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大規模木造に最適なSE構法の最新事例まとめ(2022年版)

  • 大規模木造に最適なSE構法の最新事例まとめ(2022年版) -

 近年では社会的な要請や発注者の意向により、今まで鉄筋コンクリート造や鉄骨造で計画されていた非住宅の建築物が徐々に木造化されています。

 一方で地政学リスクの高まりによる需要や供給量等の変化に伴い、深刻な資材高騰が起きています。今後、資源不足がより深刻化し、コロナ禍で高騰していた建設資材は、さらなる値上げが懸念されます。

 こうした局面で注目されるのが木造化です。特に鉄骨造と比較すると工期や材料の納期が短いことからコストダウンが期待できますので、鉄骨造から木造への転換は資材高騰対策として現実的な手段となり得ます。

 SE構法は耐震性の高さ、設計の自由度、コストパフォーマンスの良さ、ワンストップサービス等で高い評価を受けており、さまざまな木造建築の実績が増えています。

 このコラムでは大規模木造に最適なSE構法の事例について解説します。

 

<このコラムでわかること>

鉄骨造から木造への転換する際の課題:木造化への対応

SE構法大規模木造事例:共同住宅(4階建て)

SE構法大規模木造事例:幼稚園・保育園

SE構法大規模木造事例:店舗(美容院)

SE構法大規模木造事例:店舗(インテリアストア)

SE構法大規模木造事例:宿泊施設

SE構法へのお問合せ、ご相談について

・まとめ

 

鉄骨造から木造への転換する際の課題:木造化への対応

大規模木造におけるSE構法の強み:木造非住宅に特化した専門チームが対応

木造化のポイントは、コストや工期短縮等のメリットに加えて、CO2排出量削減や炭素固定などにインセンティブがあり企業価値が高まる等のメリットを示すことが重要です。

関連記事:脱炭素社会は木造化が鍵!建設会社が大規模木造に取り組むべき理由

木造は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の構造より建設コストが安く抑えることができます。発注者もしくはテナント契約者の双方にコストメリットが働く可能性もあります。

関連記事:【核心】建設会社が大規模木造に取り組むメリット

資材高騰対策で大規模木造に切り替える際には、企業イメージの向上のための投資でもあると判断してもらえるように環境負荷軽減などへの貢献を明示できるかが重要です。

関連記事:【Q&Aで理解】建設会社が大規模木造をビジネス化するポイント

低層の建築物で木造化、木質化への相性が良いのが「SE構法」です。SE構法を採用して実現した建築物の事例をお伝えします。

 

SE構法の大規模木造事例:共同住宅(4階建て)

SE構法の大規模木造事例:共同住宅(4階建て)

「LAPEACE(ラピス)」は株式会社土屋ホーム様(北海道)で商品開発された木造4階建の共同住宅です。

関連記事:SE構法による木造4階建共同住宅の計画・設計まとめ

・この共同住宅の計画では、木造化することによってC02を固定化でき、軽量化で地盤補強を軽減でき、コスト削減にも繋がります。RC造より工期が40%短く、木材特有の断熱性、調湿性により健康で快適な環境も実現できます。

・この共同住宅は、北海道初の高性能木造中高層アパートメントで、光熱費が約半分に抑えられる省エネ性のほか、木材のデザイン性、断熱性、調湿性、快適性などの付加価値をつけて相場の2割高い賃料を想定しています。

・この共同住宅は、木造4階建かつ耐火建築物であることから建物重量がとても大きくなるため、通常の構造ディテールに加えて、標準材として準備されている「平角柱」を使うことで、コストを抑えた構造計画となっています。

関連記事:耐震構法SE構法が「強くて、安い」のは構造フレームと耐力壁にワケがある

・北海道などの寒冷地では冬場に屋根に積もる雪の重さを考慮しておく必要があります。そのエリアで想定される積雪量から積雪荷重を設定して構造計算を行いながら全体の構造計画を決めていきます。SE構法は、許容応力度計算に基づく構造計算を全棟実施しておりますので、建設地の条件に応じた構造設計が可能です。

関連記事:中大規模木造に適した技術と自由があるSE構法の構造設計

・木造4階建てでは1時間耐火構造が要求されます。木造耐火構造を計画する場合、内部を石膏ボードで覆う必要があるため、空間の確保や、耐火被覆分のコストアップについて事前によく検討をしておく必要があります。

関連記事:​​木造でも耐火建築物は可能!大規模木造における耐火建築物まとめ

 

<「LAPEACE菊水」の概要>

・用途:共同住宅

・階数:4階建て

・延床面積:831㎡

・耐火建築物

この事例の詳細ページはこちらです。

           

<「LAPEACE菊水」の計画ポイント>

・構造材:道産カラマツ集成材(一部桧集成材)

・プレカット:北海道プレカットセンター(※材料調達~プレカット~施工まで全て北海道内で完結)

