって安心して暮らすことができます。基礎は後から作り直すのが難しいので、入念に計画することが大切です。ではどのように基礎を設計すれば、安全な住まいがつくれるのでしょうか。

各種条件に合わせた基礎の種類を選ぶ

木造住宅で採用されるのは、基本的にベタ基礎か布基礎のどちらかです。双方にメリット・デメリットがありますが、どう選ぶかはさまざまな条件が絡んできます。

 

ベタ基礎 布基礎
コスト やや高い ベタ基礎より安い
地盤の状態 軟弱地盤にも対応 地耐力のある地盤に適している
気候 寒冷地には不向き 寒冷地でもOK

 

「コストが安いから布基礎」「耐震性が高そうだからベタ基礎」とひとつの要素だけで判断するのではなく、複合的に判断しなければなりません。また依頼する工務店によって、採用する基礎が決まっていることも。疑問を持ったら、なぜその基礎を採用しているのか尋ねてみましょう。

基礎の種類ごとの寸法などの規定を守る

木造住宅の基礎に関する仕様規定は「建築基準法施行令第38条」で定められており、その具体的な内容は「平成12年建設省告示第1347条」で規定されています。告示では断面寸法や根入れ深さ、鉄筋の入れ方などの最低基準が決められており、例えばベタ基礎と布基礎の寸法は次の通りです。

 

ベタ基礎:立ち上がり部分の高さは地上から30㎝以上、立ち上がり部分の厚さ12㎝以上、底盤の厚さ12㎝以上

布基礎:立ち上がり部分の高さは地上から30cm以上、根入れの深さ24cm以上、底盤の厚さ15cm以上

 

あくまでも規定はあくまでも守っていれば必ず安全な基礎ができるとは限りません。本当に安全な基礎を設計するのであれば、建物の荷重を細かく算出した構造計算が必要です。特にビルトインガレージなど大スパンの建物では、地面からの反力で反りやすいため、慎重な基礎設計が求められます。

構造計算に基づき安全な基礎を設計する

ベタ基礎をはじめとする直接基礎の場合、建物重量を地盤が支えられるか検証が必要です。建物から地盤に伝わる接地圧が、地盤の強さである地耐力よりも小さければ、建物を支持できると判断されます。

 

また、建物が地面を押すと、同じ圧力が地面から底盤に対してかかります。この反力により底盤を曲げるような力が作用してひび割れが生じることがあるため、基礎の厚さや鉄筋の太さを適切に設計することが大切です。

基礎から構造計算を行うSE構法の住宅

ほとんどの木造住宅では構造計算が行われていませんが、基礎から上部構造まで綿密な構造計算を行っているのが「SE構法」の木造住宅です。「FEM解析(Finite Element Method:有限要素法)」という方法で建物に伝わる力を解析し、科学的根拠に基づく強固な基礎設計を行っています。

上部構造は、マンションなどによく使われるラーメン構造を木造へ応用。柱や梁を剛接合することで、在来工法では難しかった大スパンなど開放的な間取りが叶えられます。構造計算をもとに安全性を確認し、優れた耐震性能を実現。東日本大震災、熊本地震規模の大地震に見舞われても倒壊せず、全壊・半壊の報告もありません。

住宅の基礎について理解して安心安全な家づくりをしよう

基礎は普段目に見えない部分ですが、大切な住まいを支えるのにとても重要な部分です。一見同じような鉄筋コンクリートの基礎に見えても、寸法や鉄筋の配置などによって強度や耐久性は大きく変わってきます。日本に住む以上、地震や大型台風に見舞われたり、シロアリ被害を受けたりするリスクもあります。家族が安心して暮らせる基礎設計を行うことが大切です。

SE構法では耐震性が高く、湿気やシロアリにも強いベタ基礎を採用。FEM解析で建物に伝わる力を綿密に解析したうえで基礎設計を行っています。SE構法が開発された1997年当初から2024年現在まで、地震による倒壊や半壊がゼロ。安心できる木造住宅の建て方のひとつとして、採用を検討してみてはいかがでしょうか。

高い耐震性能と自由で大胆な空間デザインを両立する、耐震構法SE構法

SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。

SE構法とは…

株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、

  • 木造でありながら地震に対する安全性
  • 壁や柱が少ない室内での「大空間」
  • 大きな窓を採用し光を取り入れる「大開口」

を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)

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