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2010/10/13インフォメーション

株式会社ホーメスト 足で、目で集めた情報を積み重ねて自分たちの顧客を絞り込みました。

 最先端のファッションブランドが軒を連ね、華やかな印象のある東京青山界隈。

しかもその中心、青山ベルコモンズのある青山三丁目交差点から1分も掛からない場所にホーメストの事務所はある。住宅地に近く、住民が多い場所にあるのが工務店、そんな先入観は一蹴されてしまった。

「青山通りや外苑西通り、表参道といった通りに面しているところは大きなビルが林立していますが、路地を入れば、閑静な住宅街ですよ。だからこそ、この街に事務所を構えようと思ったんです」

そう語るのはホーメスト代表取締役である山勝彦さんだ。
商業地区の色合いが濃い渋谷区・港区だが、現在20 万世帯の人々が暮らしている。マンションも多い一方で、戸建て数もかなりの数に上っている。同社はこの地に事務所を構えるに当たり、地域密着型の工務店を目指した。

そのため周囲を徹底的に歩いて回ったという。

「ターゲットエリアを決め、さらにターゲットを明確にするため、情報はとにかく足をフルに使うことで徹底的に集めたんです。約5 万軒をクリッピングし、そこから築年数や使用状況、規模、居住者を見極めて、潜在的に建て替えやリフォームを必要とする物件を洗い出していきました。結果的にわれわれのターゲットエリアに、顧客対象となる物件が約5000 軒あることが分かってきたんです。この独自のリストを作ることが第一歩でした」と山さん。

ただ漠然と営業するのではなく、
自分たちを求める顧客を探し、さらに絞り込むこと。
つまり市場(=顧客) の分析を行なったのである。続いて行なったのが5000 軒を軸にした営業活動だ。スタッフ全員が記者・編集者となった自社出版物を発行、完成見学会や勉強会といったイベント告知のチラシもすべて自社で制作する。さらにはポスティングもスタッフ自身で行なっているという。こうした作業を人任せにする会社が多いなか、自分たちで動くとは珍しい。

「ムダな印刷物が減り、製作コストを抑制できる。また集客の歩留まりを高めることもできる。でも大切なのは歩いて、見ることで、街を知り、街のニーズを発掘することができるところです。これが大事な情報であり、積み重ねが商売の種になるんです」

 どんなお宅が建て替えたのか、どの会社を使って建て替えたのか、どんな家に変わったのか。こうしたことからエリア特性やニーズ、トレンドが見えてくるとも語る。この場合、スタッフに要求されるのは洞察力だろう。ぼんやり歩いていては情報など得られるはずもなく、すなわち商売のネタを見逃すことになるからだ。
 さて同社ではオリジナルの企画住宅を開発。トレンドを押さえ、こだわり抜いた仕様で顧客をリードし、提案効率を高めている。また徹底的な分離発注を進め、間接的なコストアップ要因を排し、さらに資材の仕入れ単価を定期的にチェックすることで適正価格を研究しているという。

 
 

マーケティングを知ることで
顧客目線の提案ができるようになります。

また特定の職人や業者に安定して仕事を依頼することで、作業効率が向上し、工期短縮につながっただけでなく、職人は年間に手がける棟数が増え、結果的に賃金がアップしたそうだ。前述したとおり宣伝費といったコストも最低限に抑えた結果、1棟当たりの単価を下げることを実現したのである。
 こうした地道な努力により、わずか3 年半という期間で、地域に合わせた質の高い商品を提供できる体制が整ってきた。

 徐々に口コミなどでも評判となり、扱う物件を増やしてきた。しかし事務所を構えた5 年前、住宅展示場を持たない同社は、自己アピールの場である“ 現場” がなく、苦労したと山さんは苦笑する。
 ホーメストが他社と明らかに違う点は、マーケティングを積極的に行なっているところにある。専任スタッフもおり、また毎週1 回、スタッフ全員参加による社長を講師としたマーケティングとプレゼンテーションについての勉強会も実施する。

「このエリアはハウスメーカーが強力で、有名建築家の事務所が多いこともあり、顧客のブランド志向が強いんですね。彼らに競合であるわれわれが勝つには、市場のニーズを的確に捉え、トレンドを理解しておかなくてはいけない。そのためにスタッフそれぞれがマーケケティング知識を持ち、顧客目線の発想力、提案力を身につけることが必要です。そして自社の長所、欠点を知り、きちんとブランディングしていくこと。これが不可欠でしょうね」

山さんが言う顧客とは、施主に加え、業者や職人、そして地主も含まれている。
「不動産売買はディベロッパーの意向が反映されています。でも彼らは自分の会社しか見ておらず、家を取り巻く地主や職人、施主の意向が不在。古くからこの土地に住む地主なら、いい人に住んでもらいたいし、街並みにも配慮してほしいもの。職人たちは仕事が不定期うえに叩かれ疲弊しています。こういう負のスパイラルを断ち切るために、今期から分譲も手掛けているんです」と新たな試みを話してくれた。

「分譲では街並みに合うよう、区画割りや設計に工夫を凝らしています。またニーズを捉えた付加価値を付けることで“この場所、この家に住みたい”という欲求が芽生え、多少割高感があっても購入に至る。おかげさまで、キャンセル待ちが出る人気物件を造れるようになりました。とはいえ土地と建物のバランスは難しく模索中です。とくに渋谷・港区というのはご存知のとおり土地が高いですから、分譲住宅の購入金額の8 割は土地代になってしまう。しかし土地を安価に供給できれば、建物のグレードや満足感を上げることがで

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