・構造材使用量:約100㎥(※一般的な木造2階建て住宅の場合:約20㎥程度)

・構造計算:4層での実状に即した構造解析 ルート2申請(適判不要)(※2×4工法の場合4Fは適判必須)

・最大梁成:120×600(※EV吹き抜け周りに一部利用)

・耐火構造:告示仕様(1399号)と日本木造住宅産業協会の耐火構造の2種類の仕様を部位によって使い分けている。

・エレベーターについて:SE構法の高い品質管理や施工精度によって、三菱電機様とのコラボレーションにより鉄骨フレームレスの常用6人乗りエレベーターが実現。エレベーターと木躯体の接合用金物はNCNで設計

 

SE構法の大規模木造事例:幼稚園・保育園

SE構法の大規模木造事例:幼稚園・保育園

「社会福祉法人親愛会 千波保育園」は木造2階建の幼稚園・保育園です。

幼児施設のような用途の建築においては、SE構法の構造躯体の強みを活かした構造設計により、コスト減、工期短縮、施工性向上を実現することができます。

関連記事:大規模木造で幼児施設を建てるための法規、事例、メリットまとめ

・幼児施設のように公的な補助金を活用するには、年度内に竣工するための短工期に対応する必要があります。SE構法は、一般に流通する構造用集成材を採用している工法のため、原則構造材発注後60日間前後で構造材を現場に搬入することが可能です。

関連記事:補助金事業には木造がベスト!木造がRC造やS造より工期短縮できる理由

・幼児施設では、建築基準法や設計基準等により「耐火建築物」や「準耐火建築物」とすることが求められることがあります。この幼稚園・保育園においても木造で準耐火建築物を実現しています。

関連記事:木造の準耐火建築物の可能性が広がる!改正建築基準法の解説

SE構法の大規模木造事例:幼稚園・保育園

・幼児施設の遊戯室や保育室においては大空間が求められます。この幼稚園・保育園においては、屋根形状に合わせた勾配天井を登り梁で支える構造として大空間を実現しています。

関連記事:SE構法の幼稚園の事例紹介「聖美幼稚園」

・教育施設の調査において木材利用は、子ども達のストレス緩和、集中力の向上、インフルエンザや怪我の抑制効果などの報告があり、木造の建物は健康にも優しい建築物です。

関連記事:中大規模木造は人や環境に優しい理由

 

<「社会福祉法人親愛会 千波保育園」の概要>

・用途:幼稚園・保育園

・階数:2階建て

・延床面積:1,367㎡

・準耐火建築物

この事例の詳細ページはこちらです。

 

<「社会福祉法人親愛会 千波保育園」の計画ポイント>

・耐火構造:45分準耐火構造 燃えしろ設計により、一部梁や柱をアラワシにしている。

・スパン:最大スパンは一歳児のほふく室に8.1mスパンを構成

・6.6mスパンの遊戯室は登り梁に開き止めのタイバーを設置して架構している

・構造材使用量:約161㎥(柱・梁:欧州赤松集成材、土台:国産桧集成材)

 

SE構法の大規模木造事例:店舗(美容院)

SE構法の大規模木造事例:店舗(美容院)

「THE POINT ENOSHIMA」は木造2階建の店舗です。

店舗のような用途の建築においては、SE構法の構造躯体の強みを活かした構造設計により、コスト減、工期短縮、施工性向上を実現することができます。

関連記事:SE構法による店舗の事例まとめ

・店舗は、法27条による特殊建築物です。3階建て以上は耐火建築物、2階建てで床面積の合計が500m2以上の場合は準耐火建築物とする必要があります。店舗における建築基準法の規定の詳細については下記の記事をご参照ください。

関連記事:木造で店舗を計画するための関連法規まとめ

・この店舗は川沿いの敷地に建設されています。一般的に川に面するエリアは軟弱地盤であることが多いです。敷地が軟弱地盤だった場合、地盤改良工事を行う必要があります。大規模木造は、建物重量が鉄骨造あるいは鉄筋コンクリート造と比較して大幅に軽いことから、求められる地耐力が小さくなるため地盤改良工事をコストダウンすることができます。

関連記事:中大規模木造の建設費の概要とコストを抑えるポイント

SE構法の大規模木造事例:店舗(美容院)・この店舗は海に近い場所に建設されています。海が近いエリアでは、建築計画において「塩害」の対策を行う必要があります。塩害に対しては、鉄骨造よりも木造のほうが有利となります。

・減価償却資産の耐用年数ですが、店舗は鉄骨造34年、木造22年となっており、木造の減価償却期間が鉄骨造より短く設定されており、建物を所有する事業者にとっては、年間の経費をより多く計上することができ、節税効果を得ることも可能です。店舗ではライフサイクルコストも重要であり、計画から解体工事までをトータルで考える必要があります。

関連記事:店舗、事務所、倉庫を木造で計画するメリット

・木造の減価償却期間は、税法上の法定耐用年数をもとに設定されており、必ずしも実際の建物の寿命とイコールではありません。現代の木造建築ではメンテナンスを適切に行うことで更に長期に使用することも可能です。

 

<「THE POINT ENOSHIMA」の概要>

・用途:店舗

・階数:2階建て

・延床面積:318㎡

・その他建築物

この事例の詳細ページはこちらです。

         

<「THE POINT ENOSHIMA」の計画ポイント>

・建物構成:1F飲食系物販、2Fフロア貸しを前提としたワンルーム、3Fビルオーナーの住宅

・2Fは14,560mm×5,915mmの無柱空間となりSE構法ならではの空間ができている

・最大スパン:5.9m

・構造材使用量:33.41㎥

 

SE構法の大規模木造事例:店舗(インテリアストア)

SE構法の大規模木造事例:店舗(インテリアストア)

「みのやビルヂング」は木造2階建の店舗です。

・店舗の開放的な空間を実現すべく、SE構法の構造用集成材の柱・梁で形づくる門型フレームが連なる空間構成となっています。

SE構法の大規模木造事例:店舗(インテリアストア)

・ガラスのファサードを通じて商店街のアーケードにも、開放的な木質空間の雰囲気が伝わる建築デザインとなっています。

 

<「みのやビルヂング」の概要>

・用途:店舗

・階数:2階建て

・延床面積:306㎡

・その他建築物

この事例の詳細ページはこちらです。

        

<「みのやビルヂング」の計画ポイント>

・将来の可変性を考慮し、6m×6mの大きなグリットで建物を構成した。

・メインのフレームとして120×360をダブルに合わせたフレームを使用して、そのほか短辺方向にバランスよく耐力壁を配置する構造計画とした。

・構造材使用量:約30㎥

 

SE構法の大規模木造事例:宿泊施設

SE構法の大規模木造事例:宿泊施設

「MY LODGE Naoshima」は木造2階建の宿泊施設です。

・宿泊施設は、法27条による特殊建築物です。旅館業法において宿泊施設の種別に応じて設置基準があり、客室の面積等の要件があります。計画の規模に応じて、必要となる耐火性能も変わります。建築基準法以外にも注意すべき規定などもあります。宿泊施設における建築基準法の規定の詳細については下記の記事をご参照ください。

関連記事:木造で宿泊施設を計画するための関連法規まとめ

・この宿泊施設は、施設のコンセプトに基づき、あえてエントランスなどの共用部を設けず、シンプルな客室と小さなレストランで構成されています。

この宿泊施設では、全ての部屋の窓から瀬戸内海を見渡すことができます。南向きの窓からは太陽にきらめく海面と四国の山並み、西向きの部屋の窓には直島の表玄関の宮浦港と夕日に染まるオレンジの海が広がります。

SE構法の大規模木造事例:宿泊施設

・木造の宿泊施設は、コストが比較的安く工期も短いため、事業計画が立てやすい点がメリットです。施設規模があまり大きくない場合、地元の企業に建設を依頼することもできるため、地域経済にも貢献できます。

・地域材など国産材を活用した木造建築を建てることができます。郊外に建てる場合、法規制等が少ないため、木を現しにした表現が可能になります。

・脱炭素、ESG投資等の視点から、これから建設する建築物に対して木造化・木質化が求められており、大規模木造の需要が高まっています。

関連記事:大規模木造とSDGs・脱炭素・ESG投資の相性が良い理由

 

<「MY LODGE Naoshima」の概要>

・用途:宿泊施設

・階数:2階建て

・延床面積:561㎡

・その他建築物

この事例の詳細ページはこちらです。

 

<「MY LODGE Naoshima」の計画ポイント>

・直島という芸術に触れることができる立地で、インバウンド需要を見込んでヨーロッパ人観光客をターゲットにした宿泊施設。

・主なスパンは3.6mと小さいが、レストラン部分に耐力壁をおけない箇所があり、そこに600㎜の大断面材を配置し、耐力壁の無い大きな空間を実現している。

・構造材使用量:約57㎥

 

SE構法へのお問合せ、ご相談について

SE構法へのお問合せ、ご相談について

大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。

 

1.構造設計

SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。

 

2.概算見積り

SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。

 

3.調達

物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。

 

4.加工

構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。

 

5.施工

SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)

 

↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。

https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/

 

まとめ

大規模木造においては、SE構法の構造躯体の強みを活かした構造設計により、コスト減、施工性向上を実現することができます。

SE構法は構造用集成材の中断面部材(柱は120mm角、梁は120mm幅)が標準なため、住宅と同等の部材寸法でスパン8m程度までの空間を構成できるコストパフォーマンスをうまく活用していただければと考えております。スパンが10mを超える空間は、特注材やトラス、張弦梁などを活用することも可能です。

計画段階からNCNの特建事業部に相談することで、木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談することで、合理的に設計実務を進めることが可能です。

 

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。